「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第94回>
Mitsubishi Motor Sales of Canada, Inc.
山本 賢一朗 President & CEO

2013年10月末に着任された、カナダ三菱自動車販売の山本社長にインタビューをして参りました。山本社長には2014年度商工会常任理事も務めて頂いております。ミシサガのオフィスにて、今一押しの車種、ミラージュと一緒に写真を撮らせていただきました。

大変気さくにユーモアを含めてお話しいただき、笑いの絶えないインタビューとなりました。たくさんの趣味をお持ちの山本社長のプライベートもお伺いしてきました。



(松田)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(山本氏)カナダ三菱自動車販売は、三菱自動車の完成品と部品をカナダ国内にて販売しております。2002年に販売を開始しましたので今年で12年目の若い会社です。現在カナダ国内に88店舗のディーラーを持ち、将来的には100店舗まで伸ばしたいと思っています。毎年社員が増えており、2年前の70名が現在は83名、来年は約88名まで増やす予定です。
こちらのミシサガ市に本社を、本社から15分ほど離れたところに部品倉庫をもっています。

(松田)それでは、御社の商品のご説明をお願いします。

(山本氏)取り扱っている車は大きく分けて5車種あり、RVR 、ミラージュ、アウトランダー、ランサー、電気自動車のi-MiEV(アイミーヴ)です。RVRはアメリカ、ミラージュはタイ、残りの3車種は日本から輸入しております。

昨年の7月から新モデルになったアウトランダー、そして昨年の10月から新規投入したミラージュ、この二つの新車種が販売を牽引しています。ミラージュは小型車ということもあって冬場の売上げはあまり期待2月末から全国でテレビコマーシャルを放映しており、これからの春夏に向けて今全面に押し出しています。ミラージュはこのセグメントでは一番燃費がよく取り回しが良い車で、特にヨーロッパ思想が濃く小型車が人気のケベック州ではディーラーからも大変喜ばれ、人気の高い車です。

(松田)御社の強みはどちらにあるとお考えですか。

(山本氏)我々の強みは、「たのもしい走り」を感じられる車作りです。この「たのもしい走り」というのは、現在三菱自動車がクルマ作りの想いを伝えるキーワードとしている言葉です。

実際運転していただくと感じていただけると思いますが、三菱自動車の車は、ボディ剛性がしっかりしていて、守られている感がとても強く、ものすごくカチっとしています。私も出張中などに他社の車をレンタカーして比較することで気付きましたが、設計やクルマ作りの思想が違うんですね。

もちろん他社の車も軽くて燃費が良い、など良い面に気付きますし、好き嫌いの問題ですのでどちらが良いということではありませんが、これは実際に運転し比較していただかなければ気付いていただくことができません。より多くのカナダの方々に我々の車を運転して、この“たのもしさ”を是非体感していただきたいと思っています。

(松田)今後御社が力を入れてやっていきたいことはどのようなところでしょうか。

(山本氏)我々の課題は、三菱自動車のブランドイメージや強みをお客様にきちんと伝え浸透させることです。我々は他社にも負けない技術に自信をもっておりますが、カナダの皆様に十分に伝えられていないと感じています。

日系では三菱自動車だけが10年補償をしています。自信があるからこそ10年補償をしているのですが、カナダの皆様にもっとアピールしていく必要があると考え、我々の強みである“たのもしさ”や“耐久性”を押し出した新しいキャンペーンを今年の6月から始めていきます。

またカナダの方にとって、三菱自動車というと、“スポーツカー”の印象が強いように伺いました。これはWRC(世界ラリー選手権)で幾度も勝利を収めたランサーエボリューションや、計12回の総合優勝をしたパリ・ダカール・ラリーでの印象が強く記憶に残っていらっしゃるのではないかと思います。残念ながら現在は主要なラリーには参戦しておりませんが、それらの車を作ってきた歴史と技術が現在の車に転用されていることは事実です。

カナダの方々の“ラリー”や“スポーティー”という印象を壊すことなく、「たのもしい走り」 にシフトし、三菱自動車のブランドイメージを強化していくことに今年は注力していきたいと思っています。

(松田)それでは、山本社長のご経歴についてお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらですか。

(山本氏)出身は広島県福山市です。1994年に三菱自動車に入社し、北米部に配属されました。当時三菱自動車はクライスラー社と業務提携をしており、エンジンと車両を供給しておりました。アメリカのイリノイ工場で作っていたスポーツカーのエクリプスと同じ車台で2ドアクーペの二車種を作るビジネスがあり、私はそれとエンジン供給のビジネスを5年間ほどしていました。

その後2000年に当社はダイムラー・クライスラーと資本提携関係になった際、私は北米部から異動して臨時職制の国際協業推進チームに配属されました。ダイムラー・クライスラーとの協業案件を取り纏めるチームでしたが、その後、経営企画室にシフトし、私もそのまま中長期戦略を企画するような仕事をしていました。

そして2006年4月にアメリカ駐在となりました。テキサス州ダラスに4年、カリフォルニア州のサイプレスというところに1年おりました。ダラスでは地域事務所の所長を務め、ディーラー対応の最前線として現場レベルで施策を浸透させ、また、ディーラーからのフィードバックを本社に報告するという仕事をしていました。カリフォルニアでは、ディストリビューションのジェネラルマネージャーとして物流にかかわりました。

2011年3月、東日本大震災の約2週間後に日本に帰任しました。帰国後は欧州部に配属されて主に西欧を担当し、2013年10月末にカナダに赴任しました。

(松田)入社当時からずっと国際的な部署をご担当されているんですね。元々ご希望されていたんですか。

(山本氏)大学の時の1年間のアメリカ留学がきっかけでした。1990年初頭でしたが、既にアメリカの中で日本車の存在は大変大きかったんです。お金持ちのアメリカ人の友達が日本車を持っていて、それをとても誇らしげに話すんですね。海外の人が日本製のものを喜んでいるその姿が私もとても嬉しくて、海外に製品を輸出するメーカーに勤め国際輸出に関わりたいと思い、入社当時から希望していました。

(松田)今までのご経歴で、特に印象に残っている出来事はありますか?

