「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー




<第148回>
Mizuho Bank Ltd., Canada Branch
高田 義純 General Manager

みずほ銀行カナダ支店の高田支店長にインタビューをして参りました。高田支店長には、本年度の商工会理事を務めて頂いております。

オフィスはトロントダウンタウンのファイナンシャル地区にあります。アメリカ、オランダ、ドイツ、カナダと4カ国の駐在を経験し、今年で海外生活が29年(!)を迎えられたそうです。

高田支店長は、所々にユーモアを込めながら質問にお答えくださいました。みずほ銀行さんの新しい活動、高田支店長の世界各地での様々なご経験やプライベート等、色々なお話を伺ってきました。



(松田)御行の事業内容のご紹介をお願いいたします。

(高田氏)当行は、みずほ銀行のカナダ支店として、日系と非日系の法人のお客様へ、融資、預金、為替、決済などといったフルバンクサービスを提供しております。

当地での事業開始は1970年代で、1980年初期までは駐在員事務所として日系のお客様のサポートをしておりました。1981年にフルバンクライセンスを取得できるようになったため、ライセンスを取得して現地法人を設立しました。

カナダには拠点が3つあり、母体であるトロント以外に、カルガリーとバンクーバーに出張所を持っております。社員数は、トロントに50名強、カルガリーに6名、バンクーバーに3名の約60名です。そのうち日本からの派遣者は4名です。

(松田)前任の方を取材させていただいたのが3年前ですが、それ以降どのような変化がありましたでしょうか。

(高田氏)過去3年の間に、規模としては約倍になっています。特に2015年に、北米でRoyal Bank of ScotlandよりUSD365億相当の融資枠の買収を公表しました。ほとんどがアメリカ向けですが、一部カナダの資産も含まれており、カナダ企業向けのお取引を広げることができました。

(松田)倍というのは素晴らしいですね。御行の強みはどちらにあると思われますか。

(高田氏)カナダでは、カナダの銀行による寡占状態が長らく続いています。そういった中で、差別化を図っていく必要があります。幸い、カナダの銀行は日本やアジアにおけるプレゼンスが小さいのでアジア、特に日本の情報を提供できるというのが強みだと思います。

日本を中心としたアジアの情報をカナダ企業に提供し、また、カナダ企業の情報を日本のお客様に還元するといった、両方向のビジネスマッチングができるという点で、双方のお客様から高評価を頂いており、特にカナダの銀行との違いを生んでいると感じています。

(松田)御行は、今後どのような展望をお持ちでしょうか。

(高田氏)「お客様第一」の精神は今も昔も変わりません。総合金融コンサルティンググループとしてお客様のお役に立てるよう最良のサービス提供を目指しています。特に、北米ではRBSの資産買収以降は、銀行、信託、証券による総合ソリューション提供力が今まで以上にパワーアップしたと思います。これは先ほどの強みに付け加えたいと思います。

また、組織のスリム化とスピードある経営を目指してグループ横断のカンパニー制を導入しました。グループ一丸となってオペレーションを磨き上げて、お客様に喜ばれる幅広い最高のソリューションを提供できればと思っています。

少し違う話になってしまいますが、海外では基本的にホールセールバンキングが中心なので、カナダにおける一般的な知名度はあまり高くありません。みずほ銀行という名前が少しでもカナダで知られるよう、様々な方向に活動を広げていきたいと思っています。

また、先ほどの日本とカナダを繋ぐ話と少し重複しますが、みずほ銀行はBC州にて、Advantage BC、HQ Vancouver、The Business Council of British Columbia(BCBC)という三団体と、MOU(Memorandum of Understanding)を締結しました。

このMOUは、日本にある日系企業が北米でのビジネス及び投資を考えられた際に、協同して支援をし、カナダ及びバンクーバーへの進出を推進することを目的としています。このように、カナダと日本の経済関係の構築及び促進につながるような活動を始め、幅広い活動を今後行っていきたいと考えています。

(松田)高田支店長のご経歴についてお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらでしょうか。

(高田氏)生まれは東京です。幼少時、3歳から10歳頃までは、父の仕事の関係でアメリカで過ごしました。その後は高校卒業まで日本の学校に通い、大学進学のためにまたアメリカに渡り、アメリカの大学を卒業後、弊行に入行しました。

銀行を選んだ一番の理由は、一組織に帰属しながら、色々な企業を見ることができ、様々な人と出会うことができる夢のある仕事だと感じたためです。また、海外で仕事をしたいと思っていましたので、海外拠点の多い銀行であれば、可能性が高いと思いました。

(松田)ご入行後は、どのようなお仕事をされましたか。

(高田氏)入行後は国内の支店に配属になりました。国内支店で2年近く働いた後、本店に異動になり、M&Aの部署に配属になりました。そこで2年程勤務後、その部からニューヨークに転勤になり、M&Aブティックに出向しアドバイザリー業務を担いました。

