「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第76回>
WellBe North America / ウェルビーノースアメリカ
Senior Manager 塩田 央  

今年の1月より商工会にご入会されたWellBe North Americaの塩田氏にインタビューに行って参りました。オフィスはダウンタウン、ヤング×ブロアに位置し、大変便利な立地です。医療サポートサービスを手がけるWellBe North Americaさんの充実したサービス内容や塩田さんの珍しいご経歴など、色々とお伺いしてきました。


(松田)御社の業務内容のご紹介をお願いします。

(塩田氏)本社WellBe Inc.の事業内容は、中国、アジアに進出されている日系企業駐在者及びご家族、出張者、留学生の方々の緊急医療対応サービスを行う会員制医療サポートサービスです。設立は1992年、1994年に日系企業の中国進出ブームを機に上海に進出しました。当初は電話による健康相談会社の医師や看護師からの健康相談サービスを販売していましたが、現地のお客様から実際に病院に行くときのサポートもして欲しいとのご要望があり、それに応える形で現地病院の手配(紹介、予約)、医療通訳者の派遣業務を開始しました。

現在社員数は350名です。会員企業数は約5000社、会員数は約3万6000名で、中国、香港、ベトナム、インド、インドネシア、タイ、シンガポールとアジア各国にてサービスを展開しています。

(松田)御社は昨年(2012年)トロントに進出されたということですが、トロントに来られた理由を教えてください。

(塩田氏)トロントオフィスはアジア圏外では唯一の海外拠点です。こちらではコールセンターの運営をしています。これまでコールセンター業務は、365日24時間を3交代にして上海で運営をしていましたが、上海とトロントの時差が丁度12時間(夏)ということで、夜間の部分だけをトロントに移行することになりました。この移行には3つのメリットがあります。まず、上海での夜間勤務を失くすことで従業員の健康面の負担が軽減され、より良い労働環境を確保することができます。そして第二に、災害時やその他通信障害時のリスク分散です。中国でトラブルが起きたとしても、トロントに転送することでお客様の電話を止めることなく対応が可能です。第三に、英語人材の確保です。弊社は中国語圏のみならずアジアの英語圏の国にもサービスを展開しています。そのため日本語と中国語だけでなく英語での対応を求められる時があり、英語人材を増やすことで更に迅速に多様なサービスを提供することができます。

(松田)それでは、御社のサービスについて詳しくお伺いしたいと思います。

(塩田氏)弊社のサービスには、「事故予防」、「緊急対応」、「保険によるリスクヘッジ」という危機管理三位一体サポート体制というものがあり、この体制を軸に力を入れています。まず「事故予防」は、主に4つのサービスを提供しています。

1つめに、現地での健康診断。健康診断をすることで予防や早期対応をすることが可能です。2つめに、各国での情報誌の発信。例えば感染症が流行した際に、その疾病の症状や予防・対応策等の情報を会員の皆様に発信します。3つめに、各種危機管理勉強会の実施。各会員企業を訪問してお持ちの懸念点を伺い、また社屋や工場での衛生管理方法、例えばどこに手洗場を配置したほうが良いか、などを弊社の経験上からお伝えする勉強会を開催します。そして4つめに医療健康相談。病院にいくまでもないが心配であることの相談を受け、弊社の顧問医に伺い回答させていただくサービスを行っています。

(松田)では、「緊急対応」について教えてください。

(塩田氏)「緊急対応」には主に6つのサービスがあります。1つめは病院手配と通訳派遣。例えば熱がでた、というときにご連絡を頂ければ、病院の予約をし、日本語の通じない病院の場合は弊社の日本語通訳者を派遣します。2つめに、治療費精算のお手伝い。弊社が提携している病院にて各自ご加入されている海外旅行保険の保険証券をお持ち頂ければ、キャッシュレスで診療を受けることが可能です。

特に中国では、緊急入院や手術が必要となった場合、ある一定額のデポジット(保証金)を支払わなければ対応してくれませんが、弊社サービスをご利用頂ければ緊急時に大金を用意しなければいけないという煩わしさも気にされることなくすぐに治療してもらうことが可能です。3つめに、緊急手術時の同意書の取り付け。例えば単身赴任で来られている方が事故に遭い意識がない場合、治療に対して日本にいるご家族等からの同意書をいただかなければならない場合があります。その際にスムースに同意書を頂けるよう手配します。

