「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第99回>
OMORI NORTH AMERICA INC.
下村 次郎 V.P. Sales and Marketing, Flow Wrapper

オーモリノースアメリカの下村氏にインタビューをして参りました。下村氏は個人会員として登録いただいております。会社の所在地はBolton。トロントからは北西へ1時間弱のドライブです。
オフィスの1階には、工場とショールーム、そして広い倉庫スペースもあり、駐車場には大きなトレーラーが何台も停まっていました。
皆さんが日頃手に取るあらゆる商品の包装をする自動包装機を販売されており、北米と日本との包装の違いや“海外出張族”だった下村さんのこれまでのご経歴などについてお伺いしてきました。
インタビューの後にはショールームも見学させていただき、包装技術についてだけでなく、食品鮮度保持に使用するガスの違いの話など、面白いお話を聞かせていただきました。とても気さくに色々お話しいただき、笑いの絶えないインタビューでした。



(松田)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(下村氏)オーモリノースアメリカは、日本大森機械工業株式会社で製造される自動包装機を北米で販売する会社です。当社の前身であるBW Cooney社に2012年10月に50%資本参加し、社名をOMORI NORTH AMERICA INC.に変更しました。

元々BW Cooney社は、大森機械工業のカナダ・アメリカの販売ディストリビューターで、既に15年来の付き合いがありましたが、大森機械工業のグローバル戦略の一環で北米に拠点を作る際に、既存のカナダ・アメリカへの販売経路を継続使用するためディーラーに資本参加いたしました。

現在社員数は20名、日本人駐在員は私1名です。

(松田)御社は自動包装機の販売以外にも事業をお持ちとのことですが、ご説明いただけますか。

(下村氏)その他の事業として、食品包装用のトレイやフィルムなどの食品包装資材の販売も行っています。こちらは主に食肉メーカーがお客様で、アメリカ、カナダの包装資材メーカーから商品を購入し、各食肉メーカーに納めています。

例えばスーパーで肉を購入すると、肉の下に吸水シートが敷かれていると思いますが、我々はそのプラスチックトレイとシートを購入し、工場で貼り付けて食肉メーカーに販売しています。

また、我々は自社で運送会社も持っています。食品包装資材は毎日のようにトレーラーいっぱいの量を、また長距離を運ぶこともあるため、その配送のためにBW Cooney社は運送会社を立ち上げました。そのため、自動包装機の納入時も自社トレーラーを使ってお客様に届けています。

(松田)オーモリノースアメリカさんは、ここカナダから北米全体をカバーされていらっしゃるそうですね。

(下村氏)はい。カナダの拠点から北米全体を見ておりますので範囲は広いですが、アメリカにもペンシルバニア州、インディアナ州、フロリダ州の3箇所にアメリカ人社員がホームオフィスとして拠点を持ち、営業兼サービスをしております。

アメリカで急な対応が必要となった場合は、その3名がすぐにお客様の元に駆けつけられるような体制が整っています。今後は順次、アメリカオフィスを増やしていく予定です。

(松田)それでは、御社の製品の自動包装機についてご説明をお願いします。

(下村氏)自動包装機というのは、お菓子やインスタントラーメンなどの食品から雑貨、ウエットティッシュや薬などの様々な商品(右写真)をプラスチックのフィルムで包装する機械です。

この自動包装機は日本から輸入していますが、日付を捺印する装置やラベルを貼り付ける装置などの付属機器はカナダ国内で調達しています。自動包装機と付属機器を我々の工場で組み合わせ、カナダ及びアメリカのお客様に納めています。そのため当社は、販売だけでなくエンジニアリングも施す半メーカーのような機能ももっています。

(松田)日本でとても馴染み深い商品を包装されているんですね。北米でのお客様はどのような方々が多いですか。

(下村氏)包装機のお客様は、主に食品関係、特に食肉関連とマッシュルーム関連が多いです。食肉関係では、カナダ・アメリカの多くの大手食肉メーカーさんに使って頂いており、スーパーなどでプラスチックの発泡トレイに乗ってラップされているステーキ肉やミンチ肉などの多くは我々の包装機を使用いただいたものだと思います。

また、同じくスーパーなどで見られるマッシュルームのパッケージ包装では、我々が北米で約8割のマーケットシェアをもっています。

(松田)私が日頃購入する商品にもきっと使用されていますね。日本と北米の包装の品質は私から見ても違いを感じますが、実際お客様からのご要望に違いは感じられますか?

