「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第113回> 
NTN Bearing Corporation of Canada Limited.
山崎 晴久 Vice President


Mississauga(ミシサガ)にあるNTN Bearing Corporation of Canada の山崎副社長にインタビューをして参りました。様々な機械に組み込まれている陰の主役、ベアリングについて、スライドを使いとても分かり易くご説明いただきました。カナダ赴任歴が通算で約10年になる山崎副社長の様々なご経験やご趣味についてもお話しいただきました。


(丸山)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(山崎氏)NTN Bearing Corporation of Canada は、販売と製造が一体となった会社であり、建設機械、工作機械等の産業機械向けと自動車メーカー及び自動車関連メーカー向け軸受(ベアリング)を販売、製造しています。お客様からの要求に応え、日本の設計部隊で開発した軸受を、このカナダで製造、販売しています(産業機械向けは、主に米国、日本で製造)。自動車メーカーさんからのモデルチェンジに併せ、新規開発設計(生産ライン改造)をすることもあります。

我が社は、1973年3月、このMississauga に北米向けのベアリング生産工場として設立し、創業40年を超える歴史があります。当時、日本からカナダに進出した他の企業に先駆けて、北米自動車の拠点であるデトロイトにも利便性が良く、物価を含めコスト的にも魅力的であるカナダに目を付け、設立しました。工場の総敷地面積は、61,500 ㎡、建屋面積は25,000 ㎡ あります。

1994年に第1次増築、2004年に第2次として建蔽率一杯までの増築を行い、現在に至っています。現在、工場は3シフトの24時間で生産稼動しています。

従業員は160名います。 他企業に比べ教育福利厚生が良く、組合(USW)へも加入しており従業員にとって条件が良いこともあり、平均勤続年数は10年です。ベテランの従業員が多いため、教育はしやすいですね。

我が社は、NTN グループとして世界に営業拠点が72箇所、製造拠点が69箇所、技術センターが16拠点あります。全従業員は21,000 人に上ります。本社は、日本の大阪にあり、北米地区の本社はイリノイ州シカゴにあります。

北米の製造拠点は11箇所あり、カナダでは当社の1箇所のみで、その他はアメリカにあります。他の製造拠点は、ヨーロッパに12拠点、中国に9拠点、日本に23拠点、中南米にも拠点があります。現在、メキシコに工場を新築しており、2015年に生産開始予定です。


(丸山)御社で取り扱われているベアリングについてご説明いただけますか。

(山崎氏)ベアリングとは、回転するものには必ず付いている部品で、回転している部分の摩擦を減らし、運動をなめらかにする役割があります。ここカナダで生産しているベアリングの95%は自動車向けです。

外径寸法が35 mm から75 mm あるボールベアリングは、1973年創業当初から製造しており、現在、月産260万個生産しています。ミクロン単位で管理しており、非常に精密な品を製造しています。用途としては、自動車のオルタネータ、タイミングベルトプーリー、ファンドライブ等のエンジン内部、トランスミッション等に我が社のベアリングが組み込まれています。主に、Tier 1の北米自動車メーカーが主なお客様で納入しています。

2004年に工場を増築した際、アンギュラーユニットベアリングの製造を開始しました。外径寸法が98 mm あるこのベアリングは、ハブベアリングとしてタイヤ内側のホイル手前に組み込まれ、駆動部を補助する役割があります。

毎月の生産量は約20万個です。Honda Civic につきましては、100% 我が社のベアリングが使われています。その他の納入先は、北米日産及びダイムラー、クライスラーのTier1メーカーです。

2010年に弊社アメリカ工場から生産移管された外径寸法13 mm のロッカーアームと言うベアリングは、月産130万個生産しています。このベアリングは、エンジンの吸排気バルブに組み込まれているベアリングです。北米ホンダ のCRV、アコード V6 、Civic に組込まれています。ホンダアメリカのTire1メーカーに納入しています。

(丸山)御社が特に強みだと思われるのはどのような点でしょうか。

(山崎氏)現地生産にて、技術と製品をお客様に提供していく事が私たちの強みです。自動車メーカーは、益々、コスト低減と現地調達を要求しております。カナダの経済環境もここ数年で大きく変わり、厳しい状況下ですが、北米のお客様に喜んで頂ける製品を生産、供給していきたいと思います。

(丸山)御社が今後力を入れて進めていきたいことはどのようなことですか。

(山崎氏)NTN グループ全体としては、アウターマーケット事業の拡大、新規商品、最先端技術の開発、自動車のみならず産業機械向けベアリングの製造販売に力を入れています。特にカナダは石油パルプ産業が盛んですので、Mississauga 工場から車で10分のところにあるセールス本社では、製紙・石油などの産業機械向けベアリングの営業にも注力しています。

私たち製造部門では、自動車メーカーさんにより良いものを安く速く納入し顧客満足度を高めることに力を入れています。また、内部的には現地人の育成が一番の課題となっています。日本から出向しているエンジニアは私を含め3名ですが、将来的を担う現地人エンジニアを育成することが私の役割です。

(丸山)それでは、山崎さんのご経歴についてお伺いしてもよろしいですか。

(山崎氏)出身は静岡県掛川市です。サッカー Jリーグのジュビロ磐田で有名な磐田市の隣りの市です。1981年にNTN Bearing に入社し、磐田製作所の製造部門に勤務しておりました。

