「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第92回>
Sharp Electronics of Canada Ltd.
西田 幸喜 Vice President

シャープカナダの西田統轄にお話を伺って参りました。オフィスはミシサガです。入口を入ると受付にあるのはコピー機型の機械。名前を登録すると各自のビジター用ネームタグが印刷されるというユニークなシステムでした。
オフィス内にあるショールームも見学させていただき、今一押しのテレビ「クアトロンプラス」や90インチの超大型テレビから空気清浄機まで、シャープさんの様々な商品を比較、拝見させていただきました。



(松田)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(西田氏)当社の事業内容は、シャープブランドの家電と情報機器の輸入販売です。主力カテゴリーは液晶テレビで、特に60インチ以上(60、70、80、90インチ)の超大型がメインとなっています。

個人のお客様向けの製品では他に、オーディオ機器、電子レンジ、空気清浄機、電卓などがあり、法人向けの製品としてはコピー機やインフォメーションディスプレイなどがあります。また店舗にあるキャッシュレジスターも大変高いシェアを頂いております。

(松田)設立と社員数、御社の拠点について教えてください。

(西田氏)シャープカナダの設立は1974年で、今年の9月でちょうど40年を迎えます。社員数は現在120名です。カナダの拠点は主にこのミシサガ本社の他、モントリオール、オタワ、ハリファックス等各地にコピー機を中心とした情報機器の直販支店があり、地域に密着した迅速なサービスを提供しています。

(松田)御社の強みはどちらにあるとお考えですか?

(西田氏)シャープは、昔から他社とは違った目線で商品を作ってきました。創業者が社名の由来となるシャープペンシルを生み出した後、国産第一号となる鉱石ラジオ、国産第一号のテレビ、世界初オールトランジスタによる電子式卓上計算機(電卓)、世界初ターンテーブル式電子レンジ、世界初のダブルカセットデッキ等、「国産第一号」、「世界初」のものがたくさんあります。

「国産第一号」、「世界初」を世に送り出してきた歴史と、それを導いた技術力が我々の強みであると思っています。日本だけではなく世界中に貢献できるものを形にしていくことに今後も引き続き力を注ぎ、新しい事業に進んでいかなければと思っております。

(松田)御社の今一押しの商品をご紹介ください。

(西田氏)我々の主力製品である液晶テレビですが、その中でも「クアトロンプラス」という新製品をご紹介します。

 
 90インチ 液晶テレビの前で

商品説明の前に、まずは最近のテレビ産業の傾向についてお話ししたいと思います。カナダの液晶テレビの需要は、現在、あまり伸びていませんが、60インチ以上の超大型テレビのみ大きく伸びています。そのため、我々も含め家電メーカーはテレビの大型化に力を入れています。

また、テレビ業界にもトレンドがあります。今年の初めに行われたCES(ラスベガスで毎年1月に行われる世界最大の家電ショー)では、2014年のトレンドは“高詳細”でした。

“4Kテレビ”というのをお聞きになったことがあるかと思います。現在巷に出回っている殆んどのテレビは“ハイデフィニション(HD)テレビ”といいますが、4KテレビはHDテレビの4倍詳細な画質で見ることのできるテレビです。HDテレビは通常約200万個のピクセルが一つの画面を作っていますが、テレビが大型化しても200万個のピクセル数は変わらないため、スクリーンが大きくなればなるほど粗が見えてきてしまいます。

そこで大型テレビの需要が上がるにつれ、より詳細な画質が求められて開発されたのが4Kテレビです。4Kというのは、HDのピクセルを縦に2倍、横に2倍増やしたもので、ピクセル数は800万個。つまりHDより4倍詳細な画質となります。
CESでも、家電メーカー各社がそれぞれの技術を取り込んだ4Kテレビをアピールしており、今年は「高詳細」が間違いなくテーマとなっています。

ただ、4Kテレビはまだまだ価格が非常に高いんですね。各社は出来る限りコストダウンを試みていますが、いくら画質が良いと言えどまだまだ手が出しにくいというのが今の4Kテレビなんです。

(松田)価格競争も大変だと思いますが、イチ消費者としては、できれば低価格で楽しめれば嬉しいですね。

(西田氏)それが消費者の方々の率直なご意見だと思います。そこで当社は、“価格を抑えた高画質テレビ”を作りました。それが先ほど申し上げた「クアトロンプラス」です。

クアトロンというのは、色の表現力を大幅に上げたシャープ独自のテクノロジーです。通常1つのピクセルは赤、緑、青(RGB)の3色で出来ており、その3色の組み合わせによって様々な色の表現をしているのですが、クアトロンではそこに黄色を追加し4色(RGBY)にしました。黄色を足すことで自然の色の再現力をより高めることができ、特に金色が綺麗に発色します。

