「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー

<第110回> 
SHOWA CANADA Inc.
池内 和美 Executive Vice President


SHOWA CANADA Inc.の池内氏にインタビューをして参りました。所在地は、トロント中心部から北西に車で1時間程のSchombergです。前任の代表者の方へのインタビューから3年が経過し、2014年4月に赴任された池内氏に、製品のグローバル展開、中国赴任時のご経験、様々なご趣味についてお伺いしました。


(丸山)事業内容のご紹介をお願いします。

(池内氏)SHOWA CANADA Inc.は株式会社ショーワの100%子会社として1998年に設立しました。四輪自動車部品の製造販売を事業としております。プロペラシャフトと、Electric Power Steering (EPS)という電動式パワーステアリングの2つが主な製品です。

主なお客様はホンダカナダ様です。このほかアメリカ、メキシコ、UKのホンダ様、アメリカの三菱様、Chrysler様へも納入させていただいております。弊社の海外拠点は、北米地区5拠点、UK1拠点、南米2拠点、アジア8拠点、中国5拠点、10カ国に合計21拠点ございます。

弊社北米営業拠点はアメリカンショーワに有りそちらで日本営業と連携をとって営業活動をしています。SHOWA CANADAでは素材や部品の購買、加工から組立までの生産活動、お客様への納入までを行っています。社員数は約300名で、日本人駐在員は3名です。

(丸山)前回に取材した2011年から、変化はありますか。

(池内氏)事業内容に特に大きな変化点はございません。強いてあげれば2011年は現在の電動式パワーステアリングラインが立ち上がった時期です。立上げ時のさまざまな問題点はあったのですが、歴代の駐在員や日本からの技術支援、こちらのスタッフの地道な努力が実を結んでいるのがここ最近の状況だと思います。

特にお客様に対しての品質とデリバリー面では、ほぼクレームゼロを継続できています。生産活動の安定が前回取材をいただいた時からの大きな変化と言えると思います。

(丸山)製品についてご説明いただけますか。

(池内氏)プロペラシャフトは、主に4WD車に使用されており自動車のエンジンから発生した駆動力を駆動軸に伝達する役割を持っています。パワーステアリングは、ステアリングの操作を補助し軽くて安全に快適な運転を実現する役割を担っています。自動車の基本機能としての「曲がる」機能を担っているのがステアリングシステムです。

(丸山)カナダは自動車産業が盛んですが、御社の強みはどちらにあると思われますか。

(池内氏) 一番の強みはグローバル展開です。海外21の生産拠点と日本のマザー工場、開発や営業購買等の機能本部が連携し、それぞれの国と地域のお客様にタイムリーにそしてニーズに合った商品をお届けできる体制をとっています。そして現地生産によりお客様により良いサービスを提供する事ができます。

部品調達については現地調達化が進んでおり、プロペラシャフトの素材や部品はローカルサプライヤーからの現地調達がほとんどです。更にタイの購買センター、中国、日本などからも幅広く調達しています。このようなグローバル調達を組み合わせることにより購買ルートの選択肢を増やす事が出来ます。原価の低減や為替、自然災害リスクの回避等に効果的です。

製品の独特の構造と精度の高さもショーワの強みです。プロペラシャフトについては、摩擦圧接を採用することにより、強度と耐久性の向上、部品点数の削減およびコストの低減を実現しています。軽量化、低振動化が図られており、北米ではホンダ様のみならずChrysler様にも納入させて頂いています。

ステアリングにつきましては、従来は油圧式パワーステアリングが主流でしたが、自動車業界の省エネルギーニーズに配慮し電動式パワーステアリング(EPS) の開発、生産をいち早く実施してまいりました。

1997年に、中・大型普通乗用車向けにラックアシスト式電動パワーステアリングを世界に先駆け上市しました。その後、中、小型車向けのピニオンアシスト式電動パワーステアリングも商品ラインナップに加えて主力商品となっております。

