リレー随筆


仕事と学び

Royal LePage Signature Realty
Sales representative
服部 江理子


「どうしてカナダで、不動産の仕事をしようという決心をされたのですか」この9月、カナダにおける女性労働の研究をされている山口大学の学生さんがトロントに研究に来られ、私も参加している、FTFBW(女性ビジネスの会)のメンバーの日本人女性に、インタビューをさせてほしいということで、質問されたことの一つです。

「決心」と聞いてそのとき思ったのは、今まで自分は、カナダに移民するのも不動産の仕事を始めたのも、「決心」をした、というよりは、自然にそうなるべきして、そうなったように思えます。実際に不動産の仕事を始めたのも自分の家の購入の体験が楽しかったこともあり、セールスという仕事が自分の性格に合わないのではないかという不安はありましたが、まあやってみようという感覚ではじめました。それが、なんとこんなに奥が深い仕事とは。この仕事を始めて10年が経った今でも学ぶことは尽きず、それが私の仕事に対する原動力になっています。

人は、さまざまな経験を通して常にいろんな学びを得、本当の「自分」とは何かを探りながら、本来の自分に近づくために生きていくのだと思います。仕事は人生の経験の中の大きな役割を担っていますので、仕事を通して学ばせてもらうことはたくさんあります。タイムマネージメント、コミュニケーション、交渉力などを含めたビジネススキルはもちろんですが、そのほか、一見、ビジネスには直接結びつかないような部分での学びも大きいです。

たとえば、プレッシャーが多くストレスがたまりがちなこの仕事をやっているからこそ、ストレスを飛躍のばねにこそしても、溜め込まない方法を試行錯誤しました。そのおかげで、毎朝、瞑想をして、ジムに行き、ヨガや運動をするのが日課となりましたし、食事にも気をつけるようになりました。そのため心身ともに健康になりました。また、過去にこだわったり、先のことを心配したりすることをやめ、「今、この時」を生きる心がけをするようになりました。実際、ほとんどの不安は、自分の頭の中であれやこれやと考えて作り上げたものですから。

そして、自分自身学んだことは、私のお客様に対する心がけともなっています。不動産の売買は、それが住宅であれ、投資物件であれ、お店であれ、売買される方にとっては、人生における大事です。私は仕事を通して、その過程を一緒に経験させていただいております。そう考えると、お客様とのこの大切な経験を、この「時」をよりいっそう大切にしたいと感じるのです。不動産売買の過程では、スムーズに行かないことや問題もいろいろ出てきますので、そんな時はなおさら、私が、ポジティブなエネルギーを保つことの大切さを感じます。

仕事を通しての学びは、これからもずっと続くでしょう。ありがたいことです。



この号の目次へ戻る   「リレー随筆」記事一覧ページへ