特別寄稿

第29回全国日本語弁論大会についてのご報告


2018年全国大会実行委員長
アルバータ大学・高円宮日本教育研究センター所長
藤原 文


カナダ全国日本語弁論大会は1989年、在カナダ日本国大使館により、カナダにおける日本語教育の推進を目的として初めて開催されました。近年は、国際交流基金、日系企業、管轄区域の日本総領事館からのご支援を賜り、毎年カナダの各地で開催されております。

当大会は、7地区の大学代表者からなる全国大会組織委員会並びにカナダ日本語教育振興会(CAJLE)が、2015年9月にアルバータ大学・高円宮センターより事業を引き継ぎ、運営しています。 全国大会組織委員会は、地方大会実行委員会との連絡、全国大会の開催と運営にあたります。CAJLEは組織委員会と連携して寄付の受け取りと地方大会への配布を行い予算を管理するなど会計業務を行います。

本年度は、アルバータ大学・高円宮センターの主催で開催され、日本語を外国語として学ぶカナダの学生たちにとって非常に意義ある重要なイベントとなりました。当センターは、高円宮日本カナダ記念基金より当大会に毎年支援を行うと共に、日本語教育の促進に力を入れています。

全国大会では、2月下旬から3月上旬に行われるカナダの7つの地区大会(BC, AB, MB, Ottawa ON, QC, MB, Atlantic)の、初級、中級、上級、オープンの4つの各カテゴリーを一位で通過した合計25名の日本語学習者が全国大会に集い、競います。言語の習得は独自の学習が主であることや長年の持続が求められることなどから、挫折する学生も多いなか、この大会は大きな目標となっております。

また、参加学生だけでなくボランティアの学生や指導教員にとっても、カナダ全国から集まる日本に興味のある学生たちとネットーワークを広げる重要な場となっています。参加者は非常に仲良くなり、最後まで会場に残り交流を深めておりました。

本年度の発表は非常に質が高く、それぞれの学生が日本語を選んだ理由、日本への興味、そして今後の夢などを語っていたことが強い印象として残りました。本年度はまた、ライブ中継を行い、最大瞬間視聴数が700を超えるなど、当大会への関心の高さが伺えました。

今年の受賞者は、以下の通りです。高円宮日本カナダ記念基金によるグランド・プライズ、上級一位のナンさんのスピーチは、日韓中の関係を扱い、個人の関係や絆は国家の歴史や政治を超越したものであることを訴えました。

初級
一位 Seunghyun Lee (University of Alberta)
二位 Andrew Christensen (York University)
三位 Katherine Lu (Ottawa Japanese Language School)

中級
一位Ellie Li (University of Waterloo)
二位 Xiuyi Liu (University of British Columbia)
三位Vivian Wang (McGill University)

上級
一位 Mingxue Nan (University of Alberta) – Grand Prize and HIS Internship
二位 Hansol Park (McGill University)
三位 Gabby Ricker (York University)

オープン
一位Mako Smith (University of Calgary)
二位 Seila Shimamoto-Caron (McGill University)
二位Kyler Watson (Saint Mary's University)

本大会は、本年度30周年をオタワで迎えます。殆どの業務が有志のボランティアで続けられていることもあり、この間、大会運営が危機に陥った時もありましたが、無事に30周年を迎えることができましたことに深い感慨を覚えます。長い間、本当に多くの方々にこの大会を支えて頂きました。

過去の参加者の中には、日本関係のあらゆる分野で活動している人も多く、本大会の果たす役割の大きさは明らかです。皆様の多大なご支援に心より御礼申し上げますと共に、今後ご支援ご指導の程、何卒宜しくお願い申し上げます。 地区大会並びに全国弁論大会組織委員会一同、今後の日本語教育の発展に尽力してゆきたいと思います。






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