「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第111回> 
Kuriyama Canada, Inc.
武田 真幸 Vice President/ Executive Coordinator


2014年6月に着任されたKuriyama Canada, Inc.の武田副社長にインタビューをして参りました。オフィスと工場はトロントから南西へ車で1時間半のBrantfordにあります。インタビュー中に様々な種類の製品サンプルをお見せ頂き、日常生活に欠かせないホースの用途ごとの違い、業界内トップシェアを誇るKuriyama Canada 独自開発の製品についてご説明頂きました。また、これまでのアメリカと上海駐在時のお話やプライベートについてもお伺いしました。


(丸山)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(武田氏)Kuriyama Canada グループは熱可塑性樹脂ホースの製造販売を事業としております。Brantford には製造工場であるKuriyama Canada, Inc.とKuri Tec Corporationという販売会社があり、Guelph にもう1つAccuflex Industrial Hose Ltd.という名の製造工場があります。

従業員は各製造工場に約65名ずつと販売会社に約20名在籍しており、合計約150名です。

主力製品として、ファーストフード店の飲料サーバーのホースなどを扱っておりまして、ペプシコーラは90%、コカコーラは10%のシェアを占めており、飲料業界全体では50%以上のシェアを占めています。

飲料サーバーホースのみならず、プロパンガス用のホース、農業の灌漑に利用するポンプのホース、車を修理するエアツール用ホース、トラックのブレーキにエアを送り込むためのホース、工場の水や作動油を通すホースなど、お客様の業種は幅広く、ホースなら何でも取り扱っておりますのが Kuriyama Canadaグループです。

1984年9月に設立し今年30周年を迎えました。日本の本社も75周年で、記念式典を2回開催しました。CEOからの祝辞があり、従業員にはランチを振る舞い景品も配布しまして、大いに盛り上がりました。

(丸山)記念すべき年に赴任されたのですね。設立30周年、おめでとうございます。では、御社で開発された製品についてご説明頂けますか。

(武田氏)従来、ホースは、水を押し出す用途のものと吸う用途のものとに分かれていました。押し出し用のホースには水圧でホースが破裂しないようにホース内部が糸で補強され、吸い上げるホースには吸引力に耐えられるようにホース内部に螺旋状にワイヤーが装着されています。

そこで、押し出しと吸引の両方に対応できるホースを数年前に開発し、市場で非常に好評です。

飲料サーバー用ホースについては、お客様の要求に応じて、飲み物ごとに色分けしたチューブを受注生産します。

ビールのホースは、冷たい温度に保てるよう特殊加工されています。グリル用のプロパンガスのホースについては、通常の透過性のあるホースではガスが漏れてしまうので、プロパンガスが抜けないように特殊な樹脂を内層に使用したものを開発し、付加価値のある商品として出回るようになりました。

タイヤがパンクした時に利用するエアホースについては、従来の樹脂で作られたものは寒いと硬化していくので、それを防止するために高分子の樹脂を使った柔軟性の高いホースを数年前に開発しました。マイナス40度でも作業のできる耐寒性の高い特殊製品です。

(丸山)御社が特に強みだと思われるのはどのような点でしょうか。

(武田氏)30年間で蓄積したノウハウです。ペプシコーラとコカコーラから指定されている飲料用ホースはクリヤマともう1社のみでして、これは弊社製品の品質の高さを証明していると思います。

(丸山)御社が今後力を入れて進めていきたいことはどのようなことですか。

(武田氏)マーケティング、市場調査に力を入れ、今まで無かった新製品を開発する事です。従来のPVC (ポリ塩化ビニル) をベースに内層や外層にTPU(ポリウレタン)を使用し耐磨耗性、耐薬品性のあるホースを開発しましたが、更なる耐久性や耐候性のあるホースを作ろうと研究開発しているところです。

(丸山)御社で研究開発された製品は日本でも取り扱われていますか。

(武田氏)日本の本社ではホースはほとんど扱っておりません。ホースは主に北米で製造販売しております。40年前は日本の本社がホースの代理店として日本から北米に輸出していたのですが、それを業務移管し北米で成功しました。現在、日本本社では建築資材や産業用部材、またスポーツ用床材等を主に扱っております。

(丸山)それでは、武田さんのご経歴についてお伺いしてもよろしいですか。

(武田氏)京都府京都市の出身で、大学卒業前にアメリカに留学し卒業後にクリヤマに就職しました。3年半ほど営業を担当した後、研修生として渡米し2年後に出向社員として着任しました。アメリカには合計8年半ほど滞在しました。

その後上海に3年赴任し、上海から直接カナダへ赴任しました。もう10年以上日本を離れています。

(丸山)8年半も滞在されたアメリカと比較しカナダの印象はどうですか。

(武田氏)イリノイ州のシャンバーグに6年半、インディアナ州に2年ほど滞在したのですが、ここオンタリオ州と気候が似ていますね。インディアナ州の田舎の方に滞在しており保守的な印象を受けましたので、カナダの方がより移民に寛容でフレンドリーであると感じます。

