あの人は今・・・ トロントOB便り

アフリカの「旬の国」から
在エチオピア日本国大使館 鼻野木 由香 


トロント商工会の皆様におかれましては、トロントの素晴らしい初夏をお過ごしのこととお喜び申し上げます。この度は皆様に再びご挨拶させていただける貴重な機会を頂きまして感謝申し上げます。3年8ヶ月間勤務しました愛着あるトロントを離れて、早1年が経ちました。自称「アフリカ屋」として、今般希望してアフリカ勤務5ヵ国目となる「旬の国」エチオピアへ転勤して参りました。

エチオピアは、ナイジェリアに次ぐアフリカ第2位となる約1億人の人口を有し、2025年までに中進国入りをすることを目標とする野心的な国家開発計画を策定し、また、強力なリーダーシップの下、過去10年間に亘り二桁台の経済成長率を安定的に達成するなど、まさにアフリカの「旬の国」です。

2015年4月には、国営企業エチオピア航空が成田への直行便を就航し、また昨年7月には、JETROが、アディス・アベバ事務所を開設するなど、日本投資に向けた追い風が吹き始め、エチオピア政府関係者よりも日本投資に熱いラブコールが送られています。

昨年10月の国家非常事態宣言の発令により大幅に遅延していましたJETROによる日本投資ミッションの派遣は、今週ようやく実現に至りました。また、同ミッション中、本年完成予定の工業団地ボレ・レミⅡに日本企業専用エリアを設置するMOUに日本企業が署名するなど、大変良いニュースが続いています。

他方、既にご存じのとおり、アフリカのマーケットには、凄まじい勢いで中国投資が進出しています。エチオピアも例外ではなく、総額・件数ともに中国投資が圧倒的な存在感を示しています。

2015年に開通したサブサハラ・アフリカ唯一のアディス・アベバ高架市電(LTR)事業、昨年末に開通した内陸国エチオピアの物流の大動脈となるエチオピア=ジブチ鉄道事業を皮切りに、エチオピアにおける主要なインフラ近代化事業は、機動性のあるファイナンス、スピード感ある建設、人材育成や保守管理を含んだパッケージで中国勢が次々と受注しています。


こうした追い風と逆風のはざまで、日本とエチオピアの良好な二国間関係を前進させつつ、どのように日本の旗を立てていくべきか、試行錯誤の日々を過ごしております。

最後に少し勤務環境の話をいたしますと、首都アディス・アベバは、トロント大都市圏規模の600万人都市で、平日はバスやタクシーでごった返し、お世辞にも澄んだ空気とは言えませんが、標高2400メートル(富士山の約6合目)の高山気候のため、年中を通じて晴天に恵まれ、マラリア蚊の心配がありません。

また、前述のエチオピア航空のおかげで、トロントからもアディス・アベバには直行便が出ております。今後「まさかの」アフリカ御出張・旅行の折には、どうぞお気兼ねなくお声がけ下さいませ。

末筆ながら、トロント商工会の皆様の益々のご発展とご活躍を心より祈念致します。

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