(下村氏)元々海外営業で北米に出張する機会も何度か有ったのですが、主にディーラーとの折衝が主な業務で、最前線での包装事情は、肌で感じることが少なかったのですが、こちらに駐在するようになり、改めて、日本と北米の包装要求の違いに驚きました。

例えばこのお菓子をイメージした包み(写真右)ですが、これは外側の四隅を約1mmシールし、スクエアに仕上げたものです。このような包装は高級感が出るため、日本だと土産物用の和菓子などに使用されますが、このサンプルを北米のお客さんに見せて「高級感が出ます」と説明しても、まったく興味を示しません。まず、北米には土産物というカテゴリーがありませんしね。

(松田)カナダ人が高級包装に興味を持たないのはとってもわかる気がします。

(下村氏)包装のもつ機能としては、包むことで商品を保存すること、物流を容易にすることが先ず挙げられます。そして、装うことで商品価値を高めることもあります。

日本は、湿度が高い環境で、食の安全を求める声が大きく、いかに自社製品のイメージを上げるかが重要で、使用される包装材料も様々なものがあります。アルミニウムを貼り合せたり、紙を混ぜて風合いを出したりと工夫がされています。北米では、とにかく大量生産で、包んであればいい、という感じです。

また、日本は一定以上の品質で多品種、かつロスを少なく効率良く仕上げることを重視します。またクレームに対しても大変敏感ですよね。少しのミスも起きないように事前に徹底的な対処をします。

その点北米は、とにかくコスト重視、機械自体も包装材料も出来る限りコストを下げ、大量消費にマッチさせている気がします。カナダのお店で、包装が破れていたり、時には中身が少なくなっていたりする商品が陳列されているのを見たことがある方もいらっしゃると思いますが、そういうことからもその違いはわかりますよね。

日本からは、新しく開発した製品を北米でも売るようにと指示がくるのですが、包装に対する考え方、要求の違いがあり、そういう難しさというのは身にしみていますね。

(松田)この考え方の違いを埋めるのはなかなか難しそうですね。では、御社が今後特に力をいれてやっていかれたいことはどのようなことですか。

(下村氏)包装機を使用する業界の中で、工場ベースで圧倒的に台数が必要な業界というのは、お菓子(製菓・製パン)業界です。今後はお菓子業界に力を入れて販売していきたいと考えています。

現在我々は日本の大森機械工業で製造した機械を輸入しておりますが、大森機械工業は中国とインドにも合弁会社をもっており、彼らもそれぞれ機械を製造しています。

特に昨年買収したインドの合弁会社はクッキーやビスケットに特化した機械を作っており、我々はそちらからも直接調達できるスキームになっていますので、今後は、日本製、インド製、中国製など、お客様に選んでいただけるように多様な種類と価格帯の製品を取り揃えていきたいと思っています。

また、医薬業界にも参入していきたいと思っています。こちらは包装機の使用台数は多くはないのですが、一つのプロジェクトが大きく、また包装に対する要求事項も高いので、単純な価格競争に陥ることも比較的少ないはずです。

一つのプロジェクトに費やす時間は長く、求められるものは多くなりますが、我々の機械はそれに答えられる十分な機能をもっていますので、そちらにも注力していきたいと思っています。

(松田)それでは、下村さんのご経歴についてお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらでしょうか。

(下村氏)出身は愛知県です。高校まで愛知県にいましたが、大学は金沢にいきました。そして就職は当社の本社のある埼玉でした。

私は学生時代から海外志向の強い人間で、職種は問わず、海外でできるような仕事に従事したいと思っていました。縁があり当社に入社しましたが、入社以来ずっと海外営業一筋です。

2013年の6月にカナダに来ましたが、それまでは26年間本社の海外営業部におり、一年の3分の1は海外出張で、日本と様々な国を行き来する忙しい日々でした。数えてみたら、全部で40カ国近く行っていました。

入社当時は、東南アジア地区担当として東南アジアの国々に頻繁に行き、その後アジア地区のリージョナルマネージャーをしました。そして入社から10年ほどした頃に、欧米の担当になり、ヨーロッパやアメリカ・カナダを回る日々になりました。

その頃に当社の前身のBW Cooney社の担当にもなりました。欧米担当時代は、ノルウェーのお客さんに呼ばれて北緯70度くらいの氷の世界まで行ったこともあり、海外出張にはたくさんの思い出があります。

(松田)お忙しい日々ですね。その後、カナダに来られるまでの経緯はどのようなものだったんですか。

(下村氏)その後、全世界を統括するような立場になりましたが、ちょうどその頃に、会社がグローバル化に力を入れていくため、海外拠点を立ち上げる方針となりました。そしてイギリスのリバプール近郊にオーモリヨーロッパという法人を設立するということでその立ち上げに携わりました。

その後北米の拠点を作るため、こちらカナダのBW Cooney社の買収に携わりました。2012年10月に50%資本参加が成立し、会社の登記も変更したのですが、私が実際カナダに来たのは2013年の6月でした。

