「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー




<第145回>
Hino Motors Canada, Ltd.
河村 祐三子 President

カナダ日野自動車の河村社長にお話を伺ってきました。河村社長には、本年度の商工会理事を務めていただいております。前回、前々回に引き続き、女性の代表者が続いており、カナダの日系企業にも女性の活躍が進んでいることを再認識いたします。

河村社長は2015年2月にカナダに着任、今年の2月より社長に就任されました。オフィスはミシサガにあり、ウッドストックに工場があります。河村社長は大変物腰が柔らかく、笑顔を絶やさず質問にお答えくださり、楽しいインタビューとなりました。



(松田)御社の事業内容のご紹介をお願いいたします。

(河村氏)カナダ日野自動車は、カナダにおける日野トラックの生産、及び販売をしています。日本の日野自動車(株)の100%資本という位置付けです。ジョイントベンチャーの代理店という形態で事業を始めたのが1974年で、そこから数えますと今年で42年を迎えます。
従業員数は、141名で、そのうち日本からの派遣者は5名です。

(松田)カナダに生産工場をお持ちなんですね。

(河村氏)当社が扱う全ての製品は、ウッドストックにある工場にて組み立てをしています。工場の従業員数は、事務所メンバーを併せて約80名。2006年に立ち上がりましたので、今年が丁度10周年で、先日イベントを行いました。

2016年の製造台数が現時点で2500台、最終的にもっと増えると思います。生産したものは全てカナダマーケットに販売しています。将来的にはもっと国産化率、現場化率を上げていきたいと思っています。

(松田)販売店舗はどちらにありますか。

(河村氏)提携ディーラーが、カナダ国内に51箇所、一応全州にあります。そのうち、車の販売、部品の販売、サービスの全てを行う3S店は33店舗で、残りはサービスと部品の販売のみをしている店舗です。我々のクラスのトラックですとそこまで長距離は走りませんが、サービス網はきちんと組んでいます。

(松田)御社の製品についてご説明いただけますか。

(河村氏)親会社の日野自動車は、小型・中型・大型トラック、及び小型・中型・大型のバスを生産販売しておりますが、カナダでは小型と中型のトラックのみを扱っています。こちらの基準で、小型はクラス4と5、中型は6と7というレンジになります。

クラス4と5は、キャブオーバーという日本でよく見る前面がフラットになってタイプで、クラス6と7は、コンベンショナルという、北米で普及しているボンネットが突き出ているタイプです。

当社の製品は、QDL(Quality・Durability・Reliability)、つまり高品質で、耐久性があり、信頼のある車、として、お客様から高い評価をいただいております。

(松田)お客様はどのような業種が多いでしょうか。

(河村氏)リース・レンタル業、卸売業、一般輸送業のお客様がメインで、どちらにおいても特別な機能をもったものではなく、一般的な「物を運ぶ」という用途で使われるお客様が大半を占めています。

お客様のマジョリティは、運転台の後ろにVan Bodyという箱型の荷台を搭載したトラックを使って、引っ越し屋さんや家具屋さん等、日常生活品の運搬に使用されることが多いです。

(松田)御社の強みはどちらにあると思われますか。

(河村氏)当社のクラスのトラックを販売している会社としては、カナダ国内で組み立てを行っているのは日野自動車が唯一の会社です。以前は、組み立て工場を持っている他社もあったのですが、2008年のリーマンショック等、経済環境厳しい中で撤退されてしまいました。

我々も、当初はアメリカの工場で生産をしカナダへ輸入をしていたのですが、この大きい北米大陸では輸送費も高額になりますし、関税もかかり、また納期も長くなってしまいます。そのため、小さくてもカナダに工場を持つべきだという運営戦略の下、2006年に立ち上げました。

2008年頃はやはり当社も厳しい状況に置かれ、工場の改善ばかりをしているような辛い時期があったという風に聞いていますが、そこを耐えて生き残ったために今があるんだと思っています。

カナダに特化した事業体があるということで、ディーラーさんやお客様との距離が近く、何かあればすぐに話ができるという対応の早さも強みの一つです。社内のチームワークも非常に良く、日本企業的な「みんなで頑張りましょう」という風土が浸透しているのも良い点だと思います。

(松田)今年の2月に社長にご就任されて、今後どのような展望をお持ちでしょうか。

(河村氏)今当社はクラス4から7という市場でシェアNo.1なんですが、製品ごとのカテゴリーでもトップになることを目指しています。これは、前任の後を継いだ時に掲げた抱負なんですが、一番の目標であり、引き続き注力していきます。

(松田)それでは、河村社長のご経歴についてお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらでしょうか。

(河村氏)出身は長崎県です。大学卒業後、日野自動車に入社しました。自動車産業に興味があったというのが一番の理由ですが、父が技術屋で、出張で世界を飛び回っていた姿に子供心に憧れていて、自分も自動車業界のような日本を代表する業界で、海外の人たちと仕事をしたいというのが小さい頃からの夢でした。

中でも日野自動車は、私の入社当時から女性の人事課長がいらっしゃり、女性の進出に対してオープンな気風を感じました。

(松田)それでは、今小さい頃の夢を叶えられているんですね。入社後は、どのようなご経歴を辿られましたか。

(河村氏)入社後は生産管理部に配属され、7、8年間、新車立ち上げの準備等を行いました。その後は経営企画部というところで本社機能の企画等に3年間携わり、その後は海外営業機能に異動し、北米事業やアジア事業を経験しました。会社の中でも様々な部署で経験を積ませていただいております。

