「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー




<第124回> 
Mitsui & Co. (Canada) Ltd.
丸岡 利彰 President & C.E.O.

カナダ三井物産の丸岡社長にインタビューをして参りました。2015年度商工会会長に就任された丸岡氏に、カナダの自動車産業に大きく貢献している事業や、日本への食料資源供給の一翼を担っている事業、直近の事業投資案件等、総合商社ならではの大規模な事業について、お話しいただきました。また、海外プロジェクトの経験やカナダでの体験談、ご趣味についてお伺いしました。




(丸山)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(丸岡氏)カナダ三井物産の事業は、輸入、輸出、カナダ国内での事業投資、の三つに大きく分かれます。一つ目の輸入事業の一部として、鉄鋼製品やプラスチック樹脂、機械設備を輸入し、自動車メーカーや部品メーカーに納めています。我々の輸入業務は、カナダの自動車業界に大きく貢献しています。

二つ目の輸出については、カナダ産の穀物を大量に日本へ輸出しています。菜種、小麦、大豆等、穀物の日本向け輸出では、三井物産が歴代トップシェアを誇っています。

三つ目のカナダ国内での事業投資については、直近の案件を挙げますと、今年の初め、皆さんにお馴染みの黄色いトラックの会社、Penske Truck Lease に投資し、リミテッドパートナー持分の20%を取得しました。Penske Truck Leaseは、陸上輸送業務、倉庫業、トラックリースをするアメリカの会社で、カナダでも活躍しています。

また、現在、オンタリオ州サーニア市にとうもろこし等を原料とする化学品の製造プラントを建造しているところで、間もなく工事が完了し、2015年8月から商業生産を開始する予定です。

当社は、トロントに本店を置き、バンクーバー、カルガリー、モントリオールに支店があります。トロント本店の社員数は45名で、カナダ全体では70名程おります。

(丸山)御社が特に強みだと思われるのはどのような点でしょうか。

(丸岡氏)カナダ三井物産の強みは、自動車業界におけるバリューチェーンです。当社は、トヨタカナダと50年にわたって事業を共にし、鉄鋼製品や化学品の提供により、幅広く自動車産業に貢献しています。また、歴代ナンバーワンを誇る、カナダ産穀物の日本への輸出も、大きい役割を果たしていると自負しています。

(丸山)御社はこれからどのようなことに力を入れていきたいとお考えですか。

(丸岡氏)カルガリーでのオイル・ガス関連事業の新しい取り組みに注力していきたいです。また、先程申し上げた、8月から商業生産を開始するオンタリオ州サーニア市の化学品の製造プラントの事業にも力を入れていきたいです。

(丸山)カナダ三井物産基金の取り組みについてご紹介いただけますか。

(丸岡氏)当基金は、1981年の設立以来、カナダの大学で開講している日本語クラスの支援や日本語弁論大会を援助し、カナダにおける日本語教育に貢献しています。今後は、アルバータ大学の高円宮日本教育・研究センターにも貢献していく予定です。当基金を通じた社会貢献活動を継続し、日系社会との関係を強化していきます。

(丸山)丸岡社長のご経歴についてお伺いしてもよろしいですか。

(丸岡氏)就職活動当時は、メーカー就職を希望し、重工メーカーの会社訪問をしておりましたが、たまたま足を運んだ三井物産で、とても魅力的な人達に出会ったことをきっかけに、三井物産に入社しました。三井物産の一番の強みである人的魅力は、今でも失われていません。

入社後、建設機械・産業機械事業に長く携わった後、1992年から2001年までの9年間、アメリカのシカゴに赴任しました。その後日本に戻り、2014年の4月から今年の3月までアメリカのニューヨークに赴任しました。

2015年4月にカナダに着任し、たくさんの人にお目にかかり、「良い季節に来られましたね」と声を掛けていただくのですが、その後に「私はシカゴの冬を9回経験しています」と申しますと、「それならカナダの冬は大丈夫ですね!」と皆さん口を揃えます(笑)。

(丸山)これまでの海外でのご経験を通じ、特に印象に残っているプロジェクトについてお聞かせください。

(丸岡氏)建設機械事業で、中南米の鉱山に大型機械を納めるプロジェクトに携わりました。鉱山の開発は、自然環境との折り合いをつけるという難しい課題がある一方、開発して一国を豊かにするという非常に意義深い仕事だと思っています。先進国企業が開発して収益を上げるだけでなく、その国に住んでいる人々の生活を豊かにするプロジェクトに携われたことで、良い仕事ができたなと思っています。

CISの某国に大型建設機械を輸出した時は、大変苦労しました。我々が鉱山機械を輸出する時は、タイヤを付けずに納入します。鉱山会社は、通常、タイヤを別の会社から特別価格で直接輸入します。

ところが、当時は景気が良く資材が不足し、タイヤの値段が高騰していたので、その国のお客様から、タイヤも納入してほしいとの依頼を受けました。ロシアのタイヤの代理店に手配を依頼したのですが、結局、その代理店はタイヤを手配できませんでした。その結果、我々が納入した大型建設機械は、タイヤが無いので組み立てられず、そのまま現場に放置されるという事態が生じました。

お客様はカンカンに怒り、その現場の所長さんに謝るためだけに遥々出張しました。その後、半年遅れでタイヤを納めることができました。我々が誠意を尽くして対応したことを認めてくださり、次回の商談にも呼んでいただけました。お客様との関係を継続できたので、良い結果になりました。