実はその8ヵ月の間に、インドにも拠点を作ることになり、イギリスとカナダの設立に関わった私が呼ばれて、その立ち上げに関わることになりました。インドは規模が大きかったため苦労もあったのですが、ほぼ形が定まり私がカナダに来た3ヵ月後の2013年9月に無事Dealが結ばれました。

(松田)短期間で3カ国の拠点設立に携われたんですね。それでは、下村さんが今までで一番印象に残っているお仕事はどのようなものでしょうか。

(下村氏)この会社に資本参加したときのことは、印象深いです。イギリスで法人を立ち上げた時は、駐在員事務所を置く程度の規模を想定し、コンサルタントのアドバイスを受けながらも設立に関わることや従業員の雇用などは全て我々が主導で進めることができましたが、カナダの場合は既存の会社があって、その株式を購入するという交渉事でしたので、買収金額の折り合いをつかせる過程はとても難しいものでした。

我々も資産評価から出した希望価格や予算がありましたが、彼らもゼロから築き上げた会社であり、愛着もありますので、それなりの対価を希望してきました。そういった企業買収の中にトップの一人として関わりあえたというのは今までにない経験であり、同時に面白みもあって、大変心に残っています。

(松田)それでは、下村さんがお仕事を進める上で大切になさっていることや心がけていらっしゃることは、どのようなことでしょうか。

(下村氏)私がいつも心がけていることは、とても単純なんですが、“お客さんと仲良くする”ということです。これがビジネスを成功させる一番の近道だと考えています。

これは机上理論かもしれませんが、やはり人間同士ですので、お客さんと友達になることで、他社への浮気をしなくなり、必ず私を通してもらえるようになると、仕事も進め易くなります。

もちろんお客さんに対する責任も増えますので私にとってのプレッシャーも高まることになりますが、そこを大事にすることがビジネスの基本かなと思います。

特に私は海外出張が長かったので、お客さんは文化や慣習の違う方がほとんどでした。そのような相手とも、まずはコミュニケーションを深めて仲良くなる、そしてそこからビジネスを進めていく、という方法をいつも心がけて実行してきました。
 
(松田)とてもシンプルですが、そこが人間関係の基本なんでしょうね。それでは、プライベートについても少しお伺いしたいと思いますが、好きなスポーツやご趣味はなんでしょうか。

(下村氏)昔は、テニス、スキー、ゴルフなどはやっていました。テニスは学生時代にやっていて、入社してからしばらく会社のテニス部に所属してプレイしていましたが、今は止めてしまいました。

スキーも大学が金沢だったので近くにスキー場があったため当時は頻繁に行っていて、子供が小さい時は家族みんなで行きましたが、今は道具も全部捨ててしまいました。ゴルフは、20年近くやっていますが、出張が多かったこともありプレイする機会があまりなく、始めた当初とあまり腕が変わっていません(笑)。


最近の運動というと、ウォーキングですね。今住まいはノースヨーク辺りですが、近所にも良い公園などがありますし、地下鉄に乗ってポンっと降りて、2、3駅はすぐに歩いてしまいますね。健康管理も含め、街を散策していると新しい発見もあって、週末は時間があると色々なところを歩くようにしています。

(松田)カナダに来られてちょうど1年経つということですが、今後カナダでやっていきたいことはありますか。

 
フロリダにて。一度乗ってみたかった! 

(下村氏)今、弓道を始めたいと思っています。日系文化会館に弓道のクラスがあるんですが、問い合わせたところ私は初心者のためエントリーコースを受講しなければいけないようです。

そのコースが不定期のため今開講を待っているところなんです。昨年は9月に行われたようなので、今年も同じ時期ではと期待しています。

(松田)今までご経験がないのに、どうして弓道を始められようと思ったんですか。

(下村氏)私の長女が日本で弓道をやっていて、去年国体に出場したんです。そのため、私もカナダで弓道をやって、日本に帰ったときに長女と勝負をしようかなと考えています(笑)。

体力はつけなければいけないと思いますが、走り回ったりすることもなく、メンタル面が重要な競技のようですので、私でも始められるかなというイメージもあります。早くエントリーコースが開講されることを楽しみにしています。

(松田)目標もあって、それは楽しみですね。開講されたら是非頑張ってください。では最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願いします。

(下村氏)私みたいに単身でカナダに来ている方はあまり多くないと思いますが、単身赴任者同士が集えるような単身赴任者の会みたいなものがあるといいなと思っています。

もちろん単身者に限ったことではありませんが、より多くの皆様と交流して公私共に情報交換ができればと思っていますので、今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

(松田)“単身赴任者の会”良いですね。新しいアイデアを有り難うございます。インタビューは以上になります。有り難うございました。



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