「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー




<第144 回>
(個人会員)渡部 幸代 Editor
Townpage East Canada Enterprise


べんり職業別電話帳『テレフォンページ』を発行されているTownpage East Canada Enterpriseの渡部編集長にお話を伺いました。渡部編集長には、個人会員で登録していただいております。2016年度版より渡部編集長が運営を引継がれ、名称を『タウンページ』から『テレフォンページ』へと変更されました。発行に対するこだわりや今後の目標、紆余曲折あったご経歴や、活動的に様々なボランティアワークをされているプライベートなどをお伺いしてきました。



(松田)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(渡部氏)Townpage East Canada Enterpriseは、『べんり職業別電話帳 テレフォンページ』の年1回の発行とウェブサイトの運営をしております。『テレフォンページ』は、トロント近郊、ナイアガラ、オタワ、モントリオール、ハリファックスといったカナダ東部をカバーし、年に1万冊発行しています。

設立は、タウンページとして設立されたのが1994年ですので、今年で22年目です。カナダにある無料の日本語冊子としては、長い歴史があるものの一つです。

タウンページを長年発行されていた創刊者が拠点を日本に移すため、運営を続けてくれる人を探されていたのですが、残念ながらすぐには見つからず、2014年度版は発行ができなかったんです。それを聞いた2015年度版の発行人はタウンページに対して大変深い思い入れがあり、これではいけないと会社を設立して2015年度版を発行することにしました。

タウンページを良いものだと思ってくださっている方はたくさんいらっしゃいますので、これまで協賛してくださった事業主を一軒一軒回り、その良さや情熱を伝えていったところ、たくさんの方が協賛、ご協力をして下さり、お陰様で2015年度版を発行することができました。私は2015年度版で編集などのお手伝いをし、2016年度版から私が編集長として継続していくことになりました。

(松田)発行にはどのくらいの人数の方が携わられているのですか。

(渡部氏)私がエディターで、経理や総務の担当者が1名、デザイナーが1名、ウェブサイト等のIT関係の担当者が1名、印刷関係の担当者が1名と、計5名で発行しています。

(松田)少数精鋭なんですね。ウェブサイト(http://www.townpage.ca/ )を拝見しましたが、ホームページに日本語と英語で載っているニュースの更新が大変早くて驚きました。

(渡部氏)ウェブサイトはITの担当者がしっかりと管理してアップロードしています。今後ウェブサイトはより充実させる構想がありますので、これからもっと力を入れていきたいと考えています。

(松田)2016年度版より、名称を『テレフォンページ』とご変更されたとのことですが、特に力を入れていらっしゃる点、こだわっている点はどちらでしょうか。

(渡部氏)発行するにあたって、創刊者の思いを引き継ぎたいとミーティングを重ねました。紙質については、写真や内容が読みやすい紙を使用しており現在もそれを引き継いでいます。また、バインディングにもこだわり、背表紙を入れてしっかりとした縫製になるようにしています。

また、今年より引き継いだ私が充実させていきたい点は、有ると便利な情報の掲載です。「カナダでの質問Q&A」の部分に、各々の専門家、企業の方々に監修いただき、皆様がカナダ生活において知りたい内容、例えばビザ、住宅、銀行、保険等から子育て、教育、健康、そしてお茶や姉妹都市など、様々な事を掲載しています。

レイアウトも見やすいように変更しました。監修いただいた皆様にお会いすると、それぞれ専門分野に対するパッションがすごいんですね。その情熱が読者の皆様に伝わるように、日系コミュニティーで活躍される皆様の得意分野を総合させた電話帳が作れればと思っています。

(松田)単位換算表や年号と西暦の変換表なども掲載されているんですね。

(渡部氏)そういった情報は、普段は使用しなくても時々必要なんですよね。他にも小さいことですが、カレンダーには、カナダ、アメリカそして日本の祝祭日が載っていたり、日本地図には県庁所在地が記載されています。これらも普段は使用しなくても時には必要な情報で、手元にある電話帳を開けばそれがすぐ調べられるので便利だと感じていただけると思っております。

自分が使う側だった時はこの様な情報がずいぶん重宝しました。食材名の日英対照表や、病院での問診票記入時に役立つ医療用語日英対照表などを監修いただき載せています。また、エリアごとの地図なども掲載し広いGTA(グレータートロント)が分かりやすく把握出来るようになっております。