最近もガソリンスタンドで気さくに話しかけられましたし、家内も子供を連れて公園にいたら、ご近所の人に声をかけられ、Early Years Centre という小さな子供をdrop-inで預けられる施設にお誘い頂きました。これを機に人と触れ合う交流の機会が増え、私よりも友人を多く作り楽しんでいるようです。

カナダは人口も少なく市場を大きくしたいという意識があり、移民を多く受け入れようという姿勢ですよね。アメリカでは移民1世2世の方はほとんどお見かけしませんでしたが、カナダでは多いですね。

アメリカのイリノイ州滞在時は、ミツワと言う北米最大の日系スーパーがあり、日本人も多く住み易かったのですが、ここBrantford に赴任してからは少し不便に感じています。週末は妻とHamiltonまで日系食品を買いに出掛けています。

(丸山)上海ご駐在の際はどのような体験をされましたか。

(武田氏)北米の商品を上海で広める目的で赴任しました。中国の安価な製品を輸出販売するのとは全く逆で、北米の付加価値のある高価な製品を、運賃と税金を支払い中国へ輸入し販売するというプロジェクトに一 から携わりました。

上海では、杯を交わしお酒を飲む付き合いをしながらの営業をしておりましたので、苦労も多かったですが、幸い3 年の赴任中に販路を見出すことができました。上海での主な納入先は、政府関連や特殊車両メーカー等です。

 
 中国で販売した特殊車両向けホース


バキュームカーや消防車用の8-10インチの口径の大きい吸引ホースで水害時に水を吸い上げ搬送する等の用途に利用されておりましたが、従来使用していた韓国製のものは、内径のサイズが不正確であったり、吸引時にホースがつぶれるなど品質に困っていたところ、我々の製品を評価して頂き購入頂く様になりました。


(丸山)武田さんご自身がお仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことですか。

(武田氏)従業員の話に耳を傾けることです。将来的に会社をこうしたいというビジョンが先走ると押し付けがましくなります。30周年を迎えられたのも、歴代の赴任者が現地の人と協力関係を保ってきたからです。

現地の人がどういう状況にあって、彼らが何を求めているのかをまずよく聞いて把握しながら、自分の思っていることへどう近づけるか歩み寄りながら、模索しております。海外では言葉、哲学や文化が違いますので、コミュニケーションを大事にしています。

(丸山)それでは、プライベートなこともお伺いしたいと思いますが、休日はどのように過ごされていますか。

(武田氏)音楽鑑賞が好きです。ハードロックが好きで、アメリカ赴任時はよくコンサートに行っていました。カナダに赴任してからは、8月に、私の好きなバンド、Mötley Crüe の解散コンサートに行きました。

 
 Mötley Crüe 解散コンサート時に購入したTシャツ

Molson Canadian Amphitheatre という湖の近くの野外ステージで開催され、炎が飛び交い大盛り上がりでした。これまでにも彼らのコンサートは日本やアメリカで5、6 回ほど観に行きましたが、その中でも印象に残るコンサートでした。

また、休日は妻と子供との時間を大切にしています。娘は16ヶ月で最近歩き始めたのでまだ外へは行けませんが、カナダは住環境が良いので、家の中で遊んだり、庭で遊ばせたりしています。カナダは自然も豊かで子育てには良い環境ですね。

上海赴任時は空気があまり綺麗ではなく、食べ物も信頼できないところがあり、妻は上海で妊娠したので日本へ帰らせました。単身赴任で寂しい時にカナダへの赴任が決まり、良かったです。

今までは第一線の営業マンでしたが、製造の中心である北米に戻り経営管理に携われて嬉しいです。アメリカは販売がメインでしたが、カナダは製造と研究開発をメインとしており、ものづくりを一から勉強できる良い機会に恵まれました。

(丸山)カナダ滞在中に旅行されたいところはありますか。

(武田氏)カナダは見所がたくさんあり、行かれたことがある方にお薦め頂きたいです。モントリオール、カナディアンロッキー、PEI、ハリファックス等に行ってみたいです。

娘がもう少し大きくなるまでは、まず近場のSt. Jacobsファーマーズマーケットに行ってみたいですね。美味しいチーズやハムを堪能し、家具を見て回りたいです。

(丸山)それでは、最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願いします。

(武田氏)Brantford はトロント中心部から遠いので、商工会のイベントをBrantford 近辺でも開催して頂き、会員の方々と交流を深めたいです。Brantford 周辺ですと、トヨテツさん、ニチリンさん、ミウラカナダさんがいらっしゃるので、商工会さんがご支援頂きましてBrantford 会を企画して頂けたら嬉しいですね。

(丸山)是非検討させて頂きます。インタビューは以上となります。本日はお時間を頂きまして、どうも有り難うございました。





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