商工会イベントレポート

トロント日本商工会セミナーレポート
文責:伊東 義員


10月、11月にセミナーが集中



商工会では、もっとも重要な活動目的である会員企業支援として、ビジネスに関連するテーマでのセミナーを年間10回から12回程度開催している。開催時期は、2月から6月と9月から11月に設定しており、春セミナーシリーズと秋セミナーシリーズになっている。

今年、秋セミナーシリーズでは以下のテーマで開催した。

10月5日 カナディアンスタッフワークショップ

会員企業で働くカナディアンスタッフに、日本の現状、文化・伝統、そしてビジネス慣行や雇用教育制度などを理解してもらうセッションで、勤続の短い人だけでなく、長く勤めているエグゼクティブレベルのスタッフにとっても新たな発見と理解が得られる機会となっている。


10月17日 GTAAピアソン国際空港見学会(Greater Toronto Airport Authority協力)


カナダ最大の都市圏GTAの空の玄関口、ピアソン国際空港を運営管理するGTAAにお願いして実現した空港施設内見学会。安全管理体制、運営方法、貨物取り扱い現場などを直接見せていただくことができた。逐次発着する大型飛行機を間近に見てその迫力は圧巻。


10月18日 WSIBセミナー(Marsh & McLennan Companies協力)
「WSIB労災保険セミナー 労災の仕組み・今後の改訂とコスト削減法」


Workplace Safety and Insurance Board(WSIB)保険についての制度、改定アップデートと効果的な活用方法・節約などについて、解説していただいた。製造ライン、倉庫など多くのスタッフが働く現場を持っている企業にとって、必須の保険ですが、雇用主側にとってはその保険料負担も大きく、数年後に控える改正に向け、いかに効率よく効果的に加入、運用するかが企業にとって大きな影響となるテーマ。


10月25日 NAFTA(Bennett Jones LLP協力)
「NAFTAの交渉とカナダの貿易政策セミナー」

カナダにとって輸出入とも約75%を占めるアメリカとの貿易、特にNAFTAの先行きに大きな関心が寄せられている中、タイムリーなテーマで最新動向・情勢を説明いただいた。まだ不透明で先行き見えない部分もあるが、現状を知る上で非常に興味深いセミナーとなった。


11月21日 会員意見交換会

懇親会などでは直接聞くことができない社内の制度や取り組みなどについて、会員会社相互で意見交換する貴重な機会。会員企業が抱える問題点や疑問などを直接聞くことができると同時に、日系企業が抱える問題点や要望が浮かび上がってきて、商工会セミナーやサービスの企画にも非常に役立つ会となっている。


11月23日 雇用契約セミナー(Fasken Martineau DuMoulin LLP協力)
「最近の解雇における雇用契約の重要性について」


永年勤続という考えが薄い当地では、雇用条件と同時に解雇条件も重要な事項。自己都合退職や不正による解雇であれば、大きな問題になることが少ないが、年齢を理由とする定年制が廃止されて以来、長年勤めあげた高齢者への退職勧奨や、雇用主側の理由や差別などで解雇訴訟となるとその対応は大変。このセミナーでは、そうした状況でも雇用主側を最大限守るために必要な契約条項と、実際の訴訟ケースを説明していただいた。


11月28日 労働基準法ESA改正アップデート(DLA Piper LLP協力)
「Bill 148: Fair Workplaces, Better Jobs Act, 2017」

約20年ぶりの大改訂となる労働基準法Employment Standard Act, 2000の改定点を中心に、今後導入される新しい条項について説明していただいた。

最低賃金引上げだけでなく、各種休暇制度、雇用主の義務と労働者の権利など、多面にわたる大改正であり、雇用主側は社内規則などの見直しが必要になっている。違反に対する監査強化と雇用主への罰則も厳しくなり、いわゆるブラック企業リストへの掲載もありうることから、事前の対応が必要。


11月29日 会計税務移民法アップデート(Deloitte 協力)
「2017年 カナダ会計・税務・移民法の最新動向」

今年の商工会セミナーを締めくくるものとして、恒例となった会計税務セミナー。会計期jン、補助金税額控除、個人所得と短期出張者所得税、そして移民法最新情報。さらに今回は、プロジェクトマネジメントコンサルティング手法のセッションも織り込み、盛り沢山。


以上、忙しい秋のセミナーシリーズでした。
来年も企業にとって、重要なテーマを選び、セミナーを開催していきます。開催してほしいテーマがあれば、随時商工会までご要望ください。


                     

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