油圧式から進化した点としてECUと呼ばれるコントロールユニットを介しさまざまな制御できるようになりました。ユーザーの好みや安全性を考慮した快適な操作フィーリングの提供、更には自動車に取付られている様々なセンサーと連動してこれまで無かった機能が盛り込めるようになりました。

ハイウェイで走行レーンをキープしてくれる機能(レーンキープアシスト)や、車庫入れを自動、半自動でアシストしてくれる(パーキングアシスト)機能などがあり今後ますます進化してゆくと考えています。そしてこれらの機能の実現を弊社のEPSも担っています。

(丸山)御社がこれから力を入れていきたいことはどのようなことでしょうか。

(池内氏)ここ最近北米の自動車産業は堅調な成長を遂げていると判断しています。完成車メーカーも多く車種も多彩です。このようなお客様に私たちショーワ製品の良さを知っていただき市場を拡大してゆく事が課題であり、力を入れています。

SHOWA CANADAでもいくつか新規のお引き合いをいただいております。原価の低減や仕様の提案等を積極的に行いビジネスチャンスを広げていきたいと考えています。

(丸山)それでは、池内さんのご経歴についてもお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらですか。

(池内氏)出身は静岡県の御殿場市です。富士山と箱根に挟まれた御殿場で、地元の幼稚園から地元の高校を卒業しました。1985年にショーワ御殿場工場に入社し、パワーステアリングの組立課で組立作業を担当してきました。

その後、班長、係長と経験を積ませていただき、イギリス、ベトナム、中国に作業指導や新規生産ラインの立上げ業務のため海外支援に行くようになりました。2007年から2013年までは中国の武漢市に赴任しておりました。武漢市は、上海から西へ1,000キロ程の所で、上海と四川のほぼ中間、長江の河沿いに位置します。

赴任当時の武漢は日本人にとっては便利な環境とは言い難く言葉もわからず慣れない中国語で日常生活をしていました。帰任後、御殿場工場に1年務めさせていただき今年の4月からのカナダに赴任しました。

(丸山)中国と比較しカナダの印象はどうですか。

(池内氏)カナダは、文化と経済が成熟しているという印象です。従業員ほとんどが自動車を所持し一人一人が経済的に自立できていますね。週末はコテージへ行ったり家族で楽しんだりして人生を楽しんでいる印象です。

中国では工場立ち上げと同時に赴任したので、衛生指導に始まり、現場での勤務管理、始業点検から定例作業に至るまで手順通りに業務を進めるためのマニュアル作りと教育から始めました。

このカナダでは既にできあがっていたマニュアルやマネージメントシステムを更に進化させていく事が重要だと思っています。現状維持では競合他社や新興国にいずれ遅れをとることになりかねません。こちらの皆さまは、たいへん理論的でまた素直な一面がありますのでこれらの課題もきっと乗り越えていけると信じています。


(丸山)これまで印象に残っているプロジェクトはありますか。

(池内氏)先程少し触れましたが中国では工場の立ち上時の量産開始から赴任したので、とても印象に残っています。滞在中に、四川の大地震、リーマンショックによる影響、東日本大震災、タイの洪水などがありました。

追い討ちをかけるように、尖閣諸島問題をきっかけにした日本製品非買運動が発生し、一時的に売上げがゼロになりました。この時はドキドキしましたね。

当時は、仲の良い現地の社員から、どこどこはデモで危ないから気を付けろ、この日は家から出るな、買い物をしたければ代わりに届けてあげる、という内容の電話やメールを多く受信し、本当に助けられました。幸い弊社は無事でしたが近隣の日系企業ではストライキや破壊活動の被害を受けたところもありました。

売上が無い時に製品在庫を抱える事はできませんから当然生産休止となってしまいます。先行きの見えない中で従業員の雇用が成立するのか、それとも何か手を打つべきなのか、本当に悩みました。
お客様からの情報、中国人パートナーからの情報、同じサプライヤーの横のつながりからできるだけ多くの情報を収集する事に努めました。そしていただいた情報を整理してゆくと生産の回復と従業員の雇用の確保ができる見通しをたてる事ができました。

