「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第80回>
Hitachi Power Systems Canada Ltd.
Engineering Specialist 小山田 大祐

日立パワーシステムズカナダの小山田氏にインタビューをして参りました。オフィスはミシサガです。日本では様々なインフラ構築や家電製品で有名な日立さんですが、カナダでは発電設備の事業が主とのこと。日系企業としては珍しいカナダの原子力発電ビジネスについて、色々とお伺いしてきました。


(松田)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(小山田氏)日立製作所は、日本で情報系インフラ、発電関係インフラ、上下水道のインフラ、鉄道運行システムの構築や、建設機械、エレベーターなどの製造や、ご存知の通り家電の製造など多岐にわたった事業を行っております。

日立パワーシステムズカナダは日立製作所のグループ会社であり、主な事業は発電設備の提供です。設立は昨年2012年で、元々カナダ国内には2つのグループ会社があり、その2つが統合して現在の会社となりました。

(松田)カナダでの拠点はどちらにありますか。

(小山田氏)カナダにはサスカトゥーン、カルガリー、トロントの三拠点があり、社員数は、三拠点全部で約260名です。日本人はトロントに私1名と、カルガリーに2名、サスカトゥーンに1名の計4名がおります。サスカトゥーンには工場を持っており、例えば、風力発電用の風車のタワー、発電設備用のボイラーや熱交換器などの大物の設備を製造しています。トロントオフィスの主な業務は、発電設備の売り込み、そして原子力発電所向けの制御装置の開発です。制御装置の開発はかれこれ10年弱続いているプロジェクトなんですが、カナダの企業と協業して行っています。

(松田)制御装置とは具体的にどのようなものですか?

(小山田氏)制御装置とはよく発電所の神経に例えられる重要な部分です。簡単にいうと、原子力発電所というのは水の入った大きなお釜みたいなもので、そのお釜の中の水を沸騰させ蒸気を発生させることでタービンを回し電気を作っています。制御装置は、お釜の中の圧力や水位、そしてお釜から発生する蒸気の量などを監視し、調整することができます。あるいは、地震発生など何らかの危険な状況になった場合に安全に原子力発電所を自動停止するための機能も備わっています。

カナダでのプロジェクトでは、装置自体は日本で作っているのですが、その装置に現地の協業企業が制御用ソフトウェアを組み込んで使用します。そのソフトウェアの実証試験を行う上で、この部分を変更してほしいとか、ここが上手くいかないという協業相手からの要望があった場合、私が実際に協業相手の元に出向いて内容を確認し、対策を実施します。そして、自分で対応できない部分については日本側で詳細な調査を行ったうえで、サポートしてもらう形をとっています。

(松田)御社の事業にとって、カナダという市場はどのように感じられていますか?

(小山田氏)実は、カナダ企業が作っている原子力発電所というのは、世界の中ではマイナーなものなんです。原子炉の炉型には、大きくわけると軽水炉、重水炉、それ以外のものとありますが、カナダで採用しているのは重水炉で、しかもカナダ固有の技術を使って作られているものです。カナダ産の原子炉は海外にも輸出をしていますが、世界のシェアからするとまだまだ小さいです。そのニッチなところに適応できているというのは逆に強みでもありまして、カナダの原子炉が世界に出て行くときには、共同で開発している弊社の製品も使っていただける可能性が高いという利点があります。


(松田)今後御社が力を入れていきたいところはどのようなところでしょうか。

(小山田氏)原子力発電所の建設は政治的な事情も絡んでくるため、なかなか我々の思いだけではどうしようもないこともあるのですが、最終的に建設が決まった段階でこちらもすぐに動き出せるように、現状の製品に更なる改良をしていきます。あとは、協業相手がカナダ国内だけではなく、他国にも原子力発電所を作る計画がありますので、そちらにも対応していけるように準備を進めていきたいと思っています。

(松田)それでは、小山田さんのご経歴についてお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらですか。

(小山田氏)出身は三重県です。高校まで三重県で過ごし、大学と大学院は名古屋におり、就職を機に茨城に行きました。元々大学、大学院と原子力を専攻していたため、せっかくなら原子力を活かせる会社に就職したいと思っていました。私の性格からして電力会社には向いていないと勝手に思っていたため、ものづくりができるメーカーなどに就職したいと思っていました。何社か面接を受けた中で日立の面接が非常に好印象で、日立に入社することになりました。

