「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー




<第160回>
松井 浩通 President
The Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ, Ltd., Canada Branch


160回目の代表者インタビューは、三菱東京UFJ銀行カナダ支店の松井支店長にお話を伺って参りました。オフィスはトロントダウンタウンにあり、ユニオン駅に直結しております。

幅広い銀行業務や、昨年の支店化について、過去のご経歴やプライベートについてもお伺いしてきました。

(松田)御行の事業内容のご紹介をお願いいたします。

(松井氏)当行は、三菱UFJフィナンシャルグループ(以下MUFG)の商業銀行部門である、三菱東京UFJ銀行(以下BTMU)のカナダ支店として、カナダ企業及び日系企業など、法人のお客様に対し、ご預金、ご融資といった基本的銀行業務から、プロジェクトファイナンスや証券化等のストラクチャードファイナンスまで幅広い商業銀行業務を提供させて頂いております。

カナダには、バンクーバー、カルガリー、モントリオール、トロントと4つの拠点を持っています。
設立ですが、駐在員事務所から始まり、現地法人として銀行の業務を最初に始めたのは1981年ですので、35年以上当地で業務を営んでいることになります。そして、2016年の4月に現地法人からカナダ支店に支店化を致しました。 

(松田)支店化に伴い、どのような利点が生まれたのでしょうか。

(松井氏)現地法人の頃は、カナダの地場の銀行ということで、様々な規制がありました。例えば、単独銀行として一定の自己資本の比率を維持しなければならずお貸出しの規模にも一定の限度がありました。支店化によってBTMU全体の一支店となりましたので、そのような規制が大分少なくなり、お客様のご要請に対してより柔軟にお応えできるようになったということが一番の違いです。

(松田)以前取材をさせて頂いた3年前より、何か変化はありましたでしょうか。

(松井氏)3年前は、お客様の割合(収益の割合)が、カナダ企業が約7割、日系企業が約3割と申し上げておりました。現在は、カナダ企業が約8割、日系企業のお客様が約2割と、割合的に地場の企業さんとのお取引が増えてきています。お客様の数ではそこまで違いはないのですが、収益の割合ではそれくらいの比率になっています。また、我々のビジネスは拡大し続けておりますので、3年前と比べ、収益の規模も全体的に大きくなっています。

また昨年の夏に、MUFGの兄妹会社にあたるMUFG Securitiesが、カナダでも証券ビジネスのライセンスを取得し、一部証券業務をご提供できるようになりました。

(松田)益々成長を続けられている御行の強みはどちらにあると思われますか。

(松井氏)我々の一番の強みはグローバルに広がるネットワークです。MUFGグループ全体で、海外約50カ国に約1200拠点を持っています。カナダの地場の銀行で、これだけの規模のネットワークをもつ銀行は他にありません。

(松田)今後注力されたいことはどのようなことでしょうか。

(松井氏)我々の一番の強みであるグローバルネットワークを活かしたサービスを、日系のお客様はもちろん、カナダの地場のお客様にも、更にご提供できるように強化したいと考えています。特にカナダのお客様に対して、例えば国外への投資や国外へのビジネス展開等、カナダ国外でのビジネスをサポートするための提案やアプローチ等のサービスの提供に注力していきたいと思っています。

また、当行はプロジェクトファイナンスや、企業買収に係るファイナンスに対しても強みを持っています。その強みを活かして、発電所や各種インフラ等のファイナンスやお客様のM&Aのお手伝いに引き続き力を入れていきたいと思っています。

(松田)松井支店長のご経歴についてお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらでしょうか。

(松井氏)生まれたのは東京ですが、育ったのは埼玉県です。1988年に就職するまではずっと埼玉におりました。

私が銀行に入行したのは、日本の銀行がどんどん海外に進出していた時代だったため、海外で働く機会が多そうだったこと、また銀行員は、様々な業界のお客様とお会いすることができて、広く色々なことを勉強できる点が非常に魅力的だったため、入行を決めました。

(松田)ご入行後のご経歴をお話しいただけますか。

(松井氏)入行後は東京の支店にて一通りの基本的な業務を勉強した後、本部本店の国際審査部に配属され、アジア企業の審査を担当しました。その後、会社から派遣されてシカゴ大学のビジネススクールに2年間行かせてもらいまして、卒業後はシンガポールに異動になりました。

シンガポールで約5年4か月間勤務した後、東京に戻ってきて、当時日本のマーケットでは始まったばかりだったシンジケートローンをお客様へ提案する仕事を行いました。その後名古屋に転勤になりまして、法人のお客様への営業を2年程行いました。

その後2009年にボストンに転勤になりました。当時ボストンにあった、銀行の子会社であるリース会社に異動になり、約5年間勤務しました。その後ニューヨークに異動し、ニューヨークではプロジェクトファイナンス等のストラクチャードファイナンスの審査のチームのヘッドをやり、その後2016年6月にトロントに着任しました。

北米は今年でトータルで8年となります。銀行に入行してから29年経ちますが、半分以上は海外で勤務していることになりますね。

(松田)様々なご業務をご経験されていらっしゃいますね。日本、アジア、アメリカのご勤務を経て、カナダという国はどのように感じられていますか。

(松井氏)カナダと一口に言いましても、BC州、AB州、ON州、QB州と、州によってマーケットの雰囲気やお客様の顔ぶれも全く違います。多様なマーケットであり、そして多様でありながら安定感があるという印象です。