「クアトロンプラス」は、このクアトロンを進化させて開発したテレビで、4Kに限りなく近い画質で見ることができます。

 
 クアトロンプラスによる画質の比較デモ

(松田)ショールームで見せていただきましたが、御社の4Kテレビと、この「クアトロンプラス」しかも80インチの大画面で見比べてもほとんど違いは感じられませんでした。

(西田氏)そうなんです。「クアトロンプラス」はこの2月からお客様に出荷を開始しており、まもなくベストバイやフューチャーショップなどの電気店に並び始めますので、是非実際に見比べていただきたいですね。

きっとクアトロンプラスの詳細さ、高画質を実感していただけると思います。4Kに限りなく近い画質なのに、価格を抑えて提供できる、今年当社が力を入れている商品です。

(松田)個人的に興味があるのですが、カナダでは御社の“ヘルシオ”は販売されていないんでしょうか。日本にいたときに友人の間でたいへん話題になりました。

(西田氏)加熱水蒸気で調理するウォーターオーブンですね。食品の余分な脂や塩分を落とし、栄養素もキープして素材の美味しさを引き出すという良いことづくめのオーブンです。アメリカでは既に販売されていますので、カナダでも将来的に販売できれば良いなと思っています。アメリカよりもカナダの方が健康志向の方が多いように見受けられますので、きっと多くの方が興味を持ってくださると思うんですよね。

(松田)私もカナダで販売されるのを楽しみにしています。それでは、今後会社としてやっていきたいことはどのようなことでしょうか。

(西田氏)既存の事業分野は変わらず力を注いでいきますが、新しい事業分野を作りあげていくことが課題だと思っています。例えばヘルスケアやロボティクスですね。カナダでもロボット掃除機のルンバが人気ですが、当社も、会話機能を搭載し、知能のある“ココロボ”という掃除機を日本で発売しております。この技術やその他当社が得意とする画像処理、センシング分野などのコア技術を応用して差別化した新商品、新規事業の創出を目指したいと考えています。

事業というのはどうしても導入期は良くても競争が厳しくなるにつれ利益も落ちてしまいますので、新しい事業分野にチャレンジしていかなければいけません。そしてそれが社会貢献や人々の生活を豊かにすることにつながると考えます。

正直なところアイデアはたくさんあると思うんです。ただ、メーカーのエゴにならない商品を心がけなければいけないですね。技術があっても、それが本当に消費者の方が求めるものなのかということを、消費者の目線でものを見て、開発するということを強化していかなければいけないと思います。

(松田)それでは、西田さんのご経歴についてお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらですか。

(西田氏)出身は大阪の堺市です。1994年にシャープに入社し、1999年にドバイ赴任になりました。当時は中近東とアフリカをカバーする販売会社がなかったため、ドバイでの販売会社の立ち上げに携わり、また白物家電の販売を担当していました。3年半ほどドバイで仕事をし、日本に帰国したあと2005年にアメリカのニュージャージーに赴任になりました。2005年から約8年弱の間アメリカで経営企画を担当し、そのままカナダに転勤が決まり、2013年の5月に着任しました。

(松田)今までで一番印象に残っているお仕事はどのようなものでしょうか。

(西田氏)ドバイ駐在の時に、サウジアラビア向けに冷蔵庫を導入できたことは大変印象深く残っています。イスラムの文化という日本人の常識が全く当てはまらない中で、規模は小さかったんですがビジネスを伸ばしていくというのは難しさもあり面白さもある経験でした。

当時サウジアラビアは、大変厳しく、また他国とは異なる特別な安全規格をもっていました。また、サウジアラビアはアラブの中では一番大きな市場ではあったのですが、当時の需要規模からは、特別なものを作るとコストもかかりました。そのような理由があり、それまで冷蔵庫を導入できないでいたんですが、安全規格を一つ一つクリアし、コストの問題も工場と協力しながらどうにか解決し、なんとか製造まで導くことができました。今となると本当に思い出深い仕事でしたね。

あれから10年以上経っていますが、現在サウジアラビアではかなりの台数を販売しています。あの時の努力がなかったら今がないと思うと、新規ビジネスにチャレンジするということがいかに大切なのかというのを心身共に実感するプロジェクトでした。

