「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー




<第130回> 
ITO EN (North America)INC.
村井 隆文 Vice President, COO of Canada

ITO EN (North America)INC.の村井副社長にインタビューをして参りました。世界的な健康志向の高まりによりお茶の需要が増加傾向にある中、北米に日本茶を普及させるための様々な施策や北米伊藤園発の一押しの商品についてお話しいただきました。また、村井氏の北米での様々なご経験やご趣味についてお伺いしました。




(丸山)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(村井氏)当社は北米伊藤園のカナダ支店として2013年に事務所を開設しました。日本を始めアジア諸国で生産した製品をカナダに輸入し、主にディストリビューターを通じリテーラーへ販売しております。現在のところNB商品に限ると約85パーセント以上が飲料で、残りはリーフ等です。

以前より北米でも緑茶は身体に良いとの認識があり受け入れられていましたが、昨今は健康志向が高まり本物のお茶への要望が高まっていることから、2001年に北米伊藤園がニューヨークに設立されました。アメリカの独立のきっかけとなったボストン茶会事件以来、アメリカではコーヒーが普及してきましたが、昨今の健康ブームにより、需要はコーヒーからお茶へとシフトしつつあります。 

米国の伊藤園グループには、ニューヨーク本社、ハワイのホノルルにあるITO EN (USA) INC.、フロリダにあるサプリメントの製造及び販売会社Mason Distributors, Inc.、そして昨年末にM&Aにより新たにグループの一員となったコーヒー会社Distant Lands Trading Companyと4 社あり、合計900名強の社員がおります。

カナダ支店には現在私1名のみですが、来年度から人員を増やし、ゆくゆくは現地法人化することも視野に入れています。

カナダの人口は、アメリカの10パーセント強ですが、一人当たりのお茶の消費量はアメリカより遥かに多くなっています。カナダは英国連邦の一つで、紅茶を飲むイギリスの習慣が受け継がれていてもともとお茶を飲む方が多いことと、アジア系の移民が増えていることが理由と考えられます。

2017年までにGTA(Greater Toronto Area)の人口構成比の5 割以上はアジア人になると言われています。アジア人は特に緑茶をよく飲むので、将来性のある市場と期待しカナダへの進出を決めました。

弊社商品を取り扱って頂いているディストリビューターはオンタリオ州のみならず、モントリオール、バンクーバー、カルガリー等、各所にあります。

現在は、カナダ国内のアジア系スーパーマーケットをはじめ、セブンイレブンなどのコンビニエンスストア、Loblaws を始めとしたナショナルチェーンでも商品が並び出しているので、カナダでも当社の製品が少しずつですが、皆さんの身近なところで手に入るようになりつつあります。

(丸山)今一押しの商品をご紹介いただけますか。

(村井氏)北米伊藤園発のTEA’S TEA のラインナップがおすすめです。日本では紅茶のブランドとして親しまれておりますが、北米では、どちらかというと緑茶をメインとしたブランドです。

最近ではオーガニックのラインを販売開始することで、より健康志向の方に訴求することができ、アメリカ国内で売上げが伸びているブランドの一つですので、カナダでも売上げを伸ばしていきたいと思っています。





また会社として、世界一のティーカンパニーを目指していますので、「お~いお茶」は、将来的には「コカコーラ」のようにどこの国でも皆さんの手に取っていただけるような商品にしていきたいと考えています。






近年の抹茶ブームを受け、グローバルブランドの第一歩として抹茶入りグリーンティーのティーバッグもカナダで販売を開始する予定で、こちらも一押しの商品です。

 

伊藤園と言えばお茶ですが、実はコーヒーも扱っています。以前から伊藤園は自社工場でコーヒーのローストをしていますし、タリーズコーヒージャパンは、2006年に伊藤園の傘下になりました。

北米伊藤園のコーヒーブランド「Jay Street Coffee」は、ニューヨークのオフィスがブルックリンのJay Streetに位置することに由来しているのですが、カナダでも広めていきたいです。

(丸山)御社が今後力を入れていきたいことはどのようなことですか。

(村井氏)我々日本人は子供の頃から食習慣の中でいつもお茶を飲んでいますが、北米では毎日お茶を飲む人ばかりではありません。全くお茶を飲まない人にとってグリーンティーは草の味のように感じられるようです。新たな食習慣や生活スタイルを提案しながら、北米でグリーンティーを飲用する習慣を浸透させることに力を注いでいきたいです。

グリーンティーを浸透させる活動の一つとして、サンフランシスコの駐在員が「茶ッカソン」というイベントを仕掛けヒットしました。

IT業界で流行しているHackathon - ハッカソン(「ハック」と「マラソン」を組み合わせた造語)と呼ばれるイベントでは、プログラマーたちが技術とアイデアを競い合います。そこで、お茶とハッカソンを組み合わせ「茶ッカソン」と名付け、お茶を飲んで瞑想し心を落ち着かせてからイノベーションを考案するイベントを企画しました。

地元のIT企業にサポートして頂いているおかげで、現在でも引き続き行われています。また、シリコンバレーのIT 企業は社員に福利厚生の一環として食料を無償で提供する企業が多くあるので、IT系イベントに協賛するなどして当社の商品を売り込んでいます。

日本でも「茶ッカソン」が行われているので、カナダでも、今までとは違う形でグリーンティーを発信していけたらと検討しています。例えば、ヨガのイベントには健康志向の方が多くいらっしゃるので、ホットヨガの後に、スポーツドリンクではなく当社の無糖茶を飲むように仕掛けていけたらと考えています。

