「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー



<第167回>
Kubota Materials Canada Corporation / クボタマテリアルズカナダコーポレーション
堀部 康彦 President



トロントから1時間半ほど北に位置するシムコ―湖岸にある街、Orilliaにオフィス兼工場を構えているクボタマテリアルズカナダコーポレーションの社長 堀部氏にお話を伺ってきました。前回の取材から3年半、どのような変化があったか、また新しい取り組みなどお話して頂きました。また今回初めての海外赴任とのことで、日本とは異なる気づきや、苦労されている点などお伺いしてきました。

(平林)御社の事業内容のご紹介をお願いいたします。

(堀部氏)こちらの工場、クボタマテリアルカナダでは2つの製品を主に作っております。まず1つは鋳鋼製品(スチールキャスティング)で売り上げの90%を占めています。2つめは、TXAX(ティーザクス 六チタン酸カリウム製品)で自動車のブレーキパッドに使う材料を作っています。

ブレーキパッドは新車、およびアフターマーケットへの納品をメインで行っております。現在従業員数は約330名で、そのうち日本から駐在員として4名、トレーニー2名がカナダ・オリリアに勤務しております。

工場の拠点としては、鋳鋼製品部門の中ですと我々(KMC)が北米の拠点となりまして、他には中東の拠点としてサウジアラビア(KSC)、マザー工場として日本の枚方市と3つあります。

(平林)御社の強みはどういったところにあるとお考えでしょうか。
(堀部氏)鋳鋼事業の一番の売りは材料技術だと思います。反応管を販売するにあたりまして、それに一番適した材料を開発しそれを工場の生産現場に落としこみ製品化できるところです。

2つめは、カナダと言うよりはクボタ全体での話になりますが、生産性を高める技術力も大きな強みだと考えています。

(平林)今回は初めての海外赴任とのことですが、何か日本との違いやご苦労などございますか。

(堀部氏)25年間日本のやり方で仕事をして参りましたので、北米との文化の違いを感じています。今までのやり方ではなかなか通用しない部分がありますが、現地に合わせてしまっては会社は何も変わっていきませんので、ある程度日本のやり方に折り合いをつけながら改革を徐々に進めている過程です。

今やっとスタートラインに立ったと言う感じだと思います。我社だけかもしれませんが、日本と比べるとこちらはもっと上下関係が厳しいように感じます。階級を越えて意見をするということが難しいように思います。

また業務内容の中には担当分けがしっかり決まっていないようなグレーゾーンがあるかと思うのですが、日本であれば誰かが遂行していくので特に問題がなかったのですが、こちらでは1つずつ担当をしっかり明確にしておかなければいけないという文化に最初は戸惑いました。

各自の業務内容や就業体系が確立しておりますので、その中で納期に間に合わせてモノづくりを進めていくことの大切さをしっかり根付かせていきたいと思っています。

(平林)今後特に力を入れていきたいことや新規事業の取り組みなどがあればお願いします。

(堀部氏)日本や中東では、すでに販売を行っているのですが遠鋳管のパイプの表面に表面改質や構造の変化を加えたパイプを北米で販売強化していこうと考えています。

我社の製品の中でも従来製品、戦略製品(従来と異なった機能をもつ製品)と区分けしておりまして、その中でも4つの戦略製品をメインとして全体の販売構成比率を更に上げていき事業を拡大していこうとしています。

(平林)御社の商品が他社と異なるのはどういった部分だと思われますか。

(堀部氏)我々の商品の特徴の1つとしては、チューブの中に抵抗体(フィン)を付けることにより攪拌効率をあげることができ反応効率がよくなりますし、攪拌率も上げることができます。また、熱分解する際にコーク(煤)がでることにより、チューブが劣化していきますが、コークが付きにくくなる機能を付加することによってチューブの寿命を長くすることができます。

