「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第133 回> 
APPCENTRICA INC.
北村 賢一郎 Chief Technology Officer

2015年3月に商工会に入会されたAPPCENTRICA INC.の北村CTOにインタビューして参りました。北村氏が4年前に仲間と共同で設立した同社は、カスタムソフトウェア開発事業において幅広い業種の顧客の要望に対応し、順調に成長を続けています。インタビューの中では、北村氏には同社の企業理念や、起業するに至った経緯、今後のビジョン、またプライベートの時間の過ごし方についてもお伺いしました。

(丸山)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(北村氏)当社の事業分野はITによるビジネスコンサルティングで、ウェブやモバイル用システムのアプリ開発とシステム統合サービスを提供しています。また、データ管理、ユーザーインターフェイス(UI)や、ユーザーエクスペリエンス(UX) を改善するデザイン開発も行っており、最近では販売部門のシステム統合サービスも始めました。

主にマイクロソフト やジャバのプログラミングを用いて、企業のプラットフォーム向け専用ソフトを作り、バックオフィスの大規模なシステムと連携した環境構築をしています。小規模なプロジェクトなら半年程度、大規模なシステム構築には何年も掛けて取り組んでいます。

システム設計・開発・プログラミングは機能重視の理系である一方で、UI、UXはユーザーフレンドリーであることも重要で、デザイン力や発想力が必要になることで美術系要素も加わります。当社は、機能性と見た目の美しさ、両方を兼ね備えたシステムを構築しています。

(丸山)既存の汎用ソフトと専用ソフトウェアにはどのような違いがありますか。

(北村氏)IT業界の現在の方向性としては、企業のIT化の速度が速まってデジタル化が進み、ウェブやモバイルを強く指向する方向に動いています。これまでの主流だったSAPやオラクルといった基幹業務システム(ERP)は、大企業向けのソフトウェアで、必ずしも使い勝手が良くありませんでした。

アップルが使いやすさ重視の製品を中心に展開していることからも分かるように、ユーザーである顧客と社員双方にとり使い勝手の良いソフトを作って欲しいという企業が増えています。

ただ、既に導入されているERPシステムを一切捨てるという選択肢は現実的でなく、ユーザーが使いやすいようにカスタマイズされたウェブやモバイルのアプリケーションをERPシステムにつなげるという、システム統合プロジェクトが多くなっています。

当社のプロジェクトの8割に相当するウェブ上のカスタムソフトは、裏ではERPシステムにつながっています。

アップルやグーグルが自動運転車の開発を進めているのも、ユーザー中心の発想から生まれたもので、自動車のユーザー、つまり乗っている人を中心に考え、運転しなくても行きたいところへ連れて行ってくれる車を作ろうという発想です。

各企業がユーザー中心の考え方にシフトし始めているので、当社もその分野を専門にしていく方針です。

(丸山)現在どのようなプロジェクトに携われていますか。

(北村氏)北米エリアで十数件のプロジェクトが同時進行しています。クライアントは、金融・保険関係が多く、他に自動車・石油・ヘルスケア関連などです。

ある大手保険会社向けには、ウェブ上で使用できる保険ポリシーの管理システムを構築しており、取引は4年目に入ります。このシステムは豪州で使用されていて、今後欧州と米国にも広げる予定です。

カナダの銀行向けには、株取引や資産運用を管理するシステム構築をしています。他に日系自動車会社向けに、バックオフィスのシステム開発プロジェクトを5件、同時に進めています。

当社は専用アプリに特化しており、様々な業種の顧客の要望や仕事の進め方に沿ってデザインしカスタマイズした多様なソフトを提供しています。システムデザイン設計、アプリケーション開発にあたり、ユニークで当社にしか作れない専用ソフトを開発し、大手企業の汎用ソフトでは対応できないことにも対応できるようにしています。

(丸山)御社が特に強みだと思われるのはどのような点でしょうか。

(北村氏)当社の経営理念として掲げております、クラフトマンシップと発想力が最大の強みです。

IT企業、特にシステム開発やプログラミングの仕事は、職人に近いところがあります。プログラミングのエキスパートは、日本の職人気質のようなプライドを持っていて、仕事はもちろん生き方も職人的です。

当社が一番大事にしていることは、顧客の立場に立って考える気持ちです。知恵やスキルがあっても、クライアントを大切にする気持ちが無ければ良い仕事が出来ません。ですから社員の採用面接の時にもそういった適性を見ています。

大学出たての若者でも、年齢に関係なくITやプログラミングが大好きでユーザーの立場に立って考えられる職人気質を持っている人がいます。当社の社員は皆そうしたクラフトマンシップを持っているので、プロジェクトを始める時、単なる仕事ではなく、顧客の立場に立って信頼関係を築きつつ、IT職人としてのプライドを持って取り組みます。

また、専用アプリはゼロから作るものなので、発想力が極めて重要です。当社の優れた発想力を活かし、ユニークなアプリケーションを開発していることも強みです。

(丸山)御社設立の経緯についてお聞かせ下さい。

(北村氏)大学卒業後IT関連の仕事をやっていて、業界の中に長期的な視点で顧客と良好な信頼関係を築くことを重視する会社があまりないと感じ、そういったIT職人の気持ちを共有できる人達を集めた会社を作ろうと、パートナー二人と起業を決意し、2011年に三人で当社を設立しました。