そして2015年2月にカナダに赴任いたしました。駐在は今回が初めてです。海外営業に籍を置くようになってから駐在の希望は出していたのですが、日野自動車がまだ女性を海外に送った経験がなかったため体制が整っておらず、こんなに遅くなってしまいました(笑)。

女性の海外駐在員は私が2人目、管理職では初めてということになります。私としてはもっと若い時に経験したかったというのが本音ではありますが、年齢が上がると就くポジション等も難しくなりますので、私にはもうチャンスはないのかと思っていましたので、正直なところ話を聞いた時には驚きました。

(松田)正直申し上げて、御社のようなトラックの会社で女性が社長にご就任されたのに驚きました。

(河村氏)驚かれることはありますが、カナダには私が海外営業にいる頃に担当として頻繁に来ていたため、従業員やお客様等には昔から知っている人もいるので、実際に接する人たちの驚きはそこまではないと思います。

日野カナダは、工場の現場にも女性のチームリーダーやマネージャーがおり、ミシサガ事務所にも女性マネージャーは多いです。企業として女性の働きやすい会社であると感じますし、今後更に女性の進出は増え、体制は整っていくと思います。

(松田)カナダで会社のトップとして事業を行う中で、難しさは感じられますか。

(河村氏)皆さま感じられていると思いますが、日本とカナダのスピードの違いと、それをやりくりすることは大変ですね。

現地社員は余裕をもって生活をし、プライベートも仕事と同じように大切にされていますので、日本側と話をしながら、例えば仕事の期限を見た時に、「必要なメンバーはその期間はバケーションです」とかいうことはありますね。現地社員のスタイルを尊重しながら、日本側にも理解をもらい、バランスを取るように心がけています。

反面、カナダは特に様々な文化を背景にもつ方々がおりますので、一緒に働き、話をすると刺激を受けることが多いですし、私自身の興味の範囲が広がり、楽しいですね。

(松田)河村社長がこれまでで一番印象に残っているお仕事についてお話いただけますか。

(河村氏)海外事業部に移って最初に担当したのが、北米専用車のプロジェクトでした。北米で普及しているボンネットのついているタイプのトラックを、日野自動車が初めて北米専用に開発し、北米市場に投入するというプロジェクトに、企画から参加しました。

それが承認され、工場で生産され、販売されて、というそのプロセスの全てに携わることができたという経験が、学ぶことも大変多く、一番心に残っています。

また、昨年カナダに来て、その車が実際にたくさん走っている光景を見て、とても感動しました。有り難いことにカナダでは高いシェアを誇っていますので、朝の通勤途中から何台も目にすることも多く、とても嬉しい気持ちになります。

(松田)河村社長がお仕事を進める上で、心がけていらっしゃることはどのようなことでしょうか。

(河村氏)私も、若い時は結構強引な部分があったんですが、経験を積むごとに、一人では何もできないと感じるようになりました。日本でもカナダでも同じですが、従業員とチームで動いていく。

今はチームを引っ張るという立場にもなりましたが、できる限り多くの人に協力をしてもらいながら、総合力で頑張る、というのが一番大事だということは、常に念頭に置いています。ただうまくできないこともあるので、バランスを取りながら纏めることが一番大変だと身に染みています。

(松田)それでは、プライベートなこともお伺いしたいと思いますが、スポーツは何かされますか。

(河村氏)カナダに来てから、夏の間は一生懸命ゴルフをしています(笑)。下手の横好きでなかなか上達しないのですが、カナダにいる間に少しでも上達して帰りたいと思います。

実は、ゴルフを始めたのもカナダがきっかけで、海外営業でカナダの担当をしていた際に、こちらのディーラーさんとゴルフをするために、当時の社長にゴルフ場に連れて行かれたのが最初です。その後、全くしていなかった時期もありますが、やはりカナダでのゴルフはとても気持ちが良く、初心に帰るような気がします。

また、学生時代に水泳部に所属していたため泳ぐのは得意なので、時々コンドミニアムのプールで泳いでいます。ただ、実は怠け者のところもあり、あまり行っていないです(笑)。

(松田)いつでも行けると思うとなかなか足が進まない気持ちはとてもよく分かります(笑)。それでは、今後、カナダ駐在中に挑戦したいことはありますか。

(河村氏)昨年の冬は忙しくて何もできなかったのですが、今年の冬はスケートに挑戦したいと思っています。また、オーロラを観に行きたいですね。夜はマイナス30度や40度になるそうなので寒そうですが、耐えるだけの価値はあると聞きますので、是非叶えたいと思います。カナダは自然が豊富で綺麗ですので、大自然を堪能したいですね。

(松田)長い冬が待っていますが、楽しんで過ごしていただけそうですね。それでは最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願いいたします。

(河村氏)駐在員としてこちらに来て、商工会のように日系企業やビジネスに関する集まりがあるというのは大変心強いです。会員の皆さまは日々お忙しいと思いますが、私は本年度の理事を務めさせていただいておりますので、皆さまと一緒に商工会を盛り上げていければと思いますので、今後とも宜しくお願いいたします。

(松田)インタビューは以上となります。本日はお時間をいただき誠に有難うございました。



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