「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第91回>
Toyota Tsusho Canada, Inc.
鈴木 健吾 President


豊田通商カナダの鈴木社長にインタビューをして参りました。ケンブリッジにあるオフィスはトヨタ自動車さんの工場の目の前です。2013年4月に着任され、長いご駐在経験の中、初めての単身赴任とのことです。以前のご駐在時のお話や、お忙しい仕事の合間に活動的に様々なことを楽しんでいらっしゃるプライベートのお話を伺ってきました。


(松田)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(鈴木氏)豊田通商カナダはトヨタグループの会社として、トヨタカナダさんを始めとしたトヨタグループ関連会社を中心にサプライチェーン・マネジメントを担っております。材料や部品の調達から物流、また、ここ本社の隣りにある「Maple Automotive Corporation」という子会社ではサブアッセンブリーを行っており、総合的なサプライチェーンのサービスを提供させていただいております。

設立は1988年、ここケンブリッジで豊田通商の駐在員事務所として設立されたのが始まりで、その後1993年に豊田通商アメリカの支店になり、2003年に豊田通商カナダの現地法人となりました。現在拠点はケンブリッジとウッドストックに構えており、社員数は子会社二社を含め、約170名です。

(松田)御社はカナダにいくつか子会社をもっていらっしゃるようですね。

(鈴木氏)豊田通商カナダの子会社としては二社あり、先ほど申し上げましたサブアッセンブリーを行っている「Maple Automotive Corporation」、そして鉄とプラスチックのリサイクル事業を行っている「Green Metal Canada Inc.」です。この二社は私が社長職を兼任しております。

カナダには他に、日本の豊田通商の子会社として、ピアソン空港の近くで発電事業をしている「Goreway Power Station」、そしてカルガリーを拠点として天然ガスの採掘をしている「Toyota Tsusho Wheatland Inc.(TTWI)」という会社があります。それぞれの会社には日本からの駐在員も常駐しております。

(松田)豊田通商さんはグループとして様々な事業をされているんですね。では豊田通商カナダさんの強みはどちらにあるとお考えですか。

(鈴木氏)当社の強みは、一つ目にトヨタさんを中心としたトヨタグループ各社さんとのお取引を通じたファウンデーション、そして二つ目にグローバルに広がるネットワークだと考えております。

カナダは治安も含め、近年の自動車販売数も170万台くらいで、“安定”した国であるという印象をもっていますが、“安定”に留まることなく今後の“発展”につなげていかなければなりません。当社のもつグローバルネットワークを活かし、カナダだけでなく他国にも視野を広げて、カナダを基点にユニークなプロファイルを他国にも展開したり、あるいは他国の豊田通商のビジネスモデルを参考にしながら、更にビジネスを拡げていきたいと考えております。

(松田)御社が今後特に力を入れてやっていきたいことはどのようなことでしょうか。

(鈴木氏)豊田通商グループがグローバルビジョン2020として掲げた「TRY 1(トライワン)」というビジョンがあります。豊田通商グループは従来自動車関連ビジネスに重きを置き、今後も変わらず力を注いでいきますが、このビジョンは”自動車(Mobility)”フィールドの成長に更なる拍車をかけるために、“生活(Life & Community)”と“地球(Earth & Resources)”という2つのビジネスフィールドにも注力し、3つのビジネスポートフォリオのバランスを整えることで相乗効果をもたらそうというビジョンです。

当社もこの方針に従い、総合的にお客様と社会のお役に立てる会社を目指し、我々の強みである“自動車”ビジネスをベースに“生活”と“地球”関連ビジネスにも力を入れていこうと皆で取り組んでいます。

(松田)それでは、鈴木社長のご経歴についてお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらですか。

(鈴木氏)出身は岐阜県です。大学から名古屋、そして名古屋に本社のある豊田通商に就職しました。 これまで日本にいる間はほとんどが名古屋本社勤務でした。

20代後半にベルギーのブリュッセルに2年間駐在し、東欧向けの自動車販売を担当。そして30代のときはイギリスに7年間、40代ではアメリカのテネシーに赴任となり、3年ほどいたところでカナダに、2013年4月にこちらに参りました。

