リレー随筆



シングルジジーどたばた奮闘記
KOBOジュエリー オーナー 古保 功


夢を求めてカナダに移り住んで46年、子供達も成長独立しこれから夫婦二人のんびりという時、まさに青天の霹靂、妻に癌の疑いが、そして検査、手術、その他あらゆる治療を施したが3年の後、妻は逝ってしまった。

あれから8年、一人暮らしにも慣れ、ちっぽけな商売をしながら健康に暮らしている所に突如、日本に居る16歳になる孫娘がホッケー留学のため73歳のジージの所へやってきた。可愛い孫娘、無論異論は無いが、テンヤワンヤこれからが「シングルジジーどたばた奮闘記」の始まりである。

まず高校の入学手続き、OHIP 、SIN、その他諸々の申請、準備。さいわいホッケーはPWHL (Provincial Women’s Hockey League)のToronto Leaside Wildcats U19に所属する事ができ、彼女はチームでは一番の下っ端、カナダ流ホッケーには戸惑いながらもカナダ生活がスタートした。
いよいよ16歳と73歳のどたばた二人三脚がはじまった。

あさは簡単な食事の準備、悪天候の時、寝坊した時、気分の優れない時は車で学校まで送り届け、それから私も慌てて仕事場に向かう。

PWHLのスケジュールはプロ並みとは言わないが週に2〜3回 (主に週末)試合があり、また週日には夜3回2〜3時間の練習がある。そのため夕食はばらばらの時間になり、時には深夜を過ぎることも度々、ついつい外食も多くなってしまうのである。

これらの送り迎えをはじめ、試合はアウェイゲームは東はオタワ、キングストンから西はウィンザー、ロンドンまで車で移動、勿論ジージの運転。ホッケーは用具も多いため車も大きめのに買い換えたが、5ヶ月で1万2000kmを記録した(以前はせいぜい月1200km程度)。

これらの忙しさはまさに仕事を持ったシングルマザー並み。病気などしてる暇もなく、友人からは「最近お孫さんと暮らしてるせいか若々しくなりましたね」とか言われて気を良くしている昨今ではある。

先週孫娘が運転免許証を取得した。

おかげで練習は自分で運転して行くようになったが、それはそれで事故でもしやしないかと心配ではある。




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