(松田)今までの数々のご経験から、西田さんがお仕事を進める上で大切にされていらっしゃることはどのようなことでしょうか。

(西田氏)約12年の駐在経験を通じて思うのは、この国でいい仕事をしよう、いい商品を作ろうと思ったら、ローカルの社員にきっちりと頑張ってもらうことが一番だということですね。

長いこと住めば、ローカルの方々の文化、習慣、思考方法などは少しずつわかってはくるのですが、やはり完璧に理解、体得するというのは難しいです。そのため、現在は統轄というポジションにいますが、ローカルの社員にイキイキと働いてもらうためのサポートとその環境作りが重要だと思っています。ローカルの社員が楽しんで仕事のできる会社は自然と良い方向に導かれると信じていますし、それが日本人駐在員の大切な務めではないかと思っています。

もう一つ心がけていることは、自分の考えていることを相手がわかってくれたなと感じるまで繰り返し伝える、そして相手の考えていることがきちんとわかったと思うまで何度もやり取りをすることですね。部下には「くどいな」と思われているかもしれませんが(笑)、そうやってお互いの意思疎通をはかることはとても重要だと感じていますので、今後も続けていきたいです。

(松田)それでは、プライベートなこともお伺いしますが、好きなスポーツはなんですか?

(西田氏)ゴルフです。ゴルフが大好きだった父の影響で高校生のときに始めました。大学生のときにはキャディのアルバイトをしていました。アルバイトの仕事が終わると無料でコースをラウンドできたので、午後3時半まで仕事をして、そのあと1ラウンドや2ラウンド周っていました。学生にはゴルフは高価でしたのでラッキーと思っていたのですが、結局その後また打ちっ放しに行って、キャディで稼いだお金を半分以上使ってしまっているようでした(笑)。

その頃からのめりこんで、今も好きで続けています。ニュージャージーはゴルフシーズンが短かったため次は暖かいところに行きたいと思っていたのですが、もっと短いカナダに来てしまいました(笑)。ですが、カナダのゴルフ場は綺麗ですし、今年のシーズンもとても楽しみにしています。

(松田)ゴルフをされる駐在員の方は多いですが、学生の頃からされている方は珍しいですね。シーズンオフの間は何かされていましたか?

(西田氏)スポーツは全般的に好きなので、子供がアイスホッケーを始めたのもあり、何かカナダらしいことをやりたいと私も防具を買って一緒に始めたんです。とても楽しいですが、初心者には難しいスポーツですね(笑)。ヘルメットはもちろんしていますが、頭から落ちてクラクラしたことが何度もあります。

子供と一緒にコミュニティセンターのプログラムに参加して練習したり試合をしたりするんですが、始めたばかりの時は子供に勝って大人気なく喜んだりしていたんですが、子供は成長が早くて、今ではもう完全に打ちのめされてしまっています(笑)。

(松田)私も少しスティックでパックを叩いたことがあるんですが、思っていた以上にパックが重くて驚きました。

(西田氏)そしてまたパックを叩く音がいいんですよね。アイスホッケーを生で見るととても迫力のある音で、音に魅了されてホッケーをしてみたいと思ったんです。

カナダは流石に、アマチュアのアソシエーションがとてもしっかりしていますし、大人の初心者でも参加できるチームやプログラムが充実しています。ビギナーのクラスなら初心者が集まるので全然恥ずかしく感じません。せっかくカナダにいることですし、すごく面白いスポーツなので、皆さんにも是非挑戦してもらって一緒にプレイしたいですね。

(松田)日本人ホッケーチームを作るというのも面白いですね。では最後になりますが、商工会会員へメッセージがありましたらお願いします。

(西田氏)トロントの商工会は大変しっかりしていると感じています。着任早々ご挨拶に来ていただいたり、メールでも頻繁に色々なご案内をいただいております。また商工会を通じて他の企業の方々とも知り合うことができました。何も知らずにカナダに着任した駐在員としては大変有りがたい存在だと思います。

また、現在補習校の運営委員も務めさせていただいていますが、海外での子供の教育に携わるチャンスを頂けたというのは大変貴重な経験で感謝しています。委員の皆様もとても真剣に情熱をもって学校を良くすることを考えていて、素晴らしい取り組みです。色々とお世話になっておりますが、これからも行事等に参加させていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

(松田)インタビューは以上になります。今日はどうも有り難うございました。



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