(松田)海外駐在は初めてとのことですが、カナダの印象はいかがですか。

(小山田氏)私の前任者が日本で働いていたときの直属の指導員に当るのですが、カナダでの駐在経験は今後の勉強にもなるので是非来た方が良いとアドバイスをもらったことが大きいです。また今後は海外で働く機会も増えることが予想されますので、早いうちに海外を経験しておきたいと思い、こちらに来ました。カナダは治安も良くて大変住み易く、駐在には非常に良い国だと実際に来てみて実感しています。英語が得意ではないのでコミュニケーションの面では歯がゆい思いもしますし、相手方にも迷惑をかけているのではと思いますが、技術的なことであれば何とか分かり合えることができますし、日々学ぶこともたくさんあり、今では来て良かったと思っています。

(松田)今までで特に印象に残っているお仕事は何かありますか。

(小山田氏)入社して初めてメインでやらせていただいた仕事が、ある制御装置の入れ替えだったのですが、それが福島第一原子力発電所の制御装置だったんです。非常に苦労しましたが、いろいろな方々のご協力の下、何とか完了し無事に運転も再開しました。しかし、その約1年後に東日本大震災が起きました。今ではもちろん私の設計した装置は動いていませんが、特別な思いのある大変印象に残っている仕事です。

(松田)小山田さんがお仕事をする上で心がけていらっしゃること、大切になさっていることはどのようなことでしょうか。

(小山田氏)カナダに来ても日本にいても同じですが、モノを作るということは当然一人ではできませんので、同じ設計のポジションの人だけでなく、実際にモノを作る人々や試験をする人々とのコミュニケーションを大切にしています。日立ではモノを作っているところを“ゲンバ”と呼ぶのですが、私はそのゲンバに足しげく通って、状況を確認するだけでなくゲンバの方々とコミュニケーションをとるということを心がけています。これは私の中では日々の習慣になっており、これからも欠かさず続けていきたいと思っています。

(松田)それでは、プライベートについてもお伺いしたいと思いますが、好きなスポーツはありますか?

(小山田氏)こちらに来てからですが、ゴルフを始めました。あと、今はやっていないのですが、大学時代はボート部に入って4年間ボートをやっていました。
主にメインでやっていたのは8人漕ぎの「エイト」という種目です。

ボートは集団スポーツですし、とにかくみんなで息を合わせて漕ぐというのが大切になる競技です。活動場所が大学から遠かったのもあり、合宿も多く長い間共同生活もしました。自然と人間関係を築いていく力がついたと言いますか、人とのコミュニケーションやつながりを培うのに良いスポーツだったと思います。あと、スピードが出るととっても気持ちいいんですよ。「エイト」はボート競技の中では一番スピードが出るのですが、大体時速20kmくらいの速さで、自転車が併走できるようなスピードです。陸上から見るとそれほど速く感じられないかもしれませんが、水上で体感するととても速く感じられます。

(松田)カナダではカヌーやカヤックが人気ですが、もうされましたか?

(小山田氏)まだなんで、是非やりたいと思っています。ただ、カヌーやカヤックとボートの大きな違いは、進む向きです。ボートは後ろに進むんですが、カヌーやカヤックは前に進むんですね。あとオールも1つですし、漕ぎ方も違うので思い通りにはいきそうにないですが、カナダではレンタルも盛んで気軽にできそうですし、暖かいうちに是非やりたいですね。

カナダと言ったら自然なので、国立公園など自然を観に行きたいとも思っています。ただ、今私は単身で来ていますので、妻と子供を日本に置いて遊びまわるというのもなかなか気が引けますので、あまり出かけてはいないですね。

(松田)他に最近の楽しみは何かありますか?

(小山田氏)実際は忙しくて球場には行けてないんですが、ブルージェイズの試合はよく観ています。今は川崎選手も出ていますので、より楽しいですね。野球はやらないんですが、父親が熱狂的な巨人ファンだったこともあり、観戦の機会は昔から多かったです。
あとは子供が2月に生まれまして、毎日のスカイプも楽しみの一つです。5月にやっと帰国して初めて会って来たのですが、やはり可愛いですね。どんどん大きくなっていて、また次に会うのが楽しみです。きっと今は私のことをスクリーンの中にいる小さい人だと思っているので、帰る頃に私を認識できたら、「大きい!」ってびっくりされると思います(笑)。

(松田)カナダでも日本でも、たくさんの楽しみが待っていそうですね。最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願いします。

(小山田氏)トロントに単身でおり、寂しい思いをしていますので、色々声を掛けていただけたら嬉しいです。皆さん宜しくお願いします。

(松田)では、インタビューは以上になります。どうも有り難うございました。




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