「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第90回>
カナダ郵船ロジスティックス㈱
吉次 篤志 Vice President

第90回の代表者インタビューは、郵船ロジスティクスの吉次氏です。着任された2011年より多くの業務改善に努めていらしたという吉次さんに、ブランプトンにあるオフィスに付随する倉庫内も案内いただき、実際の改善模様を見学させていただきました。
高く積まれた製品や大きなラッピングの機械など、なかなか見る機会のない倉庫の様子を一つ一つ丁寧にご説明いただきました。オーバーサイズの航空貨物部品の配送のお話しなどを伺い、普段目にしないところにたくさんの人々の働きや知識が関わっていることを実感しました。



(松田)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(吉次氏)カナダ郵船ロジスティクスは“モノ運び”の会社です。お客様からお預かりするお荷物は千差万別ですが、例えば、電子機器、車や航空機の部品、製造機械、厳密な温度管理が必要な医薬品などです。お預かりしたお荷物を、陸・海・空の輸送モードの中から、お客様のニーズにあったものを選び、輸出入とカナダ国内の配送を行っています。

設立は1988年で、昨年25周年を迎えました。現在トロント、バンクーバー、モントリオールの三支店体制で、従業員は約100名です。

(松田)御社の強みはどこにあると考えられていますか。

(吉次氏)弊社の強みは、世界38カ国に自社法人をもつグローバルネットワークです。2010年の秋に、日本郵船の傘下であった、郵船航空サービスとNYKロジスティクスという2社が経営統合し、郵船ロジスティクスに社名を変更しました。

航空/海上事業に強い郵船航空サービスと、海上/3PL倉庫/国際トラック輸送事業に強いNYKロジスティクスが一緒になることで、より複合的なサービスを提供できるようになりました。具体的には、世界中で倉庫スペースが増え、また多くの国で自前のトラックを使った一貫輸送を行えるようになりました。カナダでは契約トラック会社と共に業務を行っています。

(松田)オーバーサイズにもなりうるという航空貨物の部品輸送についてお伺いしても宜しいですか。

(吉次氏)航空機の一部、例えば翼の半完成品などの輸送です。横幅が5メートル弱あり、 日本から海上輸送して西海岸で荷揚げし、その後トラックでオンタリオ州までカナダ横断配送しています。距離は約4,500kmで、約10日間ほどかかります。カナダは通過する各州によって異なる規定があるので、それに沿って厳冬期含め、厳しい納期要求に対応しています。

(松田)州をまたぐ度に対応を変えなければいけないのは大変ですね。では厳密な温度管理が必要な医薬品というのは、どのように対応されるんですか。

(吉次氏)カナダのように寒い国ですと冬場の気温低下も気にするところですが、特に夏場の方が心配です。カナダ国内だけでなく日本やアジア諸国など大変暑くなる海外への輸出が多いので、特別に温度管理が厳しく高価な薬品などの輸送の場合は、バッテリーが内臓された特殊保冷コンテナを使用します。

航空輸送で発地と着地で充電をして、常に設定された温度を保つようになっており、内部の温度が外側から確認できるようになっています。そして温度変化を記録するセンサーを着け、発送から到着までの間のどの地点でどのような変化があったのかを追うことも可能です。

ただ特殊保冷コンテナのレンタルコストは安くないので、お客様の輸送コスト削減依頼で、そこまで厳密な温度管理が必要ではない場合は、数種類の保冷材などを併用して中の冷気が外に逃げないように割安な輸送方法も提案しています。

(松田)今後特に力を入れてやっていきたいことはどのようなことでしょうか。

(吉次氏)業務品質の向上です。会社統合後、全社的なカイゼン活動に取り組んでおりますが、カイゼンに終わりは無く、今後も力を入れていきたいです。

郵船ロジスティクスは世界5極体制(米州極、欧州極、東アジア極、南アジア・オセアニア極、日本極)を敷いていますが、当社のカイゼン活動には、米州極や日本極からもサポートを受けています。そしてベストプラクティスは全世界で共有しています。

これまでも5S活動を通して自社倉庫内で整然とした環境を作り、新たに歩行者通路を設置して安全向上に努めてきました。またライトをLEDに変更して省エネにも取り組んできました。当社倉庫は物流セキュリティ基準のTAPAで最高のAレベルを取得しています。

また、倉庫内でストップウォッチを持って作業内容を観察する事もあります。
作業員には通常通りのやり方と作業スピードで行って貰うのですが、ずっと見ていると「こうした方がいいのでは」との気付きが出てくるものです。

ただ、長年その仕事をしている従業員に、やり方を変えてみようと提案し、首を縦に振ってもらうのは簡単ではありません。それをどうにか説得して試してもらったら、無理なく作業時間を短縮できて、そのデータを示して作業員も認識する。そうするとカイゼンできた事を実感し、他にもできることがあるんじゃないかと作業員自ら考え始め、アイデアを出してくれるんですね。

