わたしのとっておきのお店


ハンガリーの記憶
Rhapsody Continental Cuisine



在トロント日本国総領事館 市川 秀隆



- また一つ老舗が閉店 -

今年の9月1週目、新聞の片隅に載っていた、よくある閉店の記事。見つけた瞬間は気にも留めなかったものですが、よく見ると“あの”ヨークビルのMill Caféではないか!

もっとも最初に行った時は普通のカフェだと思っていて、実は、そこがハンガリー関係だと気付いたのはずっと後になってからの事でした。

ハンガリー移民は世界中に散らばっていますが、カナダは米国に次いで世界で2番目の規模であり、約15万人がオンタリオ州に、そのうち5万人がトロントに住むと言われています。移民の契機は、第一波が第一次世界大戦、第二波が1956年のハンガリー動乱で、ここトロントにも1960年代頃はブロア周辺に多くのハンガリー系の店が軒を連ねていたようです。

Mill Caféもその一つでしたが、店主が高齢により引退するため閉店となったようです。閉店後、店の前には「私たちは人生の次章に移ることにした。51年間ありがとう。」との貼り紙が出ていました。

2年前にはトロントのハンガリー人の拠り所であったハンガリーハウスも閉鎖され、ここ数年で市内中心部からハンガリーの記憶が薄れつつあるように感じられます。

残念ではありますが、Mill Café閉店後もハンガリー料理を味わえる店をということで、トロント郊外はリッチモンドヒルの坂の上にあるRhapsody Continental Cuisineをご紹介します。

そもそも、なぜハンガリーなのか?昔旅行で行ったことがあること、近所のハンガリー系カナダ人から紹介されたこと、それともう一つ理由がありますが、まずはこちらをご覧ください。







店内は、絵画と絵皿そしてハンガリー刺繍の施されたテーブルクロスで伝統的な雰囲気を出しています。














ハンガリー料理といえばまずグヤーシュ。ボグラーチ(釜)で出てくる本格的な窯煮タイプで、これはブダペストでもお目にかかることがなかったもの。これで冬場は体が温まります










続いてサワークリームの乗ったロールキャベツ。ハンガリー料理は肉、パプリカ、キャベツの組み合わせからなるものが多く、事実ブダペスト中央市場はサラミとパプリカ、トカイワインで埋め尽くされていましたが、とかく肉料理が中心なイメージがあります。






残念ながら今回は満腹でデザート、ワインは次回にお預けですが、毎週金、土曜日の夜は民族音楽の演奏もあるようなので、できれば甘いトカイワインを飲みながら聞きたいものです。

ところでハンガリーに関心を持つもう一つの理由ですが、この間オフィスに新しく入った女性がハンガリー人だった、実は身近なところにハンガリーが存在するんだ!という落ちでありました。


RHAPSODY CONTINENTAL CUISINE
10152 Yonge Street, Richmond Hill ON L4C 1T6
905-884-0305
www.rhapsodycuisine.com










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