カナダで事業:業界 表話ウラ話


  


第 60 回 カナダの厳しい自然を相手に

重工業委員会
SMS Equipment Inc. 檜原 宏一郎


当社はカナダにて建設機械・森林機械・鉱山機械といった機械の販売・補修サービスを行う会社です。アルバータ州アチェソン市に本社を構え、一部の地域を除きカナダ全域に約40の支店網を整え、日々お客様にご愛顧頂いております。

今回はこれらの機械が活動するカナダの現場について少々ご紹介させて頂きたいと思います。

2014年後半以降継続した資源価格の下落や昨年のオイルサンド地域での大規模森林火災などの影響が大きく、当社が本社を置く西カナダでは経済の減速が目立ちましたが、資源価格回復を受け、周辺インフラ投資の活発化など、当社を取巻く市場環境も、昨年と比して回復傾向にあります。

当社が販売する各種機械の市場需要も、昨年と比して約30%程度の回復基調にあり、ビジネス環境は改善傾向にあります。

当社のビジネスにとって重要なのは、お客様の希望に沿った最適な機械を提供すること、それにも増して、お客様のビジネスにとって必要な機械が必要な時に適切に働けるよう、機械の補修・メンテナンスを提供することにあります。

私共のビジネスにおいては、新規のお客様に対する1台目の機械の販売は、機械販売員が行い、2台目以降の機械はサービス員が販売すると言われるのもこの所以です。

機械を必要とするお客様の現場も都市土木から、高速道路工事、人里離れた鉱山まで千差万別、加え北国であるカナダならではの大自然の力もあり、その機械を常に働くように万全のサポートすることも容易な作業ではございません。

例えば、当社の機械をお買い上げ頂いておりますお客様に、カナダの北極圏に近い地域で、ダイヤモンドの鉱山を運営されている会社があります。このお客様の現場は、冬は体感温度で摂氏マイナス50度に達する非常に過酷なものです。

機械をサポートするサービス員に関しては、空路でお客様の現場に移動した後、外部とは完全に断絶された、凍て付く寒さの下、24時間365日働き続ける機械のメンテナンスに当たります。

普段別の地域に居住するサービス員達は、数週間毎のシフト制でこの地を行き来しますので、技術力は然ることながら、大自然と闘う体力や忍耐力、更には愛する故郷や家族と離れて、陸の孤島で生き抜く強さを兼ね備えていなければなりません。

加えて、この地域は周辺を湖沼に囲まれているという地理的な難しさを抱えております。

周辺が湖泥で覆われていることによって更に問題となるのが、大型の機械そのもの、又そのサポートに不可欠である部品・資機材の配送です。何故なら、気候の良い夏の間は陸路による重量物輸送が行えないからです。

同地域では極寒の冬を経て、湖沼地帯が完全に凍りつく年1~2ヵ月の間だけ、“アイスロード”と呼ばれる陸路のアクセスが出来上がります。この間に多数のトラックが、その後の一年間に必要となる機械・資材を何百トンも搬送していきます。

当社も、お客様にお買い上げ頂く機械や、その後一年間機械が働くために必要となる、部品や資材を全てこの期間に運び込んでしまいます。アイスロードが出来る前に搬送する物品を揃え、「年に一度の大移動」という様相です。

カナダの厳しく雄大な自然があるからこそ、様々なシーンで当社の機械・サービスを必要とするお客様がいてくださいます。当社は、お客様の笑顔の為に日々働き続けます。



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