リレー随筆



自転車通勤
日本貿易振興機構(ジェトロ)・トロント事務所 伊藤 敏一



日本からカナダへ赴任するにあたり、こだわって持ってきたのは自転車。学生時代に購入してかれこれ20年日本全国、オーストラリア、ニュージーランドと旅を共にしてきた自転車で、カナダでもペダルをこぐのを楽しみにして来ました。

トロントは道幅も広く、ダウンタウンでも自転車レーンの整備が進んでいるなど、サイクリング環境は日本に比べると格段に良いと感じていましたが、自動車を購入してからはどこに行くのも自動車となり、ダウンタウンでツーキニスト(自転車通勤者)を横目に見ながら、しばらくは駐輪場に置きっぱなしとなっていました。

ある日、オフィスが入居するビルから、新しい駐輪場とシャワールームが完備されたとの情報を入手し、早速自転車通勤に挑戦することにしました。

往路はフィンチからヤングストリートをダウンタウンに一直線に下っていきます。ヨークミルズからローレンスに向かう長い上り坂さえ越えれば、後は緩やかな下りが続いて楽なのですが、復路は逆に上りが多く、帰りの自動車通勤のラッシュと夕暮れ時の薄暗さが重なり少々危険。

そして最後のヨークミルズからノースヨークエリアに向かう長い坂がなまった体には堪えます。何とか回避する方法がないか、同じフィンチから職場に自転車通勤しているスタッフに聞いてみると、「いい道がある」との情報を入手し、早速そのルートを試してみるとことにしました。

アデレード・ストリートを東に向かい、ドン・リバーに架かる橋で川沿いに北に伸びているサイクリングロードに入ります(ここだけは自転車を抱えてサイクリングロードまで階段で降ります)。

サイクリングロードは基本的には平らで走りやすく、利用しているのは私と同じくツーキニストと思しき人と、時々ランニングをする人とすれ違う程度。途中何箇所か工事や一般道を横切る部分があるものの、信号も自動車もないのでとても快適です。途中いくつか分岐があり、分かりづらいのですが 、それも一度覚えてしまえば簡単です。

夕方、人々がフリスビーやバーベキューを楽しむサニーブルック・パーク、のんびりと散歩を楽しむエドワード・ガーデンを通り抜け(※)、ローレンス・アベニュー・イーストに出ます。そして、トロントの超高級住宅街を貫くブライダル・パスで広大な敷地を持つ家々を眺めながら進むと、ベイビュー・アベニューにぶつかります。

ヨークミルズで左折し、最初のフェン・アベニューで右折後、住宅街を抜けると、ヤング・ストリートと401が交差する場所に出ます。さらに、その少し手前で歩行者と自転車だけが通れる細い道を利用すると、シェパード・アベニュー・イーストまでたどり着きます。

こうして交通量の多いヤング・ストリートを走ることなく、かつヨークミルズの長い坂を避けてノースヨーク・エリアまで帰り着くことができると分かりました。このルートは距離が往路の倍近く(約25キロ)になるのが難点ですが、運動不足解消には最適です。

帰宅後はビールや食事が進んでしまうので、思ったほど体重は減らず、また、家族からは「汗くさっ!」と言われるのにもめげずに、今年は自転車通勤でスリムな体にして、タンスに眠っているズボンを履けるようになる予定です(あくまで予定)。

なにより、今年の夏は補助輪を外して自転車トレーニング中の子供と一緒にサイクリングができることを楽しみにしています。ダウンタウンにお勤めの方、運動不足解消にカナダで自転車通勤、いかがでしょうか?

※2017年6月現在、エドワードガーデンを抜けるルートは工事で通行できないため、サニーブルック病院の脇を通ってベイビュー・アベニューに抜けます。




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