「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第100回> 
DMG Mori Seiki Canada, Inc.
平林 政嗣 Regional Manager

前任より受け継いだこの代表者インタビューも今回で100回目を迎えることとなりました。
記念すべき第100回は、DMG森精機カナダの平林氏です。オフィスの所在地はミシサガです。あまり馴染みのない工作機械の販売、サポートをされているということで、インタビュー後には併設されているショールームを見学させていただきました。工作機械で作れる様々な製品や部品のサンプルが展示され、鉄の塊が削られて部品となるビフォーアフターも見せていただきました。インタビューでは、ドイツ駐在時のお話やご趣味である旅行のお話なども伺ってきました。



(松田)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(平林氏)DMG森精機の事業内容は、工作機械の製造販売です。一般の方にはあまり馴染みのない商品ですが、工作機械というのは“マザーマシーン”とも呼ばれ、この世にあるあらゆる製品の製造に関わっています。一見関係ないように見える身近な日用品も、もとをたどれば工作機械が関わっており、我々、人間活動に欠かせません。

我々は工作機械を製造する工場を、DMG側からはドイツの4拠点をはじめ9拠点、森精機側からは日本の3拠点をはじめ6拠点、全世界で合計15拠点もっており、カナダでは世界の工場から輸入した機械の販売、アフターサービス、カスタマーサポートを行っています。

(松田)工作機械では、例えばどのような製品の製造が可能ですか。

(平林氏)例えば、自動車は工作機械が作り出した多数の部品で構成されています。また、ペットボトルは工作機械によって削られた金型を使用生み出されています。

大きなものですと、石油採掘に使用するパイプなどは5メートル以上のもの、小さいものですと、医療に使われるボーンスクリュー、インプラントスクリュー、人工ひざの型などに使用する1mmほどのネジの製作も可能です。

そして自動車や航空機の部品は、その精度が機体の安全に関わってくる精密部品ですので、1ミクロン単位での加工精度を実現することができます。

(松田)本当にたくさんの製品の製造に関わられているんですね。御社の設立、社員数について教えてください。

(平林氏)森精機の設立は1948年です。2009年から、同業で世界のトップメーカーであるドイツのギルデマイスター社(DMG)と業務・資本提携を始め、全世界的に協業を開始しました。

カナダは今年の4月1日から協業し、社名が「DMG森精機カナダ」に変更されました。現在カナダの社員数は約60名です。

拠点はここ1つのみですが、東部をカバーするためケベック州にセールスマンとサービスマンが計7名、西部をカバーするためアルバータ州にセールスマンとサービスマンが、計7名常駐しています。

(松田)カナダでDMG社との協業が始まりまだ数ヶ月ですが、ご苦労などはありましたか。

(平林氏)カナダでの協業は今年の4月に行われましたが、全世界での協業は2009年から各国で徐々に行われていました。

DMG社はそれまでは競業他社であった工作機械メーカーだったのですが、2009年に全世界での協業が決まってからは、“フレンドリーなコンペティター”といった立場で、多少の情報交換をしたり、お互いが持っていないラインを必要とされるお客様を紹介し合ったりということはしていました。

そのためお互いの事務所を行き来することもありましたので、協業に際してトラブルなどもなく、スムーズにスタートすることができました。

(松田)カナダでのお客様はどのような方が多いですか。

(平林氏)カナダで扱っている工作機械は、自動車部品、航空機部品、エネルギー関連部品、金型の製造に多く使用されています。そのため、各分野の部品メーカー様が主となっています。オンタリオ州では自動車部品メーカー様が多く、ケベック州では航空機部品メーカー様、アルバータ州ではオイル・ガス等のエネルギー関連の部品メーカー様が多くあります。

(松田)御社の売り、強みはどちらにあると思われますか。

(平林氏)第一の強みは製品の品質です。当社の工作機械を構成している部品のうち、主軸やボールねじなど精度に関わる重要基幹部品はDMG森精機の日本の工場で製造しています。

DMG森精機は2012年に最新鋭の設備を整えた精密加工工場を新設し、品質管理を更に徹底し、そして常に更なる品質向上に努めています。そのため製品の品質には特に自信をもっております。

そして第二にネットワークです。DMG社と協業したことも加わり、現在DMG森精機は日本国内に30拠点(工場含む)と全世界に95拠点をもっており、全拠点がネットワークとしてつながっています。

そのため、DMG森精機カナダでは、日本で当社製品を購入されてカナダに納入されたお客様や、カナダで購入されてメキシコやブラジルに納入されるお客様にも同じクオリティのサポートを提供することができます。

(松田)カナダという市場で他国とは違う傾向などは感じられますか。

(平林氏)カナダで今主流になってきているのが“自動化”です。当社の製品に産業用ロボットを取りつけて、自動化を行うというものです。全世界で自動化は進んで来ていますが、カナダの場合ここ3、4年で顕著になってきており、これはカナダの特徴と言えると思います。

従来カナダドルと米ドルは数10セントの差がありましたが、数年前からカナダドルと米ドルの価格価値にほとんど差がなくなり、アメリカのお客様にとってカナダに仕事を出すメリットが減少してしまいました。

そういった状況下でカナダのお客様がアメリカから仕事を獲得されるためには、今までの品質を保ちつつコストを下げるしかない。そのコストを下げるために、産業用ロボットと当社の機械を組み合わせた自動化製品の需要が高まってきました。現在当社は自動化をパッケージにした販売サポートを行っており、好評をいただいています。

(松田)それでは、平林さんのご経歴についてもお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらでしょうか。