立ち上げ当初は、先行きが不安で毎日必死に働き、深夜や週末まで仕事が続くこともありました。当時子供が生まれたばかりで、家事育児を切り盛りしてくれた妻には本当に感謝しています。

幸い会社設立以来順調に成長を続けており、社員も40人を超えるまでになりました。もともと我々三人をよく知る取引先からは、会社設立直後から仕事を頂戴したのは大変光栄なことで、最初からある程度の顧客リストがあったのはありがたいことでした。そういった設立当初からの顧客に加え、新規取引先も増えて、現在は多くの顧客とお付き合いさせて頂いています。

(丸山)御社はこれからどのようなことに力を入れていきたいとお考えですか。

(北村氏)当社の企業理念を守りながら、会社を大きくしていくことが大事だと思っています。従業員数等の数字を増やすことが目的ではなく、顧客との信頼関係を大切にしながら、システム開発の能力を磨き、会社を強くするよう努力し続けていれば、必然的に会社も大きくなると信じています。

良い仕事をすれば評判が上がりまた新しい仕事が入ってくるので、これまで営業マンを雇ったことはありません。今後は営業やマーケティングを強くしていく方針で、力を入れ始めています。

これまで日系企業の顧客は少なかったのですが、ここ最近日本企業をターゲットに営業することを検討し始めたところで、日本企業へのITサービスをどのように提供していくかを勉強しています。

カナダの日系大企業は、カナダ人のIT専門家を雇うことが多いですが、日本からITサポートを呼んでいる企業もあるので、専用アプリ開発は、カナダより日本で始める方が適していることもあります。

日本に住む古くからの友人が、当社と同様の専用アプリ開発事業に携わっているので、一緒に仕事をしようという話を始めています。

日本在住のパートナー企業として協力し合い、日本でもカナダでもソフト開発のプロジェクトを開始できるよう準備が整いました。太平洋をまたいでシステムを提供することができるので、今後、日本の顧客探しに力を入れていきます。

(丸山)北村さんのご経歴についてお伺いしてもよろしいですか。

(北村氏)大学入学時は機械工学を専攻していましたが、法律やビジネス、コンピューターにも広く興味があったので、在学中に商学部に移ると同時にコンピューターのクラスも受講しました。

次第にそちらの分野に興味が湧いて集中して受講するようになり、卒業時はコンピューターの専門になっていました。ただ、商学部で経済も詳しく学んだので、大学に1年残って経済のコースも修了しました。

コンピューターと経済の知識を活かすにはITコンサルティングの仕事が適していたので、卒業後は長い間、IT運営コンサルティングをしておりました。そこで経験を積み、独立し起業する自信がついたので、当社を設立し現在に至ります。

(丸山)これまでのお仕事を通じ、印象に残っていることはどのようなことですか。

(北村氏)当社を起業する以前に、大手会計事務所でITコンサルティングの仕事をしていた時のことです。監査の日系サービスグループリーダーの方と父が一緒に仕事をしていたこともあり、コンサルティング部門にいた私に非常に親切にして頂いたことが印象深いです。

その方が、私に日本企業との仕事を勧めて下さり、監査業務の顧客など、たくさんの日本人の方を紹介して頂けたので、日本企業向けにITコンサルティングの仕事を始めました。その時気付いたことは、カナダで生まれ育ち、日本のことを知らない私でも、仕事のやり方や気持ちが日本人の方と合う、伝わるということです。

日本人の考え方や仕事の進め方はカナダと異なりますが、日本人駐在員の方々は、カナダに居ながらも日本での仕事の仕方を変えません。その姿勢に共感し、尊敬の念を抱きました。

日本人駐在員の仕事に対する姿勢を見て、長期にわたる顧客との信頼関係という、当社設立のアイディアを得ました。


(丸山)それでは、プライベートなこともお伺いしたいと思いますが、休日はどのように過ごされていますか。

(北村氏)カナダで生まれ育ったので、子供の頃からアイスホッケーが大好きで、今でも毎週末ホッケーを楽しんでいます。チームメイトとは一年中プレーをしていて、もう十年以上になります。

仲間とはお互い年齢も近く、昔よりスキルが若干衰えてきているので(笑)、それがまた面白く、楽しんでいます。当社の他のパートナー二人もアイスホッケーをしていて、社員にもプレーヤーが多く、昨年会社のチームを作りました。

ホッケー以外の趣味は、大学時代からオートバイが好きで、今でも時々乗っています。妻はあまり賛成してくれませんが(笑)。


(丸山)最後になりますが、商工会会員へメッセージを頂けますか。

(北村氏)当社は4年前に設立したばかりの新興企業で、ITコンサルティングの分野では小規模ですが、顧客との対話を大切にし、大規模なシステムデザイン開発においても、質の高い仕事を提供できていると自負しています。

当社は、長期にわたる顧客との信頼関係を何よりも大切にし、システム、プログラミングの職人であるエキスパートと共に、質の高い仕事を提供することを第一にしています。これから日本企業を中心に事業展開していきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願いします。

(丸山)インタビューは以上となります。本日はお時間を頂きましてありがとうございました。






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