海外で緑茶を浸透させることは日本の食文化を広めることにつながるので、日本国内で営業をしていた頃よりも更に仕事に意義を感じながら日々の業務に従事しています。

(丸山)それでは、村井副社長のご経歴についてお伺いしてもよろしいですか。

(村井氏)大学を卒業後、伊藤園に入社し、国内拠点で営業を担当していました。仕事をしながら、いわゆる駅前留学で英語を勉強し、TOEICのスコアを人事部に提出するなどし、会社の海外研修制度に応募したところ、2007年にハワイにあるITO EN (USA) INC.で一年間の研修を受けられることになりました。

ハワイ州はアジア人がマイノリティではない全米唯一の州で、日本からの移民は100年以上の歴史があります。アジアからの観光客も多く、お茶の需要が高い市場です。現地の方は優しい人ばかりで、最初の海外勤務地がハワイで良かったと思っています。

ハワイでの研修は当初一年の予定でしたが、一年の海外研修制度だけで帰国するのはキャリア・ディベロップメント的にどうなのかと感じ、海外事業に深く携わりたいと考えていたところ、半年後にニューヨークのITO EN (North America)INC.に赴任することが決まり、その後丸6年ニューヨークに駐在しました。2013年にトロント支店開設と同時にカナダのトロントに赴任し、現在に至ります。

(丸山)6年のニューヨーク駐在を通じ、どのようなことが印象に残っていますか。

(村井氏)ニューヨーク本社が設立されたのが2001年で、私が赴任した2007年は伸び盛りでしたが、2008年のリーマンショックにより商環境的には深刻な影響を受けたことが印象深いです。当時、リテーラーと直接関わる部署に所属しておりましたので、リーマンショックの影響を直に目にしました。

当時、営業で外回りをしており、リーマンショック直後は、毎週のようにお店が閉店していくのを目の当たりにし、いつまでこの状況が続くのかと戦々恐々としながら営業を続けていました。非常に苦しい状況でしたが、少しづつ景気も持ち直していきました。

ニューヨークでは、お店がつぶれてもすぐ別のお店が入ってきます。回転がとても速く、刺激のある都市でした。

社内外にもラテンアメリカやアフリカンの方など色々なバックグラウンドを持った方がいらっしゃって、それぞれの考え方も違います。私達日本人が当たり前と思っていたことが当たり前ではなく、ニューヨーク駐在中は様々な価値観を学ぶ良い機会となりました。

(丸山)ニューヨークと比較しトロントの市場の印象はいかがですか。

(村井氏)一概に言うのは難しいですが、一つ言えることは、カナダの方は、アクセントのある英語でも聞こうとする努力をしてくださるという印象です。

私自身、帰国子女ではないので英語の発音は完璧ではありませんが、カナダの方は一生懸命聞きとろうとしてくださり、英語を母国語としない人への優しさ、温かさを感じます。そういう意味で、カナダでの営業の方がやりやすく感じます。

最初の海外赴任地のハワイでは皆さん優しかったですし、アメリカの地方のリテーラーの方々も、例えば買い物で訪れると皆さん優しく接してくれました。

でも、マンハッタンでは、お店で注文する時にどれにしようかと選んでいるだけで「Next!」と言われ次に飛ばされてしまうことがあります。ニューヨーク赴任当初は驚き、慣れるまで時間がかかりました。

(丸山)村井副社長ご自身がお仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことですか。

(村井氏)現在、カナダ支店には私一人で、ロジスティクスやアカウンティングについては、ニューヨーク本社から多大なサポートを受けています。取引先のディストリビューターさんも協力的な方が多く、一人では仕事ができないということを強く感じています。年を重ねるごとに、人とのつながりの大切さを痛感し、サポートをしてくださる方々に感謝することを心がけています。

(丸山)それでは、プライベートなこともお伺いしたいと思いますが、好きなスポーツやご趣味についてお話しいただけますか。

(村井氏)体を動かすのが好きで、中学、高校でテニスをしていました。社会人になってからテニスから離れてしまいましたが、アメリカに来てから再開し、月に三、四回程度するようになりました。

カナダに来てからは、最初の一年は冬も長くテニスはできませんでしたが、最近、テニスをする方々とのネットワークが広がりテニスをする頻度も増えてきたので、今後も続けていきたいと思っています。

ウィンタースポーツも好きで、日本にいた頃は、1シーズンに20回以上スキー場に行ったこともあります。

スポーツ観戦も好きです。野球、サッカー、もちろんテニス観戦もします。最近もラグビーのワールドカップが開催されているので、テレビで楽しんでいます。

ニューヨーク駐在中は旅行する機会も多く、ラスベガス、グランドキャニオン、イエローストーン、カリブ諸国やメキシコ等を訪れ、大いに楽しみました。

カナダライフも楽しんでいます。先日のレイバーデーの時に、家族とカナディアンロッキーに行ってきました。曇ってはいましたが、レイクルイーズは本当に綺麗で、良い旅行になりました。

(丸山)最後になりますが、商工会会員へメッセージを頂けますか。

(村井氏)私にとって、トロントはハワイ、ニューヨークに次ぐ三つ目の海外赴任地です。トロントの日系企業の方々は、良い距離感でまとまっていて、お互いに協力していきましょうという雰囲気を感じます。

商工会の子女教育やセミナー運営等、会員サポートがしっかりしていますので、助かっています。伊藤園はカナダに進出したばかりの企業ですので、先輩企業の方々のご知見をいただきながら、皆様と一緒にトロントの日系社会を盛り上げていきたいと思っています。どうぞ宜しくお願い致します。

(丸山)インタビューは以上となります。本日はお時間を頂きましてありがとうございました。








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