(松田)海外駐在が長くいらっしゃいますね。

(鈴木氏)日本にいるときもタイに長期出張をしたりと海外に出ることが多く、海外経験は通算14年ほどになっています。

ベルギーは本当に魅力的な国で、帰国の時は惜しみつつ帰りました。イギリスも7年間いたのでとても愛着が湧きましたし、アメリカも3年間過ごして多くの良い部分に触れたので離れるのが残念でした。 

カナダはまだ1年弱ですが、帰国の時にはまた去りがたいほど好きになれるといいなと思っています。 カナダは食文化も非常に豊かで、バラエティ豊かな文化に触れることができる魅力的な部分がたくさんありそうですので、今後色々と見聞を広めていってカナダの良いところにどんどん触れて生きたいと思っています。

(松田)今までで一番印象に残っているお仕事にはどのようなものがありますか。

(鈴木氏)イギリスでサブアッセンブリーの会社を立ち上げた時のことが一番印象に残っています。社内の様々な部門からメンバーが集まって、出張者や現地社員を含めたプロジェクトチームを結成しました。

私はそのチームのリーダー格として参画していたのですが、当時、豊田通商では同じように会社を立ち上げるプロジェクトがほとんどなかったため、完成形がはっきりとわからないまま、皆で一から右往左往しながらやり遂げました。

(松田)新しい会社を立ち上げるのは大変だったと思いますが、どのような点でご苦労されましたか。

(鈴木氏)私は当時機械担当だったのですが、会社を立ち上げるには例え小さくても人揃えの機能、部門が必要なため、人事の仕組みや経理の仕組みなど、自分の専門外の分野まで皆で作らなければなりませんでした。そしてリーダーとして皆に気を配り、追い詰められた状況の中チーム内で諍いが起きてしまったときにはそれを諌めたりと、色々なことに対応したことも貴重な経験となっています。

稼動開始が1月2日だったため、その1ヵ月半前の11月中旬からは、本当に全く休みなく、皆で朝は5時6時から夜は12時までと働きました。私も当時は37、8歳でしたし、他のメンバーも私より若かったので体力もあったため、そのような勤務体系でやり遂げることができました。

本当に大変でしたが、実際に会社が立ち上がり、製品が出荷される様子をみたときは、その辛さも吹き飛び、皆で感じた充実感や達成感は格別でした。今でもその関係者と会うと、あの気持ちをもう一度味わいたいねと話をすることもあります。 あの頃より体力は落ちていますし、今同じ経験をするのは難しいかもしれませんが、是非若い人たちにも同じような達成感を味わって欲しいですね。

(松田)思い出深いご体験を今でも語り合える方たちがいらっしゃることも貴重ですね。

(鈴木氏)今まで出会ってきた人達は、財産だと思います。その時のイギリスのメンバーや社員はもちろんですが、ベルギーやアメリカで出会った人達も、もう会社を辞めてしまった者も含めて今でも連絡を取ることがあり、そういった関係を築けていることも嬉しいですね。

いつか皆を訪ねてベルギーで一緒にビールを飲んだり、イギリスのパブに行ったりしたいなと思っています。立ち上げに関わった会社にも非常に愛着があり、自分も足跡を少しは残せたということが感慨深く、いつか定年退職しても見に行きたいと思っているくらいです。

(松田)では、鈴木社長がお仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことでしょうか。

(鈴木氏)まず一つはチームワークです。若い頃は自分の責任範囲も狭いわけですが、だんだん責任範囲が広がるにつれ、自分でできることは限られているということをより強く感じます。 そのために、チームのメンバーの協力は必要不可欠ですし、それを廻すチームワークは大変重要だと感じています。

二つ目は、常に相手のことを考えて仕事をすることです。先のチームワークにもつながってきますが、独りよがりでは絶対に良い仕事をすることはできないんですね。
例えば旅費の精算をする場合、領収書をばーっと提出するだけの人がいますよね。次にそれを処理する人のことを考えれば、きちんと番号をつけた対応表を作成したりと、次の人が仕事をやりやすいようにと配慮したものを提出することができるはずなんです。

社内外問わず資料を一つ作るときも、この資料は誰にあてたものなのか、どういうメッセージを伝えるための資料なのかを意識し、ストラクチャーを考えたストーリー性のある資料を作るようにと伝えています。

