専務理事のばたばた日記 

第132

商工会事務局 伊東 義員


3月安全日 トロントは本当に安全な街!?


在トロント日本国総領事館では、定期的に安全対策協議会を開催しており、商工会、補習校からもその協議会に出席している。これまでは半年に1回の開催であったが、今年から3か月に1回のペースにするようだ。

主な協議内容は、直近で起きた事件の情報共有と連絡体制の確認などだが、今回は当地で不幸にも死亡した場合の対処が議題の一つになっていた。その議題の前に、まずはトロントの治安状況の説明があった。

トロントの犯罪件数や発生地域は、トロント市警察Toronto Police Serviceがそのホームページでほぼリアルタイムに更新した情報を発信している。自分がトロントに来た当時は、犯罪発生地域はある程度限定されていたが、今の犯罪発生マップを見ると、トロント市全域で犯罪が起きていることがわかる。

連邦政府サイトに掲載されている犯罪発生率(人口10万人あたりの犯罪件数)を見ると、カナダ全体の犯罪発生率は5.9%、オンタリオ州は4.0%となっている。参考までに日本の警察庁サイトに出ている東京の犯罪発生率は0.86%だそうで、人口がほぼ同じながら、犯罪発生率ではオンタリオ州のほうが約5倍近く高い発生率となっている。

トロントに来られる方の多くは、トロントは安全な街という認識を持っているようだが、さて5倍の犯罪発生率を安全と言えるかどうか。確かに北米の大都市の中では、犯罪発生率は格段に低いと思うが、日本と較べるとまだまだ注意が必要なレベルではないだろうか。

不幸にも家族、駐在員の死亡に際した場合、トロントには日本語で対応してくれる葬儀社はないそうで、日本へのご遺体の移送などの手続きをしてくれる葬儀社も限定されているとのこと。総領事館では親族呼び寄せや葬儀社との連絡、各種手続きについて協力をしてくれるとのこと。


3月落語日 ひょんなことから落語家さんがトロントへ
個人情報流失で問題になっているFacebookだが、自分も使っており懐かしい人とつながりを持つこともある。

数年前に小学校時代の同級生とつながりができ、時々お互いの投稿にコメントをしたり、誕生日のメッセージを送ったりしているが、昨年秋、彼がつながっている人の再掲載にこんな内容があった。「海外で落語公演をしたいので支援してくれる方いませんか」その中で、公演候補地として、ニューヨークとモントリオールが上がっていた。

え!なんでモントリオール?個人的に落語が好きなので、できればなにかお手伝いしたいと思い、早々本人にメールを送り、トロントに来てくれれば、いろいろな場所に声掛けできると提案したところ、「行きます、行きます」との返答。

そこで約束通り、日系コミュニティーのネットワークを使っていろいろな団体に声掛けをし、商工会会員総会での公演を含め、約2週間のトロント滞在の間に6イベント、8高座を取り付けた。

ご本人(柳家東三楼師匠)は、海外での初めての英語公演に向け、セブ島での英語研修の後、その足でトロント入り。最初の公演の前は、相当緊張されていたが、公演をこなすにつれ、だんだんと自信が出てきたのか最後はかなりリラックスしていた。

お話を伺うと、今回の海外公演は仲間内での飲み会で出たアイディアらしく、こんなにトントンと話が進むとは思っていなかったそうだ。フェイスブックに出した翌日に自分からのメールが入ったそうで、そのメールを仲間に見せて、「このメール、信用できると思う?」とかなり疑ってかかったとか。

それでも、文章もしっかりしており信用できそうとのことでその後のメール交信となった。こんなことから始まったトロントでの落語公演だが、今回公演の機会をいただいた団体からは、是非来年も、との声を伺っており、その実現に向けまたお手伝いできればと思っている。


3月ロンドン日 月に3回もロンドンへ
オンタリオ州内には、様々な地名が存在する。かつて、南西部地区でそうした街巡りドライブをしたことがある。Hanover, Paris, (New) Hamburg, Ingersoll, Woodstock, Princeton, Delhi、Zurich, Melbourneなどなど世界中の地名を見ることができる。それぞれに命名の歴史があるのだろう。

中でも、有名なのがやはりロンドン。そう、あの英国のロンドンと同じ。この地名が出ると、ほとんどの人は英国ロンドンを思い浮かべるので、あえて「ロンドン、オンタリオ」と言わなくてはいけない。

ロンドン市には、1863年創立のヒューロン大学Huron University Collegeと1878年創立のウェスタンオンタリオ大学University of Western Ontarioがあり、そこでは日本語コースが設置されている。

今回、落語家さんが来られるので、本物の落語公演をどうですかと持ち掛けたところ、是非お願いしますとのことで東三楼師匠をお連れした。師匠にとっても、海外で初めての英語落語となり、かなり緊張した面持ちだったが、さすが真打。一席終えると空気が変わり、その後は先生方、学生さんたちと楽しい交流ができた。

その翌週には、ジャパンソサエティとヒューロン大学の共催で、高校生を対象とした日本クイズ大会、ジャパンボウルが、やはりヒューロン大学で開催され、日本語クイズの審査委員として招かれ出かけていった。

カナダで初めてのジャパンボウルということで、規模はまだまだ小さいが今後、こうしたイベントが大きくなり、増えていくことで日本への関心が高まることを期待している。さらに、その2週間後、今度はウェスタン大学からお呼びがかかった。国際コミュニケーションのコースと、日本語コースの合同授業で、日本の企業のことについて話をしてほしいとのこと。

事前の打ち合わせをしていくうちに興味深いことが判明。国際コミュニケーションのコースで使用しているテキストに出ている日本企業のコミュニケーションの事例が20年以上前(実際にはもっと以前)のもの。海外進出した日系企業の日本人トップが日本式のスピーチをして、現地のエクゼクティブや現地従業員との間に溝が生まれるという事例。

その事例を読んで思わず笑ってしまった。そのコースの先生から、「こうした事例は今でもあるのでしょうか」と聞かれ、即座のNO。今、こんなスピーチをする日本人エクゼクティブでは現地経営はできないと伝えた。

そうした内容も含め、オンタリオ州にある日系企業がいかに活動しているか、どんな問題を持っているか、そして日本経済や企業は今後どんな方向に向かっていくのかをお話した。このコースを取っている学生は日本への関心も高いことから、積極的な質問が多数出て、こちらがタジタジとなる場面もあり、2時間近い時間があっという間に過ぎた。

商工会の活動として、日系企業の活動、そして日本の貢献などを広く広報することも大切と考えており、今後も機会があれば積極的に出ていきたいと思っている。




(上記記述は、筆者の個人的意見、判断で書かれているもので、商工会の意見・意向を反映しているものではありません。また、個別内容について、誤解、理解不足等があるかもしれませんが、それらは全て筆者の責任によるものです。)



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