「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第131回> 
Creators' Lounge Inc.
加藤 豊紀 Founder / CEO

Creators' Lounge Inc.の加藤CEOにインタビューをして参りました。2014年11月に個人会員として入会された加藤氏に、日加の文化芸術交流の架け橋となる事業についてお話しいただきました。また、日本で公務員をされていた時のご経験や、渡加し起業するに至った経緯についてもお伺いしました。




(丸山)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(加藤氏)当社Creators’ Lounge Inc. は、国際的なクリエイティブ・コミュニティを形成するということを念頭に、アート関連の人材・知識をビジネス関連分野で活かせるような場を提供しております。

また、クリエイターやアーティストの表現の場を作ることを企業理念に、イベント企画運営、ブランドプロモーション、ポスターやウェブ゙デザイン等の制作、クリエイターやアーティストマネジメント、文化交流プログラムの5つの事業を行っています。

クリエイターやアーティストの方々は、セルフマネージメントをするのが得意な人ばかりではないので、彼らが自分自身を売り込んでいけるようサポートをしています。トロントローカルのアーティストやクリエイターに表現の機会を作るだけでなく、日本からカナダにアーティストが来た際のプロモーション活動やイベント企画運営なども活動の一部にしています。

2012年にCreators’ Lounge を立ち上げ2014年10月に法人化しましたので、創立一周年を迎えました。現在、私を含めマネジメントのスタッフが3名おります。私自身は営業をしておりますが、お客様から別のお客様を紹介していただくことも多いです。

お客様は日系企業が多いですが、Anime NorthやToronto Korean Film Festival、 アジア国の企業GALAイベント等にも携わり、当社のアーティストの表現の場を広げています。

現在、当社のウェブサイトでは80 組を超えるアーティストを紹介しています。当社の強みは、クリエイターやアーティストの皆さんと共創する事で、イベントのコーディネートだけでなく、映像の編集やイベントの広報ツール制作等、一括で受け持つことができることです。

当社の優秀なアーティストやデザイナー、その他多種ジャンルの知恵を借り、アイディアを練って様々なイベントを企画しています。企業や製品のプロモーションにしても、アーティストの色が添えられることによって無機質でなく人の心に残るものになるよう、努力しています。

(丸山)御社が過去に企画されたイベントをご紹介いただけますか。

(加藤氏)2015年に、日系企業電動工具メーカーの100周年事業が世界中で行われ、トロント部門のイベントのお手伝いをさせて頂きました。 近畿日本ツーリストカナダ法人様のご尽力でダンサーの蛯名健一さんをニューヨークから招聘しパフォーマンスをご披露いただき、大いに盛り上がりました。

また2014年に無印良品様がカナダに進出された際、現地のメディア向けプレスリリースイベントの企画制作に携わりました。本年は無印良品様の店舗で、2ヶ月に一回ワークショップを開催しました。

あるワークショップでは、当社の切り絵のアーティストを講師として紹介し、無印良品様の商品を使って紙の折り方や切り方等をレクチャーしてもらいました。ワークショップに参加された方々が実際に商品に触れることで、無印良品様の品質の良さを理解して頂いています。このようなワークショップを通じ、日本の文化やモノの素晴らしさなども伝えていくことができたらと考えております。

(丸山)現在手掛けていらっしゃるプロジェクトをご紹介いただけますか。

(加藤氏)無印良品様の2号店が11月にミシサガにオープンしますので、引き続き関わらせて頂いております。またオタワで天皇陛下誕生日祝賀レセプションが開催されるので、現地で日本産のお茶ブースを出展し、日本茶の素晴らしさを伝える企画をしております。日本のお茶の企業様と協力し、日本茶のプレゼンをして実際に味わっていただくことで、日本茶の良さを伝えられればと思っています。

同じく同月に国際文化交流プログラムの一環として、カナダ政府後援のミュージックカンファレンスが在日カナダ大使館で開催されるので、そのカンファレンスに参加させて頂きます。そこで、カナダのアーティストを日本のマーケットに紹介していこうと思っています。

同タイミングで琴を演奏するカナディアンアーティスト、Jessica Stuart Few が11月に日本ツアーを行うので、そのプロモーション活動もしています。Jessicaは元々ギターを演奏していたのですが、御祖母様が琴を演奏していた影響で、日本の琴の音色の美しさに惹かれたことをきっかけに、自らも演奏するようになったそうです。

カナダは、アーティストを支援するプログラムが充実しています。例えば、アーティストがカナダのArts Council へ日本でのプロモーション活動を申請すると助成金を得ることができ、日本への航空券代等をサポートしてもらえます。Jessicaも助成金プログラムのサポートにより、日本ツアーを実現する事が出来ました。

(丸山)御社が今後力を入れていきたいことはどのようなことですか。

(加藤氏) カナダの素晴らしいアーティスト達を日本へどんどん広めていきたいですね。当社のプロモーションによりJessica さんが日本でも知られるようになったことをきっかけに、 以前より多くの日本企業様と取引をするようになりました。

年に数回、カナダのアーティストを日本のマーケットに紹介する活動をしていて、これから力を入れていきたいと思っています。また同様に、日本からのアウトバウンドも積極的に仕掛けていきたいですね。やはりまだ外にいる日本人が出来る事が多いと感じておりますので。

また、日本とカナダの交流を活発化するために、コミュニティを巻き込んだイベントを増やしていきたいと考えています。現在トロントを拠点に活動する企業様と合同で、来年の春に向けてイベントを企画しています。

伝統的なモノだけでなく今の日本のポップカルチャーや日本のクールな部分をカナダに向けて発信していけたらいいですね。例えば、Kawaii文化や日本のテクノロジー技術などです。