そういった特殊な機能を加えたり、使用する成分を変えることによって付加価値がつき北米での需要が年々増えてきております。

(平林)前回シェールガス革命によって新規プラントの需要がかなり増えるのではとおっしゃっていましたが、どういった動きがありましたでしょうか。

(堀部氏)今年くらいまでが新規プラントの第一ウェーブとなっておりまして、3年くらい前からアメリカ、カナダを中心にいくつものプラントが新設されました。

次の波が2020年くらいから来るのではないかと言われていますので、我社も第二ウェーブに乗って需要を増やしていけたらと考えております。世界的に見てもまだまだ北米市場は成長が見込めるビッグマーケットだと思います。

(平林)仕事を進める上で大切にしていることはありますか。

(堀部氏)一番大事にしていることは、出来る限り人の話を聞くようにしています。立場が上になってくると自分の考えで指示を出す立場にあるのですが、その中でもいろいろな立場の人からそれぞれの意見を確認し、色々な情報を得てから指示を出すようにしています。

(平林)ここからは少しプライベートのお話を聞かせてください。まずは経歴からお願いいたします。

(堀部氏)出身は徳島県です。ただし生まれてから小学生まで大阪で暮らしていました。中学・高校の6年間は徳島で過ごしました。その後、東京の大学に進学してクボタに就職しました。

就職の際には実家に近い大阪勤務を希望しておりまして、大学で材料工学を専攻しておりましたので材料系で関西の会社で探しておりましたところ、縁があってクボタに就職することになりました。

就職してから今回カナダに赴任するまで約25年間、ずっと大阪の枚方工場勤務になります。少し前から海外赴任の打診はあったのですが、英語が苦手ということもあり、ずっと逃げ回ってましたね(笑)。

(平林)枚方工場ではどういったお仕事をされていらっしゃったのでしょうか。

(堀部氏)まず入社して品質保証課に配属になりまして、その後研究開発、技術課、製造課、生産技術課と工場に関わる部署はほぼ全て経験させて頂きました。

(平林)では、今まで何か印象に残っていることはありますか。

(堀部氏)一番記憶に残っているのは、私が入社した頃に担当した製品でトラブルが山ほど出たことがありました。直接現場に行って毎日議論し、試行錯誤しながらなんとか出荷対応しました。納期も決まっている中、対応に非常に苦労したことを覚えています。

また研究開発をしていた際に、材料を開発して納入したのですが実際にモノにならなかったことがありました。開発してもすべてが結果に結びつくわけではないので商品としては大成しなくとも、研究過程や経験は今でも役に立っております。

(平林)先ほどカナダでのご苦労など少しお話がありましたが、プラベートでは何か不都合を感じることなどはありますか。

(堀部氏)カナダに来て最初に一番困ったことは、やはり語学です。ただし会社では通訳もおりますし、1年もたてば耳も慣れてきますので話すことが出来なくても聞くことには大夫慣れたと思います。あとは、お酒が好きなのですがどこへ行くにも車移動となってしまうため、お酒が楽しめないことです。

(平林)週末は何をして過ごされますか。

(堀部氏)趣味としてはゴルフをやっています。サークルなどに参加して、月2回くらいは今のところゴルフに行っております。でも、ここは10月になるともうゴルフが出来なくなってしまいますね。

また、この辺りでは日本食の店がありませんので、トロントまで買い物に行ったりしています。食事は麺類が好きなので簡単なものを作ったりしていますが、その代わり昼食は近所のレストランなどでしっかり食べるようにしています。あとは家でゆっくり好きなお酒を飲みながらのんびりしています。

(平林)何かカナダで挑戦してみたいことなどありますか。

(堀部氏)カナダに来た頃にはカーリングをやってみたいと思っていました。私が住んでいるバリーにもカーリング場があるのですが、勇気がなくまだ行けていません。私は投げる方ではなくで、氷上をブラシで掃く(スウィーピング)ほうに興味があります。あとその他には、できれば一度射撃をやってみたいなと思っています。

(平林)では、最後に商工会会員へのメッセージをお願いします。

(堀部氏)場所柄、日頃の商工会の活動になかなか参加することは難しいのですが、駐在員一同今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

(平林)是非、また商工会の活動にもご参加頂ければと思います。こちらでインタビューは終了となります。本日はお忙しい中ありがとうございました。

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