(丸山)丸岡社長ご自身がお仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことですか。

(丸岡氏)有言実行を自分自身に課しています。難しいターゲットを設定し、それを言葉に出すことによって自分を追い込み、達成していくことを、仕事をする上で一番大事にしています。

また、ビジネスは人と人との信頼があって初めて成り立つので、信頼関係を大事にしています。サプライヤーさんでもお客さんでも、いかに早く信頼関係を築けるかが一番大切なこととして、重要視しています。

(丸山)長く滞在されたアメリカと比較してカナダの印象はいかがですか。

(丸岡氏)これは声を大にして言いたいのですが、カナダは治安が良く、非常に住みやすく、仕事もしやすいです。何故かと考えたら、カナダの人がとてもおおらかで優しさがあり、魅力的だからだと思います。カナダの人達は、気持ちに余裕があり、肩に力が入っていないように見受けられます。

シカゴでもニューヨークでも仕事をしていて楽しかったので、私自身、アメリカの大ファンですが、カナダはアメリカを上回るほど住みやすく、人が魅力的です。カナダに赴任してから3ヶ月経ちましたが、既に、アメリカよりカナダの方が好きになりました。

私自身、オーストラリアへ出張で何十回も行ったことがあるので、カナダは「寒いオーストラリア」と表現しています。カナダもオーストラリアも、イギリス連邦の一員で、地下資源が豊富、人口は少ないが移民政策をとっているのでじわじわ人口が増えている、人がとてもフレンドリー等、多くの共通点がありますね。

(丸山)カナダに赴任されて、どのような体験をされましたか。

(丸岡氏)着任当初、お酒の買い方がわからず苦労しました。イースターホリデーの週末に着任したので、お店はどこも閉まっていて、ビールでも飲みたいなと思って街中を探したのですが全然ないので、カナダの人はあまりお酒を飲まないのかなと思いました。連休明けに初出社し、LCBOの専売というオンタリオ州の仕組みを知り、驚きました。

また、カナダのワインはまずいと先入観を持っていたのですが、オンタリオ州ナイアガラ産のワインは、白も赤もとても美味しいですね。色々なお客様をお迎えするために、社宅のワインは、白も赤もオンタリオ州産で揃えました。

ちょうど先週、日本からのお客さんを迎える機会があり、社宅にお呼びし食事をした際、オンタリオ州産のワイン、特に白ワインを絶賛されてました。オンタリオ州産のワインを飲むまでは、白はチリ産にして、赤はアルゼンチン産にして、と不届きなことを考えておりました(笑)。

ワインが特に大好きで日本酒は普段はあまり飲みませんが、「酒サムライ」を叙任された、門司健次郎駐カナダ特命全権大使が私の高校の先輩でいらっしゃるので、先日、日本酒の祭典、Kampai Toronto に行って来ました。当日は入場制限するほどの行列で大盛況でしたが、日本人の方は少なくカナディアンのお客様が多かったようです。日本酒や日本食はカナダでもとても人気があるのですね。

(丸山)好きなスポーツやご趣味について教えていただけますか。

(丸岡氏)好きなスポーツはゴルフです。カナダはニューヨークよりも冬が長く、ゴルフシーズンが短く残念です。サッカー観戦やアメフト観戦等のスポーツ観戦も好きです。なでしこの試合は全部観ています。観戦しながら、どうして一点差で勝つのかなと、はらはらしています(笑)。

 
 New YorkのマジソンスクエアガーデンでNY Rangersの試合観戦をした時

読書も好きですね。3月に日本に出張した際、トランクがいっぱいになるくらいたくさんの本を購入しました。本を捨てるのは犯罪に等しい位のことと思っています。読まなくなった本でも、誰かに引き取ってもらい読んでもらえたら、本も喜んでくれると思います。

今はもうビジネス本は読まなくなり、宇宙や種の起源、恐竜に関する本を読んでいます。映画「ジュラシック・ワールド」が公開されたばかりなので、早く観にいきたいです。

週末は、妻と一緒にトロント市内の街歩きを楽しむこともあります。これからは、少し遠出をして、重点的にオンタリオ州やケベック州を回り、カナダの美しい自然を見たいです。アメリカ滞在時に、アメリカ国内の主だった国立公園はほとんど回り、シカゴ駐在時にカナディアンロッキーにも足を運びました。

アメリカ滞在時は、直ぐ南にいけば暖かいところがあったのですが、カナダはここトロントが一番南ですから、暖かいところに行くには国境を越えなければいけませんね。

(丸山)最後になりますが、商工会会員へメッセージをいただけますか。

(丸岡氏)会員の皆さんには、できるだけ時間を見つけて、商工会の活動に参加していただきたいです。

ゴルフ大会や忘年会、新年会等、大きなイベントはもちろん、家族イベントの一つ、ブルージェイズ試合観戦では、会員だけでなくご家族同士もお知り合いになれますし、ネットワークが広がると思います。日本からの駐在員がお一人の企業の方も、他の日系企業の方のご経験談は非常に参考になると思いますので、昼食会や懇親会など、お気軽にご参加ください。

当社もあてはまりますが、日系企業の駐在員の数がじわじわ減り、幹部が現地の方に代わるのは良いことだと思っています。現地の幹部の方が日本に多く出張し、日系航空会社の日加間の飛行機の便が増えるといいですよね。

商工会は現在日本語で活動していますが、日系企業に勤める現地社員に入会していただくために、商工会も英語化することが必要かもしれません。

(丸山)インタビューは以上となります。本日はお時間を頂きましてありがとうございました。








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