期待を胸に膨らませていきましたが、実際は、アナリストだったので、部屋にこもってデータや情報を集めたり企業を分析してプレゼンテーション資料を作る毎日でした。夢中になって仕事をしていたので気がついたら朝まで働いていたことは何度もありました。若かったので体力もありましたし、楽しかったので苦にはなりませんでした。

そこは弊行とWolfensohn 社の合弁会社だったのですが、社長のJames D Wolfensohn氏は、その後世界銀行の頭取を2期(10年間)務められ、また会長のPaul Volcker氏は、米連邦準備理事会(FRB)の議長を務められた方で、大変有名な方々と仕事をするという、良い経験をさせていただきました。

Paul Volcker氏に初めて会った時のことですが、会うや否や「君はこれまでどのような人脈を築いてきたんだ」と聞かれたんです。当時私はまだ入社4年目でしたので、人脈と言われても、同期くらいしか思い当たらず回答に苦慮した記憶があります。(笑)

(松田)偉大な方々のお名前が出て驚きました。ニューヨークでのお仕事の後はどちらに行かれましたか。

(高田氏)ニューヨークは2年程で、その後ロスアンゼルスに6年間駐在しました。最初は、航空会社やロスアンゼルスならではのフィルムファイナンスなどアメリカ企業への営業を担当し、最後の数年は主計、総務、人事部門の課長を務めました。

課長に就任して間もない2002年に3行の統合があり、ロスアンゼルスにあった3行の支店統合に従事しました。

当時私が頼っていた主計担当のベテラン行員が体調不良により統合のタイミングで会社に出れなくなって、その人が不在の中で勘定を移す準備と作業をしました。間違ってはいけないという緊張感もありましたし、大変だったことが思い出されますが、やり遂げた時は達成感がありました。統合を完了した後、日本に帰国しました。

帰国後すぐに事務体制を整備するプロジェクトチームに半年ほど従事し、その後、本店の営業部に4年ほど配属になりました。8年ぶりの日本だったので慣れるのに大変でした。そもそも満員電車にスムーズに乗車出来ず、初歩的なところで躓いていました。

(松田)その後、ヨーロッパに行かれることになるんですね。

(高田氏)オランダに転勤と聞いた時は、まさかヨーロッパに行くとは思っていなかったので正直驚きました。オランダでは母国語はオランダ語ですが、ほとんどの人が英語を話せます。例えばタクシーの運転手やスーパーの店員なども流暢に喋れるため、英語圏として問題なく生活ができました。

何故こんなに英語が浸透しているのかと不思議に思ったのですが、オランダでは、たくさんの英語のテレビ番組が常時放映されています。また、映画は原則吹き替えがなく、その国の言葉で上映してオランダ語の字幕を流しています。生まれてからそのような環境で育てば英語ができるようになるのは自然かも知れません。

オランダには3年半ほど駐在し、日系営業を担当しました。オランダみずほはEU各国で銀行業務を行うことのできるパスポートライセンスを持っていたのでベネルクス3国及び中東欧という広いエリアを担当していました。オランダは、たくさんの国と租税条約を締結しているのでヨーロッパにおける地域統括会社を設置するメリットがあり、統括会社を設置する日系企業が数多くありました。

(松田)日本人にとって、オランダの英語教育方法は気になりますね。その後、ドイツに赴任されたんですね。

(高田氏)ドイツには4年半ほど駐在をしました。最初はミュンヘンで4ヵ月ほどドイツ語の勉強をし、その後デュッセルドルフに行き、副支店長として日系及び非日系の営業を担当しました。その後フランクフルトに異動し、場所を変えて引き続き日系・非日系の営業を担当しました。

ドイツの担当エリアは最初はドイツ国内だけだったんですが、途中でオランダで担当していた中東欧もドイツから担当することになりました。私が行く少し前にフランクフルトのオフィスができ、当初は5、6名のオフィスだったのですが、ドイツ企業向けの取引が広がってドイツを離れる時には20名弱になっていました。

そして、2015年3月にカナダに来ました。副支店長として配属され、今年の4月より支店長に就任しました。

(松田)これまでのお仕事の中で、特別印象深いものをお話して頂けますでしょうか。

(高田氏)数々の地で色々なことがありましたので、全て印象深いのですが、ロサンゼルスで3行の統合をした時のお話をいたします。2002年の4月1日に3行を統合したのですが、3行の業務が重複する中、中枢となる人たちを含め一部の行員を解雇しなければなりませんでした。

当時、人事も担当していたので一人ずつ呼び出して解雇を通知する役目だったので大変つらい思いをしました。解雇通知は1月頃でしたが、その内容に3月31日まで引き続き統合の仕事をして欲しい、というものがありました。結局、誰一人欠けることなく全員が、最後まで業務を遂行してくれたんです。

