リレー随筆


22年ぶりの日本のお正月に思う
Mystique Company 飲食コンサルタント 増田 晶子


留学を経てカナダへ渡加してから早22年が過ぎようとしている。22年の間で、今年は初めて日本でお正月を迎える事ができた。

お正月は、日本のメインイベント。
ご存知の通り大晦日、除夜の鐘、元旦、おせち、お雑煮、新年のお参り…と新年には日本ならではの風習や過ごし方を楽しむことができるというイメージを強く持って楽しみにしていた。


今回の帰国で最も驚いた事は、コンビニ、スーパーや飲食店などのサービス業で外国人が働いている光景だった。

多文化モザイクの国であるカナダでは当たり前の光景で、私自身トロントで飲食店を経営していたことがあり、違う国から来た人達と仕事をしていて慣れているにもかかわらず、日本でのこの光景は非常に滑稽に感じる。

特にドン・キホーテ、大阪の心斎橋、東京の竹下通りなど買い物で人気のあるエリアや観光地、また日本を体験できる築地や大江戸温泉など外国人の従業員が働く姿があちらこちらにあった。

実際、これらの場所に訪れている観光客の多くは外国の方達である。あらゆるシーンで、従業員がお客と日本語以外の中国語や、韓国語、英語で対話をしているのを見かけた。

正直以前は、「外国から観光客が日本に旅行にきたら大変だろうなぁ…」と思うことが多々あった。外国の方が、男湯と女湯を間違えて入るのを見かけたり、券売機の使用法がわからない、飲食店や施設でスタッフとコミュニケーションがとれない等々。日本国内では、英語が通じないことをはじめ、外国人の受け入れ態勢が整っていなかったように思える。

現在は、店の看板、メニュー、また温泉の説明書きなどの多くは、日本語に加え英語、中国語、韓国語で用意されており、以前に比べてとても便利になっている。

時々、看板などの英語が間違っているのが面白い。例えば、築地の外にあるビル内に貼られている注意書きに「Please do not eat this building!」と書かれていたり。

日本人である私が残念だったことは、外国人の従業員の日本語が流暢でない時があり、母国にいながらついつい英語で話してしまうことだ。また、外国人スタッフが和食の飲食店の厨房や、サービスをしていることによって想像していた日本の日常空間が少し違った演出になっており、どっぷりお正月感に浸れなかった気もする。

そうは言っても、2020年東京オリンピック需要に向け、遠い国からお金を時間をかけてきてくれる観光客が快適にサービスを利用できる環境を作って迎えてあげてほしいと心より思う。



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