広告も見て楽しいようなものになれば良いなと思っています。引き続き運営をきちんと行い、リスティング及び掲載の広告からもネットワークが広がっていけばと思っています。

お役立ち情報も掲載されておりますが、やはりテレフォンページは、シンプルに“会社やお店の住所や電話番号を探せる”という部分が大事です。

最近ではパソコンやスマートフォンで簡単に情報が探せますが、職業別にまとまっているものはなかなかないですし、最新ではない情報が出てきてしまうこともあると思います。電話帳は情報がまとまっており便利で、「手に取ってよく読んでみたら、こんなに会社やお店があるとは知らなかった」、大袈裟に言うと「世界が変わった」などと言っていただくこともあります。是非お手にとって読んでいただければ嬉しいです。

(松田)私も読みましたが、情報が詰まっていて読むたびに新しい発見があり、読み物としてもとても興味深いですね。テレフォンページを欲しいと思ったら、どこで入手が可能ですか。

(渡部氏)J−TownのBakery Nakamuraさんの横やJapan Book Centreさんには常時在庫があるようにしています。ダウンタウンですと、グローサリーストアのサンコーさんや、留学センターのブランニューウェイさん、JCCC、トロント補習授業校の図書館などほかにも多数置かせて頂いております。

(松田)今後はどのような目標をお持ちでしょうか。

(渡部氏)テレフォンページは歴史があるので、情報量、リスティングの件数が大変豊富です。また歴史がある分、コミュニティーにもしっかり根付いていますので、有り難いことにご年配の方から若い方までに知っていただいています。今後の目標としては、そうしたネットワークを活かし、更にコミュニティーに貢献できるような冊子作りをしていきたい、ということと、ウェブサイトを充実させ、皆様に更なる便利さをご提供できるようにしたいです。

(松田)それでは、渡部さんのご経歴をお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらでしょうか。

(渡部氏)出身は青森県で社会人になってからは、東京で過ごしました。短大を卒業後、ITの会社に就職し、その後大手英会話学校に転職しました。その英会話学校は、講師の質の高さや、海外に直営の学校を設立しきめ細かいサポートをするという特徴があり、トロントには、講師の採用とトレーニングを行うオフィスがありました。

 
講師たちと一緒に 
私は特に海外志向ではなかったのですが、学校の現場が好きで人と話すのも好きだったため、本社勤務になってからも定期的に学校に足を運んでいました。それまでは教務関係の人がトロントの採用オフィスに派遣されていたのですが、私が講師や生徒さんから聞いた意見や経験を生かすため、トロントオフィスに1年間という限定で派遣されてきました。

しかし結局3年半くらいこちらにいることになりました(笑)。生徒さんに求められている北米での講師採用のジャッジとトレーニングが私の仕事でした。タウンページとの初めての出会いはその当時です。

職場のカナダ人スタッフも大変優秀だったので、一緒にシステムなどを変えたりし、仕事には大変やりがいを感じていたのですが、そろそろ日本に帰りたいと思い始めたところ、次の辞令はニューヨークオフィスへの転勤でした。丁度ニューヨークオフィスの移転をする計画があったため、それを終わらせてから帰任する予定でマネージャーとしてニューヨーク赴任しました。

(松田)ニューヨークではどのようなご経験をされましたか。

 
 NYにて
(渡部氏)ニューヨークオフィスでは、移転した年にちょうど9.11のテロがありました。また移転先が、「次のターゲットでは…」と言われたエンパイアステートビルだったんです。テロが起きた時は、何が何だかわからなくて、とにかく言われるがまま外に出て、他の社員と一緒にカフェにいました。当時はテロが身近でなかったので、誰もテロだなんて思わなかったんですよね。

同じマンハッタンでもエンパイアステートビルとツインタワーは結構離れており情報が錯綜する状態でした。ただ、煙が上がっているのは見えて、粉まみれの人が歩いていたりしたので、何かおかしいなと思っていたところ、エンパイアステートビルが閉鎖されるという情報が入りました。

私は、書類を取るためにどうしても入らなくてはいけないとセキュリティに懇願して、「5分だけだぞ」と言われて走って書類を取りに行きました。ツインタワーの崩落を知らなかったのでできましたが、その後考えると怖いことをしました。

その後、復興に向けてのニューヨーカーのパワーを目の当たりに出来たのはとても貴重な経験でした。普通に街を歩いていても、「Back to normal!」と声を掛け合いながらハイファイブをして歩くんです。もちろん知らない人同士ですし、私みたいなアジア人に対しても同じように話しかけてきました。皆とにかく通常の生活に戻ろうと、街中がエネルギーに溢れていて、一人一人の強さを感じました。

(松田)他ではできない貴重なご経験ですね。その後、どのような経緯でトロントに戻って来られたんですか?