統合作業が終了したときは、辞める人も残る人も、皆で涙を流しました。最後の日に辞める人たちだけで飲みに行くことになりましたが、一緒に飲もうと声を掛けられたときは、素直に嬉しかったです。


(松田)お仕事以外では、どのようなご経験をされましたか。

(高田氏)色々な国に住めたということが、プライベートでは一番良い経験でしたね。ニューヨークは、文化が豊富で、美術館、音楽、ミュージカル、バレーとなんでも手の届くところにあるように感じました。振り返るともっと見ておけばよかったと思います。ロスアンゼルスでは、4時間以上掛かりましたが、最初で最後のフルマラソンを走って完走することができました。

オランダ赴任の際は、初めてヨーロッパで暮らすことになりましたが、日本だと“欧米”と言いますので、ヨーロッパはアメリカとほぼ変わらないんじゃないかと思っていたんです。オランダに行って衝撃的だったのは、スーパーの営業が、土曜日は午後5時くらいまで、日曜日は閉まってしまうんですね。

住居が大型スーパーの上階にあったため、土曜日になると買い物客で大混雑、日曜日になるとゴーストタウンのように人一人いなくなってしまいます。途中から土曜日の営業は長くなりましたし、日曜日も年に数回お店を開けるようになりました。慣れれば大丈夫ですが、油断して買い物をしそびれることが何度かありました。

そしてドイツに異動し、仲良くなったアパートの住人と初めて話した時に「何でも聞いてね」と言われたので、「オランダに3年半住んでいたので大丈夫だよ」と答えたら、「とんでもない!ドイツとオランダは全く違うから」と言われたのですが、確かに違いましたね。

オランダは質素であまり外食をしないイメージがありますが、ドイツ人は外食が大好きです。特に、ビールとドイツ料理。我が家も一時期ハマってしまい、週末は健康のために散歩をしていたのですが、昼食にドイツビールとドイツ料理をルーティンにしていたら健康診断で脂肪肝と言われてしまいました(笑)。

ドイツは英語が通じないことが多く、例えば、修理工等は十中八九ドイツ語のみでしたので、アパートにトラブルがあった際など説明をするのが大変でした。聞くところによると、ドイツは10歳の時に専門職に進むか大学に進学するかを決めなければいけないそうなので専門職に進む生徒は英語に接する機会が少ないのかも知れません。

(松田)海外生活が長くいらっしゃいますので、他にもたくさんのエピソードが伺えそうですね。それでは、高田支店長が、お仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことでしょうか。

(高田氏)自分の思っていることを、可能な限りストレートに伝えるようにしています。はっきりと伝えないとわからないですし、相手にも率直に言ってほしいと思っています。国や人によって考え方が違いますし、言われないと気が付かないことや思いもつかない発想があったりすると思っています。

話をしてお互いの理解を深めることで信頼関係が生まれると思いますし、局面によっては伝えづらいこともきちんと伝えることで、マイナスよりもプラスになることの方が多いと思うのです。 

また、これはご質問の内容と少し違いますが、私は声が低く、癖で眉間に皺が寄ってしまい、見た目も少し怖いと言われることが多いので、なるべくそのような印象を与えないようにしたいと思っています。例えば、最初にカナダに来た時に、部下全員と面談をし、その中で声も低いし眉間に皺が寄っていることも多いけど、怖がる必要はないから、ということを一人ひとりに話しました。

効果があったかどうかは分かりませんが、最近、Emailを確認しながらオフィス内を歩いていたら、後日、支店長がポケモンGOでモンスターを2匹捕まえたという噂が広がっていましたので多少の親しみを感じてくれているのかなとプラスに捉えています。因みに、ポケモンGOはやっていません。(笑)

(松田)そのように伝えて頂けると、行員の方々もコミュニケーションが取り易くなるでしょうね。それでは、プライベートについても少しお伺いしたいと思いますが、好きなスポーツやご趣味はありますか。
 
ナイアガラのワイナリー巡りにて 

(高田氏)せっかくカナダに来てますので、ゴルフを少しやっていこうと思っています。一応30年程前からしているのですが、途中で間が空いたりしてなかなか上達しないですし安定しないですね(笑)。

趣味としては、冬場に部屋に籠る時間が長くなってしまいますので、先日フォークギターを購入しました。昔、少しだけやったことがあるくらいで、触ったのもそれ以来でした。懐メロでも弾けるように練習しようと思っています。

(松田)厳しい冬の間にギターの腕も上がりそうですね。いつか聴かせてください。最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願いいたします。

(高田氏)本年度の商工会理事を務めさせていただいておりますので、カナダに進出されている日系企業の皆さまに、少しでもお役に立てるよう、頑張っていきたいと思います。活動へのご支援を宜しくお願いいたします。

(松田)インタビューは以上となります。今日はお時間をいただき有難うございました。



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