「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー



<第121回> 
Takara Company, Canada, Ltd.
織田 康二 President


2015年2月に入会されたTakara Company, Canada, Ltd.の織田社長にインタビューをして参りました。商工会会員企業では唯一の、理美容・歯科分野の事業について、お話しいただきました。また、織田社長がトロントに赴任される前の海外でのご経験や、カナダの印象についてもお伺いしました。インタビュー後にはショールームをご案内くださり、様々な機器をお見せいただきました。



(丸山)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(織田氏)タカラベルモントは、1921年に鋳物工場として大阪で創業し、1931年に理美容椅子の製造販売事業に進出しました。

現在では理美容機器を中心に、シャンプーや化粧品、ネイルケア用品等、理美容室で使われるほぼ全てのものを取り揃えております。1960年代からは歯科・医療事業を開始し、治療用椅子、ユニット、ライト、手術台、診察台、ならびに歯科用レントゲン機器を製造販売しています。

当社は終戦後早い時期から海外市場に目を向けており、アメリカ・NYには1956年、イギリス・ロンドンには1959年に現地法人を設立しました。カナダ・トロントに進出したのは1966年で、来年50周年を迎えます。当社には、日本から赴任している私ともう一名の駐在員を含め、現在26名の社員がおります。

カナダでは現在、理美容機器事業ならびに歯科機器事業を展開しています。売上比率では歯科機器事業が全体の約8割を占めています。カナダでは他にも、理美容室やデンタルクリニックで使われるキャビネット等の木工家具類も製造販売しております。

当社が買収したアメリカの子会社で木工家具類の既製品が製造されているのですが、各店舗により寸法が異なり、既製品では収まらない場合、オーダーメイドのものをこちらで製造しています。





(丸山)日本とカナダで扱われている各製品に違いはありますか。

(織田氏)理美容機器は日本とほとんど変わりませんが、サイズだけは日本用よりも大きめの仕様を用意しています。シャンプーやパーマの薬剤、化粧品等は、人種によって髪質や肌質が異なるので、日本人用につくられた当社製品をそのまま持ち込むことができない状況です。


歯科関連機器については、椅子の形状に大きな違いがあります。カナダや北米全体では、始めから足を伸ばした状態で座るものがメジャーを占めています。一方、日本で使われている椅子の多くは、座る前は普通の椅子のような状態で、座った後に後背もたれ部分を倒しながら足の部分が上がっていく機構が採用されています。

この機構の方が特にご高齢の方、車椅子利用の方にとって身体への負担が少なく、より患者目線に立った配慮がなされていると言えます。また、矯正歯科のように患者さんを正面から見て診断する際にも有効です。

但し、機構が複雑になる分、価格も高くなるので、その点でカナダでは未だマイナーな存在です。今後はこのように価格が多少高くても、患者さんにとって快適で、様々な診療にも有効な日本らしい製品をカナダ市場に浸透させたいです。

(丸山)現在一押しの製品をご紹介いただけますか。

(織田氏)歯科治療前の診断時に歯の内側や歯茎の内側を撮影するための口腔内レントゲン機器です。一昨年から販売台数が飛躍的に伸び、2015年3月にモデルチェンジした後、更に市場評価を高めることができました。本機器の売上げが当社の売上げの相当割合を占めています。

カナダ市場全体では年間2000台から2500 台販売されている機器ですが、当社が1000 台以上のシェアを占めています。

(丸山)御社が特に強みだと思われるのはどのような点でしょうか。

(織田氏)理美容機器や歯科治療機器はMade In Canadaが少なく、理美容機器においてはアメリカ、イタリア、中国のメーカー、歯科機器においては、アメリカ、ドイツのメーカーと競合しています。

我が社も、他の日系メーカーのように、Made In Japanということ自体が強みで、それを支える高性能、高品質、高耐久性、また価格とのバランスが一番の売りです。


現在の為替が当社にとって有利に働いていることも、業績が好調な要因の一つです。現在、USドル高、カナダドル安なので、カナダでアメリカ製のものをUSドルベースで購入する場合、数年前の2割増しになります。

一方、当社はカナダドルベースで日本から輸入および販売しておりますので販売先への価格は一定しており、特にアメリカ製品に対する価格競争力で優位になっています。もちろん、為替は変動するので逆も然りですが、現在の為替状況は直近の強みの一つです。

(丸山)御社はこれからどのようなことに力を入れていきたいとお考えですか。

(織田氏)カナダでは、歯科関連事業の売上げが8割を占め、創業当初からの理美容機器事業の売上げが2割程度なので、何とか理美容機器事業を回復させて市場シェアを挽回したいです。

そのためには、製品の質、サービスの質を維持しながら価格をいかに下げるかという点が課題です。当社は販売拠点だけでなく製造拠点も海外に進出しているので、価格と品質のバランスのとれたものを提供できるように、取り組んでいます。