(渡部氏)その後、ロサンゼルスのトーレンスで事務所の移転があるので、今度はトーレンスに行くようにと辞令が出て、トーレンスに行きました。なかなか日本に帰れず、私の人生はどうなるんだろう?と思っていたところ、ご縁があり結婚することになり、トロントに戻って来る事になりました。

トロントに戻って来てからは、出産・子育てのブランクを経て、日系の会社に勤務しました。当時トロントオフィスは日本人が私一人だけだったので、経費削減や効率化を追求し、色々と自由に変えさせていただきました。

日系企業のお客様が多かったので、商品を売る、または何かを始めるにしても、タウンページを隈なく使い、情報を集めていました。中を開けば付箋と赤ペンだらけという風にすごく使わせていただいたんです。会社の広告も載せていただきました。そして今は発行する側になったので、不思議な縁を感じています。

(松田)渡部さんがお仕事を進める上で心がけていらっしゃることはどのようなことでしょうか。

(渡部氏)何でもお客様の立場になって考えるということでしょうか。広告掲載についても、ご指定の広告原稿などお持ちの場合以外は、どのような内容レイアウトにしたら効果的か、などお話を聞いて一緒に考えさせていただいております。

常日頃、お客様に対して、自分に何ができるのか、自分がどうしたらお役に立てるのか、ということを考えていますし、お客様との関係を深めて、皆さまに支持していただけるような、暖かい雰囲気のテレフォンページを作っていきたいと思っています。

(松田)プライベートについてもお伺いしたいと思いますが、好きなスポーツやご趣味はありますか。

(渡部氏)高校の時は運動部に所属しており結構体育会系です。スキーも小さい頃からしていました。スポーツは何でもチャレンジするのが好きですが、こちらに来てからは時間が取れずあまりスポーツはできていません。スポーツ観戦も好きで、箱根駅伝は涙を流しながら観ています(笑)。

(松田)お休みの日には何をされていますか。

(渡部氏)最近は、時間をつくりボランティアをする機会が増えています。以前、JCCCさんとイベントを企画したご縁でJCCCさんやコミュニティーのボランティアをさせて頂くことが多いです。

また、“ネットワーク風”という、商工会会員の駐在員の奥様方が発足したボランティア団体があり、そちらでもお手伝いをしています。ノースヨーク在住のシニアの方々のために、ランチを持ち寄りシニアセンターの一室をお借りしてお話をしながら食べるという活動です。

シニアの方々が「美味しい、美味しい」とものすごく喜んで食べてくださるんです。日本の健康的なおかずのお弁当を食べ、色々なことを話しながら過ごすのがとても楽しくて、私も元気になれる大好きな時間です。

あとは、7月10日にミシサガで、刈谷市との35周年の記念式典と日本のお祭りが開催されましたが、私もミシサガに住んでいるということもありまして、実行委員として企画の策定当初から全面的に協力させていただきました。これからも地域の為になる事があれば積極的にご協力させていただければと思っております。

また、エモトピースプロジェクトという活動にも賛同しています。お水に「ありがとう」などの優しい言葉を言うと、凍らせたときにできる結晶が綺麗な形になり、「ばかやろー」などの汚い言葉を言うと結晶が汚くなる、という実験結果があるんです。

それを昨年イベントで普通の水道水を2つ用意し、片方はボランティアの子達が「ありがとー!」と言い、もう一方は無視し、何もしませんでした。それを、何も知らない方々に飲み比べをして頂いたところ、「ありがとう」と声をかけた方が甘くて美味しいと言うんです。もちろん信じられない方もいると思いますが、こうした実験を通して、子供達に“ありがとう”などの優しい言葉を言う大切さが伝えられれば、と思って協力しています。

(松田)本当に様々なご活動をされていて刺激を受けます。そのモチベーションはどちらにあるんですか。

(渡部氏)カナダでは高校生は決められた時間のボランティアが義務付けられておりますし、一般の方がボランティアをする機会もとても多く日常的な事だと思います。

もちろん時間がなければできませんが、報酬を得てする仕事とは違い、ボランティアを通じて学ぶことってたくさんあると思います。ボランティアをしている自分の方が、笑顔を返してくださっている皆さんから実は沢山の事を学ばせて頂いているんです。

(松田)それでは最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願いいたします。

(渡部氏)繰り返しになりますが、テレフォンページは日系の職業別電話帳として創刊され、今年で22周年となります。読んでいただけると色々な発見があると思いますので、是非一度お手にとってみて下さい。また、本誌に載っているお店や企業をたくさん使っていただけると、日系コミュニティーの活性化に繋がりますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

(松田)インタビューは以上となります。本日は有難うございました。



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