(平林氏)出身は奈良県です。入社してからもしばらく奈良で勤務し、2000年~2005年まではドイツに駐在しました。その後日本に戻り、2008年~2010年まではボストンに駐在しました。その後2010年にカナダに来て今5年目になります。

(松田)海外駐在時はどのようなお仕事をされていましたか。

(平林氏)ドイツでもアメリカでも、メインはセールス及び所長業でした。ドイツ駐在時は、担当地区が東ヨーロッパでしたので、拠点はドイツでしたが、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロベニア、クロアチア、スロバキアなどの営業を担当しており、頻繁に出張にいっていました。

メインの言語はドイツ語でしたし、ドイツ時代は色々と苦労もありましたが、その経験からアメリカに駐在したときは問題なく仕事も生活も始めることができました。

(松田)これまでで特に印象に残っているお仕事はどのようなものでしょうか。

(平林氏)ハンガリーのお客様に、一度に20台の機械を納入することがありました。その時に機械の立ち上げがスムースに行かず、お客様からクレームがきて、当然のことですが検収をあげて頂けないことがありました。

その時当時の上司に「検収をあげて頂くまで帰ってくるな」と言われ、約2ヶ月間お客様の工場に滞在し、機械の立ち上げをしました。私はセールス担当でしたが、日本からの応援や工場のオペレーターの方々と一緒に、部品の着脱を行ったり測定したりという作業をし、最終的に機械はうまく立ち上がり、無事にドイツに帰ることができました。

その工場のある場所がハンガリーのものすごく田舎で、本当にまわりに何もないところだったのですが、ハンガリーは温泉が湧くんです。温泉が工場の近くにあって疲れを癒すことができたのは良かったですね。余談ですが、ハンガリーの温泉はゲイの方が多くて、私も時々体を触られたりしていました。そんなことも印象に残っています。

(松田)貴重なご経験をされましたね(笑)。では、平林さんがお仕事を進める上で大切にされていることはどのようなことでしょうか。

(平林氏)チームワークです。当社は従業員が60名おりますが、日本人は私を含めて2人だけです。現地社員とチームワーク良く運営していかないと会社が回って行きませんので、日頃から積極的にコミュニケーションをとるように心がけています。

現地社員と一緒にご飯を食べにいったり飲みにいったり、たまには我が家にお招きしてホームパーティーを開いたりと、仕事上だけでなくプライベートでも交流を図るようにしています。

(松田)ではプライベートなこともお伺いしたいと思いますが、ご趣味はなんでしょうか。

(平林氏)趣味というと旅行と写真ですね。旅行は、昔は結構予定を詰めてしっかりプランを組んで行く旅行をしていたのですが、子供が出来てからはゆったりとビーチでのんびりするような旅行に行くようになりました。海外旅行も多いですが、カナダ国内もカナディアンロッキーやプリンスエドワード島、ケベックなどに行きました。

(松田)今まで行かれたご旅行の中で一番印象深いところはどちらですか。

(平林氏)7年前に行ったんですが、スロベニア・クロアチア・ハンガリーの旅行です。
特にスロベニアとクロアチアはアドリア海に面していますので、魚介類がとても豊富で、またイタリアに近いので食べ物がとても美味しかったです。

クロアチアは西ヨーロッパの人がこぞってバケーションとしていくようなリゾート地なので、とても綺麗なところです。そしてスロベニアでは、現地のドライバー付きのレンタカーを借りて、旅中終始運転してもらって、クロアチアまであちこち泊まりながら旅をしました。

クロアチアでは、以前ドイツ赴任のときに一緒に仕事をした仲間がいて、アドリア海のヨットクルーズに連れて行ってもらいました。ヨットから海に飛び込んだり、そして海から上がるとテーブルにチーズとシャンパンが並べられていたりと、映画のシーンにありそうなことをさせてもらってとても楽しかったですね。

(松田)それは現地のことをご存知だからこそできる旅という感じでとても素敵ですね。

(平林氏)カナダでは、カナディアンロッキーが良かったですね。私は野生動物の写真を撮るのが好きなのですが、あまり見られないというグリズリー(ヒグマ)を親子連れで見ることができ、ブラックベアやエルク、ムースなども見ることができました。

また、うちの息子が5歳になったところなのですが、彼はキューバをとても気に入っています。キューバのビーチはもちろん、革命家のチェ・ゲバラが好きなようです。何故なのか私もよくわかりませんが(笑)。

息子が気に入っているということでキューバは2回行きました。去年キューバで一番美しいビーチがあると言われるCayo Ensenachosという島に行きましたが、遠浅で自然の魚がたくさんいて自分で餌付けもできるんです。きっとそれも気に入ったと思うんですが、何かあるたびにキューバに行きたいといっています。

(松田)チェ・ゲバラを好きな日本人の5歳児というのはとても珍しいですね(笑)。今後カナダでやってみたいことは何かありますか。

(平林氏)カナダはもう5年目になりますが、これまでは子供が小さかったため極寒の地に行くのが負担だと思いまだオーロラを見にいけていません。せっかくカナダにいるので、来年の冬にはぜひ行きたいと思っています。

(松田)それでは、商工会会員へメッセージをお願いします。

(平林氏)いつもお世話になっております。記念すべき100回目の代表者に選ばれて光栄です。トロントの商工会は、他国のものに比べて活動が活発であると思います。これからも日本人駐在員のために積極的な活動を続けていただけたら有りがたいと思いますので、宜しくお願いいたします。

(松田)インタビューは以上になります。今日はどうも有り難うございました。




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