従業員とのコミュニケーションも大事なところですが、気にかけているところは、過去のやり方を否定するのではなく、未来のやり方を話すことです。そして長年働いてくれている現場の従業員に敬意を払うことです。

(松田)それでは、吉次さんのご経歴についてもお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらでしょうか。

(吉次氏)出身は佐賀県です。1992年に入社し、最初の5年間は成田空港、その後2年間は関西空港に勤務し、輸入業務をしていました。そして1999年7月にベトナムに異動になり、ホーチミンで4年強、ハノイで2年強と合計6年4ヶ月いました。
私が駐在中に、駐在員事務所から現地法人設立となり、ホーチミン本社、ハノイ支店立ち上げに関わったこともあって、通例よりも長く滞在することになりました。2005年10月に日本に帰任し、東京の三田輸出支店で5年半営業をしました。そして2011年4月にカナダに来ました。

(松田)ベトナム赴任ではどのようなご経験をされましたか?

(吉次氏)1997年のアジア通貨危機では若干ベトナムも伸びが鈍ったんですが、2001年頃から持ち直し、その後は右肩上がりで伸びていきました。ホーチミンもハノイも日系企業の進出ラッシュで、工業団地がどんどんと増えていきました。ハノイには2年間いたのですが、その2年の間にハノイからハイフォンの100km程の道中の景色がどんどん変わっていったのを覚えています。始めは田園が広がっていたのですが、あちらこちらに次々と工業団地ができていきました。

また、ベトナムは生産国でもあるので、部品を輸入して完成品を海外に輸出する比率が高く、輸出入共に大活況でした。

(松田)今までで一番印象に残っているお仕事はどのようなものでしょうか。

(吉次氏)ハノイの支店の立ち上げは特に印象に残っています。初代の支店長として、何も無いところから事務所探し、看板のオーダー、備品のオーダー、従業員の採用など全てやりました。実際の業務が始まると、正しい方向に進んでいるか常に従業員と話して確認し、気を配っていました。軌道に乗るまでは、毎日気が休まる日はなかったですね。特にベトナムでは一般的に土曜日も働くので、休日も仕事のことが完全に頭から離れることはありませんでした。

(松田)それでは、吉次さんがお仕事を進める上で大切にされているのはどのようなことでしょうか。

(吉次氏)現場に足を運び、実際に何が起っているのか、何が起きたのかということを確認することです。我々の業界は特にそうだと思いますが、実際に現場に行って初めて見えてくるものがたくさんあります。

離れた場所では断片的な情報しか得ることができないことがありますが、現場に行くと周囲の状況やスタッフとの対話などから色々な現実が見えてきます。“聞く”だけと“見る”のでは全く違う状況があることを、自らの経験をもって学んだんです。また現場での体験は、会話の中でお客様に伝わるものと確信しています。

(松田)それでは、プライベートなこともお伺いしたいと思いますが、ご趣味や好きなスポーツはなんでしょうか。

(吉次氏)一年ほど前から、ホットヨガをやっています。アンチエイジングには股関節や肩周りの柔軟性を高めるといいと本で読み、実際自分でも元々固かった身体がより固くなっていることを実感していたんです。そこで身体の柔軟性を上げたいなと思っていたところ、ちょうどホットヨガを以前からやっていた家内に勧められて初めてみました。

そしたら思いのほかキツくて驚きました。汗も大量にかきますし、60分間で水を1.5リットルくらい飲むんですが、終わった後に全てが流れ出ている爽快感と、柔軟性もちょっとずつですが高まってきている実感もあり、それ以来ずっと週1、2回のペースで行けるときは行くようにしています。

(松田)私もホットヨガしたことありますが、意外ととてもキツいですよね。初めて行ったときは、熱さでバテてしまって時間の半分は部屋の端っこで座っていました(笑)。

(吉次氏)私も初めはそうでした(笑)。ただ少しずつ身体も温度に慣れてきますし、段々とリラックスできるようになってきますよ。目的のストレッチも効果を感じていますし、今のところ四十肩などには無縁ですね。冬場は特に汗をかく機会も少ないですし、全身が暖まりますのでお勧めです。

(松田)この国ではお風呂につかる機会も減りますし、ちょうど良いですね。他に休日にされていることはありますか。

(吉次氏)冬場は、家族と一緒にスキーやスケートをやっています。スケートは、やっと転ばずに滑れるようになったくらいですが(笑)、リドー運河の7.8kmある世界最長屋外スケートリンクもお勧めです。防寒対策をお忘れなく。


(松田)では、最後に商工会会員にメッセージがありましたら、お願いいたします。

(吉次氏)駐在員としてカナダに来られた商工会会員の皆さんが、日本を離れ、同じ時期に同じ国同じ地域で仕事をしているということは、正に“縁”だと思います。その貴重な縁を活かして、色々な方と刺激を受けそして与えられる、有意義な交流を幅広く行っていきたいと思っています。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

(松田)インタビューは以上になります。どうも有り難うございました。


   
 オタワ・リドー運河にて  クロスカントリースキー



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