プライベートでは、私は比較的行ったところはどこでも好きになるタイプなんですが、カナダの人は総じて人が良く、受容度が高い、つまり異質なものを受け入れることに慣れていると感じます。よく言われることですが、自分で来てみてつくづくその通りだと思いますね。英語に訛りがあろうと溜息をつかれることもあまりないですし、外国のことについて興味を持って話を聞いてくれる人が多く、外国人が住んでいて非常に心地よい国だと思います。

(松田)松井支店長がこれまでのご経験の中で、一番印象に残っているお仕事はどのようなものでしょうか。

(松井氏)ボストンのリース子会社に出向していた時のことです。元来そのリース会社は、アメリカ人が中心となって運営をしている会社でしたし、私にとっては、ある意味アメリカの会社に転職したようなものでしたので、初めて経験することがたくさんありました。同僚は殆どアメリカ人、当然ですが会議も書類も全て英語で、アメリカ人と議論をしながら、会社の運営・経営を一緒に行ったというのは非常に貴重な体験でした。

また銀行ではありませんので、私がそれまでに培ってきた文化やモノの考え方とは大分違いました。それまでは銀行しか知らなかったので、新しい知見を増やすことができました。

リース会社のビジネスというのは、リスクの考え方やマーケットプラクティス、仕事のやり方が銀行とは異なります。ですが、銀行の子会社ですので、東京の本部に色々報告したり承認をとったりしなければなりません。

報告・説明はアメリカ人社員も一緒に行いましたが、そもそものものの考え方が違うことが多いので理解を得ることが難しく、お互いにフラストレーションが溜まっていることが目に見えてわかりました。このような時に、間に立って、自分の銀行とリース会社での経験を踏まえて、お互いの言い分を噛み砕いて双方に説明をした経験は、自分自身にとって大変勉強になったことを良く覚えています。

(松田)稀有なご経験でカルチャーショックもあったと思います。そこでのお仕事を通して、ご自身が変わられたということはありましたか。

(松井氏)コミュニケーションの大切さと、ステレオタイプで見てはいけない、ということを学びました。アメリカ人、カナダ人と日本人、文化や価値観等異なるところはたくさんあると思いますが、きちんと話せばきちんとわかると思っています。私は会社に入って初めて海外に出た人間ですので、始めは“外国人”ということをすごく意識してしまっていた部分があったのですが、それは間違いだったと気づきました。

アメリカ人だから理解できない、カナダ人だから理解できない、ということはあまりなく、アメリカ人でも日本人以上に分かり合える人もいますし、日本人同士でも分かり合えない人もいます。人と人が話をして理解し合うことに、国籍等はあまり関係ないということを、身をもって実感しました。

(松田)松井支店長がお仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことでしょうか。

(松井氏)先述のとおり、コミュニケーションは非常に大切だと思っています。

また、私はあまり器用に要領よく物事を進められるタイプではないので、とにかく愚直に正直に、が自分にとって大切なことだと思っています。嘘をついたり誤魔化したりせず、心地よくないことからも逃げずにぶつかっていくことを心がけていきたいと思っています。

(松田)松井支店長のプライベートについてもお伺いしたいと思いますが、ご趣味は何でしょうか。

(松井氏)スポーツ観戦は結構好きで、野球やアメリカンフットボール、バスケット等、アメリカにいた頃から色々なスポーツを観戦しています。私は学生時代から、会社に入ってからもサッカーをしていましたので、サッカーは観るのもプレイをするのも好きですね。トロントFCが、昨年も決勝まで行き、なかなか強いチームですので、今年も応援しようと思っています。

アイスホッケーとバスケットはエアカナダセンターへ観に行きましたが、野球とサッカーはトロントではまだ観に行けていません。実は明日、ロジャースセンターに野球を初めて観戦に行くので、楽しみにしています。

(松田)お休みの日はどのように過ごされていますか。

 
     お嬢様と初のRogers Centreにて
(松井氏)夏はお客様と、またプライベートでもゴルフをすることが多いです。冬の過ごし方が問題なのですが、今年は1年間トロントに留学に来ている高校生の娘と暮らしていましたので、土日のどちらかは娘とブランチを食べに行っていました。つまりは、娘が行きたいところにスポンサーとして付いて行っているということなんですがね(笑)。この6月末で日本に帰国してしまいますので、この一年間は貴重な時間だったと思っています。

(松田)お父様とお嬢様が水入らずの時間をなかなか取れないご家庭もあると思いますので、仲が良くとても羨ましいです。ご着任されて丁度1年が経ちますが、今後カナダでやってみたいことはありますか。

(松井氏)当行の拠点があるバンクーバー、カルガリー、モントリオールは頻繁に訪れるのですが、他の地域はあまり足を延ばせていません。マニトバやサスカチュワン、ニューブランズウィックやノバスコシア等、その他の州に行き、カナダ全土を見てみたいと思っています。

また先ほど申し上げたように、もっとスポーツ観戦をしたいですね。

(松田)最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願いいたします。

(松井氏)弊行は商工会の会員の多くの皆様とお取引を頂いております。商工会の様々なイベントに参加させて頂いており、そこで皆様とご挨拶をさせて頂いたり、お話をさせていただき、非常にありがたいと思っています。今後も、もちろんお取引上の仕事もありますが、同じトロントにいる日本人駐在員として、ビジネスの話だけではなく様々な情報交換をさせて頂きたいと思っていますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

(松田)インタビューは以上となります。本日はお時間をいただき、ありがとうございました。


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