この時情報を送って頂いた皆様や辛抱強く我慢をしていただいた従業員の皆さまには本当に感謝しています。

(丸山)海外赴任中に様々な災害があり、数々のご苦労を乗り越えられたのですね。そういったご経験から、池内さんがお仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことでしょうか。

(池内氏)私たちは製造業ですから、今持っている技術を積み上げながら、世の中の変化に臨機応変に対応することが大切だと思います。

状況が激しく変化する中で、それを見極めてすばやく対応しさまざまな技術やノウハウを取り込み、先のビジネスに生かすことができるかどうか。電動パワーステアリングを例にとっても、開発に着手後、速やかに量産に移行できるかどうかで、次の仕事が貰えるかが決まりますから。

(丸山)イギリスやベトナムでの海外支援、中国やカナダでの海外赴任を経験され、文化や習慣の違う中で気を付けていることはありますか。

(池内氏)ショーワフィロソフィーの基本理念である人間尊重に基づいての会社運営に心がけています。日本や中国、カナダで、お客様やお取引先、従業員の国民性は違いますが、我々の基本理念である、信頼・平等・自立の理念は変わりません。人種、経歴、スキルに関係なく平等に接するようにしています。

従業員がスキルアップし自立してゆくことで、ショーワ自体も成長します。言葉や習慣が違っても、コミュニケーションをとり理解をしあえるように努めたいですね。

(丸山)それでは、プライベートについてもお伺いしたいと思いますが、好きなスポーツやご趣味はございますか。

(池内氏)スポーツは、中学、高校と剣道をやっておりました。社会人になってからは、スキーやオートバイが趣味でした。その後、会社の野球同好会に所属していた時期もありました。

カナダに来る直前は、ボーリング同好会発足と同時に参加し定例会や練習をしてまいりました。最近ではカナダ赴任をきっかけにゴルフを始めました。ゴルフは楽しいですね。緑のきれいなカナダのゴルフ場でドライバーが当たると思わずしびれてしまいます。


それから、一番の趣味は魚釣りです。川、湖、海、さまざまなジャンルの釣りをこれまでやってきました。赴任先は変わってもその土地で釣れる魚を釣っています。

 
 中国武漢市で釣った草魚

中国では、大きなソウギョ、レンギョ、アオウオなどを釣っていました。アオウオは、日本では幻の魚と呼ばれており青黒い鯉に似た大きな魚です。午前中は魚釣りをして、釣れた魚を仲間と一緒に持ち帰って、レストランで調理してもらい、みんなでお酒を飲んで楽しみました。



カナダでは主にフライフィッシングをやっています。フライと呼ばれる毛鉤を使った釣り方です。ここオンタリオは魚の種類も豊富で面白いですね。ブラウントラウトやブルックトラウト、サーモンなどを釣って楽しんでいます。

(丸山)4月にカナダに赴任されてから、充実したカナダライフを送られていますね。今後カナダで行ってみたい場所はありますか。

(池内氏)今年は近場ばかりでしたからもう少し足をのばしてケベック州やカナディアンロッキーに行ってみたいです。カナダ西海岸で雄大な山脈をバックに魚釣りもしてみたいですね。

(丸山)最後になりましたが、商工会会員へメッセージをお願いします。

(池内氏)トロント日本商工会は常に活発に活動されているので心強く感じています。先日、最近赴任した会員を対象にした懇親会に参加させていただきました。私はダウンタウンから離れたところに住んでいるので会員の皆さまと知り合いになる貴重な機会を与えていただきました。

トロントは日本人が多く、ワーキングホリデーを利用し来られている方も多いですよね。
北米は堅調な追い風を感じますので、会員の皆さまとの情報交換をしたり、時には力を合わせ、ここトロント発で日本を元気にしていけたらいいなと思っています。商工会には、多くの情報を発信してもらえるよう期待しています。これからも宜しくお願いします。

(丸山)ご期待に応えられるよう頑張ります。インタビューは以上となります。本日はお時間を頂きまして、ありがとうございました。



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