日本に「興味がある・行ってみたい・行く予定」といったカナダ人に向けに、最新の日本の情報を発信する事で、インバウンドにつなげたいと考えています。

そして、2017年にカナダ建国150周年記念、2018年に日加修好80周年、2020年に東京オリンピックがありますので、これらを機に日本とカナダの交流を更に活発化するイベントを計画中です。今後は、日本からカナダに進出する企業のサポートだけでなく、日本に進出しているカナダ企業にも営業をしていきたいです。

(丸山)トロントで起業するに至った経緯についてお聞かせください。

(加藤氏)2012年にワーキングホリデービザでトロントに来ました。日本では趣味範囲でDJ や音楽関連の活動をしていたので、トロントのクラブやライブハウスによく足を運んでいたのですが、トロントのクラブでプレイさせてもらうまでのプロセスがとても長く、ネットワークが出来た頃には、一年間のワーキングホリデービザの期限が切れてしまうんですよね。

トロントに来た頃はカナダで起業しようとは全く考えていませんでしたが、ワーキングホリデーでトロントに来たアーティストやクリエイターの活動の場をすぐに見つけられる手助けをしたいと思ったことがCreators’ Lounge を立ち上げるきっかけでした。

トロントは、ニューヨークやロンドン、東京のように既に成熟した街ではなく、この街でもっとできることがあると可能性を感じ、Creators’ Lounge を立ち上げれば社会的な意義も生まれると思い起業するに至りました。

(丸山)それでは、加藤さんのご経歴についてお伺いしてもよろしいですか。

(加藤氏)大学在学中に一ヶ月間バンクーバーに留学した時に、日本の便利さ、治安の良さ、物の品質の良さに気付かされ、日本は素晴らしい国だと感じました。留学をきっかけに日本を好きになり、大学卒業後は日本のためにできることをしようと考えました。

野球を長くしていて体力に自信があったので、警察官になろうと決意し、卒業後4年間、警察官をしていました。警察官の勤務中は、パトカーに乗り、取締や検挙、初動捜査をしていました。初動捜査は現場に急行しなければいけないので、一般市民が目にする事の無い現場に数多く立ち会ってきました。

4年目には、犯罪をしたと思われる留置人を拘束している留置管理所に勤務しました。勤続4年目になり、自分の意見を伝えてもいいのではと思い、発言するようにしたのですが、自分の主張を受け入れてもらうことは難しかったです。

警察組織は、20年、30年勤めて初めて自分の意見を言うことができる組織で、たとえ正義のためであっても、若い人の発言では状況は変わらない、という印象を受けました。

保守的な組織に属していることを窮屈に感じていた中、留置管理所で、留置人に差し入れられる本を検閲する仕事があり、そこでたくさんの本に出会いました。自己啓発本やビジネスで新しいことに挑戦している方々の本など、前向きな内容の本をよく目にしていました。

大学を卒業後、就職活動をせず公務員として勤めていた私にとって、世の中にはこんな人がいるのかと初めて知ることも多く、衝撃を受けました。本の内容に感化され、20代の今しか出来ないことをしようと思い、退職を決意しました。

アートやエンターテインメントの本場、ニューヨークに近いこともあり、2012年にワーキングホリデービザでトロントに来ました。

半年滞在した後、ビジネスを全く知らずに当団体を立ち上げたので、多くの失敗もありました。それでも日本では周りの目が気になったり、枠に囚われてしまう事が多い中、カナダで仕事をしているとストレスは少なく、一緒に仕事をする方々はまず個人として自立している方が多い印象がありますので、カナダは仕事をしやすいと感じています。

(丸山)加藤さんご自身がお仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことですか。

(加藤氏)仕事に対して誠実である事です。自分が仕事をする上で、もちろん妥協はしたく無いですし、関わって頂いている方々に対しても真摯に接する事を心掛けています。

実務的なことは経験を積めば身に付くものだと思いますが、挨拶や謙虚な姿勢は意識して心掛けなければ身に付きません。また、人を好きになることで、良い仕事が生まれると信じています。

(丸山)それでは、プライベートなこともお伺いしたいと思いますが、好きなスポーツやご趣味についてお話しいただけますか。

(加藤氏)スポーツと言えば、子供の頃から野球をやっており、トロントでも野球を楽しんでいます。トロントに来てからの趣味と言えば三つあるのですが、一つ目はカフェに行くことです。この街のカフェの雰囲気がとても好きで、その空間で読書をするのがとてもリラックスする時間を与えてくれます。

二つ目は、お酒です。休みの日は、地元のクラフトビールショップやナイアガラ産ワインを飲みにいくことが多いです。そして最後に、旅行です。カリブ海の周辺にある国々とニューヨークは、トロントに来てからのお気に入りスポットであり、アイディア発想に磨きを掛けるため、プライベートで年1回は必ず行くようにしています。

(丸山)最後になりますが、商工会会員へメッセージを頂けますか。

(加藤氏)当社は、現地で立ち上げ、法人化してから一年の新しい会社なので、商工会会員の皆様に色々とご指導ご鞭撻等頂く事を心よりお願い申し上げます。

日本から赴任されている駐在員の方から、他国の日本商工会と比較し、トロント日本商工会は非常に活発に活動していると聞きます。セミナーやイベントで日系コミュニティの方々とつながれる場を提供頂ける事は、とても有難く、感謝しています。

商工会のイベントには積極的に参加する予定ですので、会員の皆様にお会いしお話しさせていただくのを楽しみにしています。

(丸山)インタビューは以上となります。本日はお時間を頂きましてありがとうございました。








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