(丸山)織田さんのご経歴についてお伺いしてもよろしいですか。

(織田氏)20代前半に、当時勤めていた会社の研修制度でアメリカのテキサスに一年間滞在しました。社会人になって以来、貿易に関わる事業に携わっており、タカラベルモントに入社してからは、大阪本社の海外営業部でヨーロッパ、中近東、アフリカを担当しておりました。

出張で海外の様々な場所に行きましたが、今回初めて、駐在員として2014年10月にトロントに赴任し、現在に至ります。

(丸山)これまでの海外でのご経験を通じ、どのようなプロジェクトが印象に残っていますか。

(織田氏)イランのプロジェクトが印象に残っています。イランで最高峰と言われるテヘラン大学歯学部の新校舎建設にあたり、歯科用椅子を国際入札で購入するというプロジェクトで、イランの代理店と組み、絶対に落札してもらおうと奮闘しました。

自動車ほど高額ではありませんが、一台あたり数百万もする椅子を80台とレントゲン機器を最終落札することができ、納品にこぎつけました。

イランはアメリカから経済制裁を受けてドル決済ができないので、ユーロで決済すべくドイツの銀行を経て信用状を発行してもらったのですが、ドイツにもアメリカからの圧力がかかり、結局受け入れてもらえず当該信用状はキャンセルされてしまいました。

唯一、東京三菱銀行が日本円だったら対応するということで、再度、円建ての信用状を発行してもらいました。商品をイランへ輸出する輸送ルートを見つけるのも大変で、何とか、UAEのドバイで積み換えられるルートを見つけ、輸出しました。

一つ一つの作業が大変でしたが、何とか納品して成功に終わることが出来て、良かったです。

(丸山)カナダの印象はいかがですか。

(織田氏)ビジネスにおいては、カナダとアメリカは隣同士でありながら、カナダの方達は、アメリカとは違うんだというこだわりを持っているように感じます。そのため、カナダでビジネスを展開するにあたって、アメリカと同じような商売のやり方ではなく、別の切り口で進めた方が良いと思っています。

カナダにある日系企業はアメリカ法人の支店として見られることが多いのですが、当社は、アメリカと切り離した別の国の別の法人として活動しています。

カナダ、特にトロントは、よく言われている通り、マルチカルチャーでモザイクシティですよね。テキサスにいた当時は、黒人、中南米の方々の地位が低いという印象でした。私に対しても、あからさまではありませんでしたが、やはり白人とは違う扱いを受けていると感じた事は少なからずありました。

トロントでは、人種、宗教を問わず移民の方が非常に多く、当時のテキサスで感じた違和感を感じることは今のところないですね。当社にも、中南米、東欧、アジアそれぞれ3、4カ国ずつ、合計10カ国以上の異なる国出身の社員がおり、多文化国家カナダの縮図のようです。

このように背景がばらばらでも、当社はアットホームな雰囲気で仕事をすすめられるように心掛けているので、居心地が良いのか社歴が長い方が多いです。40年近く勤められている方もいて、30年以上の方も8名おります。

(丸山)織田さんご自身がお仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことですか。

(織田氏)当社の社訓の通り、「お客様を大切に、世界は一つ、頭を使え、足を使え、根性を持て」を実践しております。極めて単純なことですが、仕事をする上で、とても大切にしています。

また、カナダの社員に対しては、赴任した初日に、「Keep smiling、コミュニケーションを大切に、何でもディスカッションをして決めましょう」と伝えました。

(丸山)それでは、プライベートなこともお伺いしたいと思いますが、好きなスポーツやご趣味について教えていただけますか。

(織田氏)スキーが好きなので、カナダでスキーするのを楽しみにしておりましたが、去年の10月にカナダに赴任し、初めて経験したカナダの冬があまりに寒くて、足が向きませんでした(笑)。

冬の休日は、料理と読書等をして過ごしました。夏に妻が来るまでの間は高校生の息子と2人の父子家庭なので、料理はしなければいけないのですが、家事としてではなく、趣味として料理を楽しんでいます。


トロントも暖かくなり、日本にいた頃からしていたテニスを始めたいと思っています。また、商工会主催の懇親会でお会いする駐在員の方はゴルフをされている方が多いようなので、是非、ゴルフを始めようかとも思っています。

(丸山)最後になりますが、商工会会員へメッセージをいただけますか。

(織田氏)商工会には、経済情報を共有していただいたり、懇親会等、日本人同士の交流の場を提供いただいて、感謝しています。また、子供も補習校でお世話になっています。

これからも商工会の様々な活動に積極的に参加し、日系コミュニティの方々とのつながりを築き、できる限り日系コミュニティに貢献していきたいと思っております。

(丸山)インタビューは以上となります。本日はお時間を頂きましてありがとうございました。








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