(山本氏)当社は私が入社してから20数年の間に、幾度か経営が変わっているんです。

ダイムラー・クライスラーが親会社になったときは、社内の文化がそれまでと一変しました。会議や書類は英語になり、考え方や仕事の仕方は欧米仕様に、例えば今までA3の紙1枚にまとめていた資料は、全て画像を駆使したパワーポイント数10枚に変えなければならなくなりました。

使用する世界地図も学校で習った日本が中心にあるものではなく、アメリカとヨーロッパが中心で日本が端っこに描かれているもので、初めて日本は極東なんだと意識しました。言葉の問題もあり曖昧な説明能力だと相手に伝わらないため、英語ができる、もしくは中身をしっかりと持ちきちんと通訳と一緒に進められる人でないと淘汰されてしまうような状況で、多くの社員が初めは苦労をしたと思います。

そしてダイムラー・クライスラーが2004年4月に引きあげると、三菱グループ時代が始まりました。するとまた仕事の進め方が日本式に戻りました。また、彼らは引き継ぎなどせず一気に帰国してしまったので、海外オペレーションの状態が全くわからなくなるという混乱もありました。私がダラスに配属されたのも、アメリカの地域事務所やディーラーを調査するためでした。実際行ってみるときちんと稼動していましたので、問題はありませんでしたが。

短期間のうちに時代が変わり、その時々で様々な苦労を経て今に至っているんですが、その中に身を置けたことで多くのことを学ぶことができたと思っています。

(松田)それでは山本社長がお仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことでしょうか。

(山本氏)“バランス”を大切にしています。大切にしているというよりは、そういう風に生きているという感じですね。

私は小さい頃からサッカーをずっとやっていたのですが、サッカーってフィールド上でプレイヤーの役割が重ならないようにするんですね。またその役割はポジションやプレイヤーがチェンジすると変わりますので、その時その時自分で全体のバランスを見て、自分のやるべき役割を把握し、それをきちんと全うする、というのが身にしみこんでしまっているようです。

会社でも私と同じ役割をする者がいれば、私は必ず別の役割をするようにして、チーム全体でワークするように考えてしまいます。

またこれもバランスの一種ですが、人員のみならず、例えば2つの事項があってAを伸ばすためにはBが下がってしまうというとき、AとB両方のバランスを見ながら両者の利点を生かした一番良い選択をするよう心がけています。1つを得るために片方を失うことは誰でもできることですが、相反するものを両立させることを含めてベストな選択を生み出すことに我々の仕事の価値があると考えますので、これは部下にも心がけるように伝えています。

(松田)それでは、プライベートについてもお伺いしたいと思いますが、好きなスポーツやご趣味は何でしょうか。

(山本氏)小学生の時からサッカーをやっていて、大学生の時はサークル、社会人になってからも会社のチームに所属していました。40代になってからはフットサルで時々プレイをしています。でも最近はもっぱら観戦になってしまっていますね。

ゴルフもします。家内には、出会った当初から私のサッカーの試合を観戦させ、ビデオを撮ってもらったりしましたが、最後は飽きられてしまったので、家内と一緒にゴルフレッスンを受け始めて、今では一緒に回っています。私にとってゴルフは家内と一緒にするアクティビティになっています。カナダもこれから良い時期ですので、プレイするのを楽しみにしています。

また、長年のサッカーのせいで後遺症の残る膝や足のメンテナンスを兼ねて、毎朝筋トレをして鍛えるようにしています。一日15~30分程度しかやりませんが、ここ10年くらいはほぼ毎日の日課になっていますね。

他には読書も好きで、3日に1冊くらいのペースで読んでいます。今は出張者にお土産を聞かれると、来る途中に読んだ本を置いていってくれと頼むようにしていて、読み終わったら社内の日本人に開放するようにしています。

(松田)とても多趣味でいらっしゃいますが、これからカナダでやっていきたいことはありますか?

(山本氏)現在カナダに来て約半年ですが、駐在中にカナダ国内にある全てのディーラーを訪問しようと思っています。既に6割くらいのディーラーを訪れましたが、地方にあるディーラーも多いのでここからが大変です。

旅行も好きなのでカナダの色々な場所を見ることができて良いですが、やはりプライベートでゆっくりと旅行したいですね。

アメリカにいるときは家内と一緒に色々なところに旅行に行きました。二人ともワインも好きなので、ナパバレーにワインテイスティングの旅行にも4回行きました。ここはナイアガラオンザレイクが近くていいですね。季節が良くなったらしょっちゅう行ってしまいそうです。

東部にあるプリンスエドワードカウンティにも行ったんですが、寒い時期だったので苗が凍らないように苗を全部埋めてしまうそうで、これは初めて知りました。良い白ワインを見つけたので、また暖かくなったら行きたいと思っています。

   
 米国アンテロープキャニオンにて シンガポールにて 



(松田)本当にたくさんのご趣味があって、プライベートも充実されているようで羨ましいです。それでは最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願いします。

(山本氏)商工会の会員の方々は、とても経験豊富で魅力のある方が多く、他業界の方からもお話しを伺う機会をいただき、自分自身勉強と刺激になるため大変有り難く思っております。まだまだ未熟者ですが、是非みなさんとお付き合いさせて頂きたいと思っています。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

(松田)インタビューは以上になります。どうも有り難うございました。



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