「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第178回>
(個人会員)広瀬 直子 / 共同経営者・公認翻訳者
KAN Communications Inc.


今回の代表者インタビューは、個人会員としてご入会頂いている、KAN Communications Inc. の共同経営者である広瀬氏にJapanese Canadian Cultural Centre (JCCC)の中にあるオフィスにてお話を伺って参りました。左のお写真の中にある絵は、「雨の日もカナダと日本の架け橋になります」という思いがある絵と言うことで今回ご本人のお写真と一緒に撮影させて頂きました。

共同経営者として翻訳事業を始められた経緯やカナダに来るきっかけ、日本でのご経験、プライベートのお話など貴重なお話をたくさん伺ってきました。


(平林)御社の事業内容のご紹介をお願いいたします。

(広瀬氏)弊社では翻訳・通訳・語学コンサルティングのサービスを提供しています。語学コンサルティングというのは、企業または個人の皆様に語学講座を提供したり、英語でスピーチやプレゼンテーションをする際の原稿作成のサポートや、発音矯正などを行っております。また契約書を作成する際のサポートもさせて頂いております。

オフィスはJCCC内とIslington x Bloorの2か所にあり、従業員、アルバイト含め4名のスタッフと、契約通訳・翻訳者20~30名程で活動しています。
通訳・翻訳の中には専門知識を必要とする内容も多く、幅広いご依頼に対応できる様にスタッフを揃えております。

(平林)御社は翻訳・通訳養成講座というのも開講されていらっしゃるようですが、こちらは個人向けに行っていらっしゃるのでしょうか。

(広瀬氏)2012年、13年の頃に社内で語学講座を開講していたことがありました。その時は個人の方向けに授業を行っておりましたが、企業へ直接訪問させて頂き、社内の翻訳者、通訳者の方に講座を提供させて頂くことも行っております。またもし需要があれば、TOEICの点数を上げるなどその方々のご要望に合わせた授業をご提供することも可能です。

(平林)現在は共同経営者と伺っておりますが、会社を立ち上げるにあたってどのような経緯がございましたか。

(広瀬氏)実は1997年に私一人でアートワーズという名前で、アシスタントと二人で通訳・翻訳の仕事を始めました。そして2005年に、現在のパートナーとは異なりますが共同経営という形になりまして、現在の社名(KAN Communications Inc.)に変更いたしました。その後2009年に法人化し、今の体制に至ります。

(平林)10年以上のご経験をお持ちでいらっしゃるのですね。実際の業務内容としてはどういったものが多いでしょうか。

(広瀬氏) ビザ申請の際に使用する証書類の翻訳が一番多いです。例えば日本ではどういった業務に携わっていたかの職歴詳細を英語で説明する場合や、戸籍謄本などの翻訳などが多いです。私どもは認定翻訳者(Certified translator) の資格がありますので認定者による証明翻訳をご提供することができます。そのためCICへも安心してご提出頂けると思います。

(平林)御社の強みはどこにあると思いますか。

(広瀬氏)先ほども申し上げましたが、弊社には公認翻訳者が2人いるというのが強みだと思います。また日本語ネイティブと英語ネイティブがチームを組んで翻訳作業を進める体制をとっておりますので、より自然で的確な表現をすることが出来ると思います。そして何よりも依頼者からの内容・意思がしっかり伝わる翻訳を心がけています。

(平林)何か新しい事業展開など今後取り組んでいきたいことはありますか。

(広瀬氏)AIが翻訳をできるようになるのではないかと言われておりますが、AIを使っていかに安く、かつクオリティを保って提供することができるか取り組んでいきたいと思っています。

特に日本の戸籍謄本などはまだハードコピーでの提供ですし、旧漢字など日本独特な表記もあります。確かにAIにとって代わる部分もあるとは思いますが、言葉は生物の中で人間だけがもつ能力で、感情を表す重要な部分ですので、AIが発達したとしても、それを上手に利用しながら自分たちのビジネスの発展にどのように繋げていくかということが今の課題です。

(平林)広瀬さんのご経歴についてもお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらでしょうか。

(広瀬氏)京都生まれ京都育ちです。大学は同志社女子大学の英文科を卒業しました。その後ワーキングホリデーで渡加し1年程滞在しました。帰国後は日本で京都の観光情報を、日本語から英語に翻訳する仕事をしていました。その繋がりで、「日本のことを1分間英語で話してみる」という本を出版させて頂いており、京都だけではなく色々な日本の文化や生活について、英語でどのように表現するか紹介しています。

日本帰国後もまたカナダに滞在したいという思いがありましたので、その後トロント大学大学院へ進学し、再度トロントに戻ってきました。時を同じくして、翻訳の仕事をトロントで始め現在に至ります。

(平林)通訳、翻訳者になろうと思ったきっかけはありますか。

(広瀬氏)もともとスポーツや理数系が高校の時から苦手だったこともあり、好きな語学か美術を活かした仕事をしていきたいなと考えており通訳、翻訳者の道を選びました。

(平林)高校生の時から将来をすでに見据えていたのですね。日本人は他の国の人と比べると英語に苦手意識のある方も多いように感じますが、英語の学習をするにあったってコツなどありますか。

(広瀬氏)興味のある分野の英語に恋をすることだと思います。映画でも俳優でも音楽でもいいので、自分の好きな分野で英語を学んでいくことだと思います。これは本の中でも紹介していることになりますが、自分の生活を客観的に考え直し、新聞や本を読む時、または仕事の上で、自分にはどういった内容の英語力が一番必要かをまずは書き出し、認識することから始めることをお勧めします。

言語の習得は若い方が絶対有利かと言えばそうではなく、ある程度大人になって母語で高度な表現、抽象的な表現を習得した後で英語を理解する方が有利な場合もあります。大人の場合には、既に知っている単語や文法の知識がたくさん眠っていますので、その知識を使える英語にするためのトレーニングをしていくことが大事だと思います。


(平林)今まで携わったお仕事の中で印象に残っていることはありますか。


(広瀬氏)日本から共同通信のジャーナリストの方がトロントにいらっしゃって、ベン ジョンソンさんと彼のエージェントの方にインタビューをした時に、通訳をしたことがあります。その当時、ベンさんのエージェントの方が彼が行ったとされているドーピングについて、行われた事実はなかったと証明するために奔走されている時でしたので、そのことについて取材に来られていました。ベンさん自身はとても大人しい印象がありました。

(平林)お仕事を進める上で大切になさっていることはりますか。

(広瀬氏)業務上では、丁寧に依頼者の思いや言葉を深く読み、相手にしっかり伝えるこを意識しています。また月並みにはなりますが、チームワークが大事な仕事ですので、コミュニケーションをしっかりとるようにしています。

(平林)好きなスポーツや趣味などはありますか。

(広瀬氏)スポーツは苦手なのですが、美術鑑賞が好きです。また旅行も大好きでモントリオールやニューヨークなどに美術鑑賞に行ったりもします。また料理や食べ歩きも大好きです。

(平林)では最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願いいたします。

(広瀬氏)トロントは英語圏で比較的住みやすい街とは言われているものの、やはり文化や習慣の違いなど日々の生活、業務の中で細かいすれ違いや勘違い、ストレスなどは皆さんお持ちだと思います。日本からの社内文書など駐在員のみで共有するだけではなく、現地スタッフにも共有することで、より深く理解することができるかと思います。スタッフの意識向上、業務推進のお手伝いをさせて頂ければと思っていますので、どうぞお気軽にご相談下さい。

(平林)インタビューは以上となります。本日はお時間をいただき、ありがとうございました。


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