“チームワーク”と“相手のことを考えた仕事”。この二点は社の皆に常に口をすっぱくして言っており、大分浸透してきているなと私も手ごたえを感じてきていますので、大事にして続けていくようにします。あと、個人的には、10何年前にある方から教わった「和顔愛語」という言葉が好きで、実践していければと思っています。

(松田)それでは、プライベートなこともお伺いしたいと思いますが、好きなスポーツはなんでしょうか。

(鈴木氏)学生時代は中学から大学までテニスをしていましたが、会社に入ってからはゴルフをやっています。特にイギリスにいたときは、セントアンドリュースなど有名なコースでもプレイすることができ、またスコットランドやアイルランドにもゴルフツアーに行ったりと夢中になってやっていました。

イギリスやアメリカと比べても、カナダのゴルフ場は非常に美しいと感じています。冬場は完全にクローズするために芝生のコンディションが良く、自然保護区になっているところも結構あり、まだひと夏しか過ごしていませんが、プレイをとてもエンジョイできたので、今年の夏も楽しみですね。

また若い頃はスキーもやっていました。先日トロントに買い物行ったときに、ちょうどスキーグッズが売っているのを目にして衝動買いしてしまい、20数年ぶりに滑りました。その日はすっごく寒い日だったのですぐ退散してしまいましたが(笑)、この冬の間にまた滑りに行きたいと思っています。

(松田)活動的に過ごされていますね。他にはどのようなことをされていますか。

(鈴木氏)プロスポーツ観戦も好きです。アイスホッケーはもう3回観にいき、野球も2度観にいったんですが、たまたまダルビッシュと黒田の試合を観れました。あとNBAが大好きな息子の影響で私も好きになり2回観にいきました。

アメリカにいた時は田舎町だったので、プロスポーツを観るためには3時間かけてアトランタに出なければいけなかったんですが、今は1時間ほどでトロントに出て観れるためとても恵まれていますね。家族には内緒ですが、一人なので家族にも気を遣わず観たいと思ったときに観にいけるのも良い点です。

(松田)では、今後カナダでやっていきたいことはどのようなことでしょうか。

(鈴木氏)初年度なのでなかなか余裕がなかったのですが、せっかくカナダに住んでいるので今後は出来る限りカナダ国内を旅行して、先の繰り返しになりますが、カナダで見聞を広めて帰りたいなと思っています。

去年の夏はケベックシティに一人旅に行きました。今まで一人旅ってほとんどしたことがなく、初日はやはり一人で少し寂しいなと思っていたんですが、翌日目が覚めると不思議と気持ちが切り替わって楽しむことができました。

ケベックシティの石畳はベルギーの旧市街と似ていてとても綺麗で、ぶらぶら散策するだけで楽しく、目に付いたレストランに入って昼間からワインを飲み、道行く人を眺めて、その後ホテルに帰って昼寝して夜また出かけて、などと気ままに過ごしているととても贅沢な時間だと感じました。昨年は週末を含め4日間だけの夏休みだったので、今年の夏はもう少し長く休みを取ってまた一人旅をしたいと考えています。

カナディアンロッキーは見てみたいですし、シーフードが美味しく良いゴルフ場があるというプリンスエドワードアイランド(PEI)にも行きたいですね。

他には、古いロックが好きなのでイギリスではエアロスミスのコンサートに行ったり、田舎をサーキット中の古いロックバンドを観に行ったりとしていたんですが、先日トロントで“The Rockpile”というハードロックのライブハウスを見つけました。 私が高校・大学時代にずーっと聴いていたり、下手くそバンドでコピーしていたような曲をビールと共に楽しむことができて、そこはやみつきになってしまいそうです。

(松田)お一人でもすでにかなりトロント生活を楽しまれていらっしゃいますね。今後も更に足を伸ばしてカナダを満喫してください。それでは最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願いします。

(鈴木氏)自動車関連を中心にお仕事をさせて頂いておりますが、出来る限り多くの皆様と知り合いになって、いろいろと学んだり、情報交換をさせていただきたいと思っています。 ケンブリッジにおりますので、こちらにいらっしゃる際には是非お寄りいただければと思います。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

(松田)本日はどうも有り難うございました。



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