現場の作業者からスタートし、エンジニアとして生産技術、現場係長に携わりました。その後、管理職を経て2002年から2007年まで、このカナダ(ミシサガ) 工場に赴任し、工場の増築と同時に新規アンギュラーユニットベアリングの設備導入、生産立ち上げ、現地人への教育を実施しました。

当時、真冬で建屋がまだ完成できていない中(外で業務をしている状況)、設備の搬入、設置を行い、客先納期に間に合わせる為に徹夜もして対応しました。非常に厳しかったですが、良い経験になります。その後、2007年12月、静岡県の磐田製作所に戻って、再度、2010年1月に2度目となるカナダ工場勤務を命じられ、現在に至ります。

(丸山)2010年に戻ってきた時に変化はありましたか。

(山崎氏)当時は、リーマンショックの影響で相当数の従業員が解雇され工場も週3日稼動になっていました。久し振りに再会した従業員たちは、表情が暗くやる気力も失っているような状況でした。

2010年3月より、ロッカーアームという新しい事業が弊社アメリカ工場から生産移管され、生産を立ち上げる大事な時であり、現地従業員のみんなを励ましてどうにか活気を戻す事ができました。

その後、2011年には東日本大震災があり、世界的に自動車の需要が落ち、我が社のベアリングの生産量も落ちました。それが復活する時期に今度はタイでの洪水があり、主要客先であるHonda さんの需要が落ち、私達も大きなダメージを受けました。更に、2013年の円高の影響を受け、当社を取り巻く経営環境は厳しい状況が続きました。

このような状況の為、私のカナダ2回目の赴任はずっと厳しく、大変でした。漸く、昨年の後半から落ち着いてきまして、2015年1月でカナダ滞在は5年目になります。

(丸山)様々なご苦労を乗り越えてこられたのですね。それでは、山崎さんご自身がお仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことですか。

(山崎氏)どこで仕事をするにしても、コミュニケーションと対話を大切にしています。「対話こそ人間の特権である。それは人間を隔てるあらゆる障害を越え、心を結び世界を結び最強の絆となる」という、私の人生の師匠の言葉を手帳に書き込んでおり、大切にしています。

特にカナダは移民の国ですから、色々な国出身の従業員がいます。弊社では、ポーランド系20%、インド系20%、中国・アジア系35%、南米が数%となっており、多民族です。文化も考え方も違いますが、日本人であれ現地の人であれ、対話をしてコミュニケーションを良くする事が大切です。そこで、当然の事ですが、毎朝、現場を回って挨拶をしています。

最近は、出張、会議等で不在にし、翌日現場に行くと、どうして昨日は来なかったんだ、と皆が言ってくれる様になっています。これは一番重要で大事な事であると感じます。今後、どこの国、職場に行ってもこれからもずっと続けていきたいと思っています。

私がこちらに最初に赴任する2002年までは会社と組合(ユニオン)との関係があまり良くなかったようですが…対話、会話を重視しユニオンとのコミュニケーションを大切にしてきました。実際にもの(製品)を現場で造ってくれている現場の人達と対話し、信頼関係を築き、もの造りをしていくのが私のモットーです。

(丸山)御社の平均勤続年数が長いのも納得です。それでは、プライベートなこともお伺いしたいと思いますが、好きなスポーツやご趣味について教えていただけますか。

(山崎氏)子供の頃から野球をして育ちました。甲子園は憧れで終わりましたが、野球ばかりしていました。高校ではセカンドで3番、社会人になってからは会社の野球チームにも入りました。東京ドームで行われた全日本産業別の大会では、選手として、また、監督として参加した経験があります。非常に良い思い出です。

カナダでは、3年前に会社のソフトボール大会に出場したのですが、久し振りで思い通りに体が動かず、年齢を感じました(笑) 。トロントにはブルージェイズがあるので、日本から出張者が来る際は一緒に試合観戦に行ったり、家内と日本人選手のいるチームが来る時等、年に3、4 回は野球観戦に行っています。日本のプロ野球と違って、大リーグは迫力があります。スタジアムまでも近いし、トロントに赴任できてラッキーだなと思います。

(丸山)長いカナダ滞在中に旅行されたところはありますか。

(山崎氏)Banff への旅行がとても印象に残っています。Banff へは4、5 回行きましたが、何回行っても感動しますね。特にBanff の広大な山が素晴らしいです。野生の動物に出会えるのも感動的です。妻がBanff が大好きで、毎年行きたい、住みたいとまで言っています。

また、日本に帰る前に、一度はオーロラを観に行きたいと思っています。これまで、異常事態が重なって、土日も含め満足に休暇が取れなかったので、残り少ないカナダ滞在中にカナダを満喫したいと思っています。


 
 日本から連れてきた愛犬バンビ (柴犬)

(丸山)それでは、最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願いします。

(山崎氏)トロントは各国の食事が体験でき、とても美味しいので、是非、会員の皆様もレストラン巡りされる事をお勧めします。会社の出張で、シカゴ、デトロイトに行きますが、食事は美味しくありません。カナダの中華、韓国、イタリアン等は本当に美味しいと感じます。

妻とMississauga近郊で(ダウンタウンに行かなくても・・・)色々なレストラン巡りをする事も楽しみの一つですので、皆さんもトライしてみては。尚、Mississaugaの外れDundasとDixie Street にある「Tofu」という韓国レストランは、色々な種類の本格的韓国料理がお手頃価格で堪能できますので、お勧めです。

(丸山)是非、行ってみたいです。インタビューは以上となります。本日はお時間を頂きまして、どうも有り難うございました。









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