4つめに、緊急搬送手配。例えば中国で重大ケースが起こり日本で治療する必要がある場合、搬送の際の最善方法を医師や航空会社と確認、手配し、また空港への救急車の手配も行います。5つめにセカンドオピニオンの取り付け。治療方法は1つではなく別の医師が違う判断をする場合もあります。また日本人医師の意見を聞きたいという方もいらっしゃいますので、ご希望があった場合は弊社の顧問医に伺いお答えさせていただきます。最後に、残念ながら現地で亡くなられた方のご遺体の搬送、または現地での葬儀や火葬をご希望される方への手配、そして大使館、警察、入国管理局等、各機関への手続きサポートを致します。

(松田)「保険によるリスクヘッジ」とはどのようなサービスでしょうか。

(塩田氏)こちらは保険の販売業務です。弊社は保険代理店の免許を持っていますので、大手保険会社の商品の中からお客様に適したものをお薦めし販売させていただいております。海外旅行保険、自動車保険、外航貨物海上保険(飛行機や船での商品運搬時等の保険)など、各種保険を扱っています。何かあったときに不必要な出費やリスクを避けるために事前の保険加入を推進させていただいており、これを含めて危機管理三位一体サポート体制です。

(松田)とてもたくさんの種類があって充実したサービスですね。カナダにも同じようなサポートがあると、日本から来た方も大変安心できると思います。

(塩田氏)カナダは先進国ですのでこのようなサービスがどれほど必要とされるのかはわかりませんが、これまでアジア圏のみであった弊社が今回北米に進出してきたのもひとつのきっかけです。中国でも始めは電話相談だけだったのが、お客様からのご要望からサービスを拡大させていただくことができましたので、カナダでも各企業の方々などにお話をうかがわせていただき、我々の経験を生かした医療サポートをいつか北米でも展開できればいいなとは思っております。

(松田)今後特に力を入れてやっていきたいことはどのようなことでしょうか。

(塩田氏)立ち上げたばかりですので、まずはコールセンターを無事に運営することに力を入れていきます。特にお客様に安心感を与えられる医療サポートを目指しています。実際にお客様がいる中国・アジアから離れたトロントにいますが、電話上でもまるでお客様の隣りにいるような臨場感のあるサポート、スムースに対応ができるような体制をつくっていきたいです。そして「ウェルビーがいるから安心して海外で生活できる」と言っていただける、お客様に安心を与えられる心強い存在になりたいなと思っています。

(松田)それでは塩田さんのご経歴についてお伺いしたいと思います。

(塩田氏)出身は京都府です。大学は大阪に行き、卒業後ワーキングホリデーでバンクーバーに行きました。私は競馬の騎手になりたくてバンクーバーに行きましたので、一人で牧場を巡り歩くという生活から始まりました。最終的に競馬の騎手になりましたが、残念ながら怪我が理由でやめることになりました。その後はバンクーバーで大学院に通い、人事学を勉強しました。卒業後日本に帰国し、現在の会社に入社しました。

(松田)競馬の騎手とは稀有なご経歴ですね。もう少し詳しくお伺いしたいのですが、騎手を目指してバンクーバーを選んだのは何故ですか。

(塩田氏)カナダは馬産地として有名な国なんです。「ノーザン○○」という名前の馬は全てカナダ出身です。バンクーバーに着いた当初はつてもなく牧場巡りを一人で転々としていたのですが、最終的にカナダの競馬協会の会長の牧場にたどり着きました。最初は、競馬の新人騎手としては体重が重すぎて無理だ、考え直せと言われたのですが、それなら体重を落せばいいやと思い、2ヶ月くらいアメリカを放浪して体重を10キロ以上、46キロまで落としました。そして牧場で乗馬から始め、最終的に試験に受かり免許を取って競馬騎手となりました。その頃は本当にやりたいことでしたので、夢中でしたね。

(松田)正にご自分で道を切り開いたという感じですね。それでは、入社されてからはいかがでしょうか。

(塩田氏)入社後は総務人事に配属され、主に採用関係の仕事をしていました。そしてカナダを拠点に会社を作るということになった際、私がカナダにいたという経験があったため声がかかり、赴任が決まりました。着任する前には半年間アジア各国各地を周り研修を受けました。各地の拠点、日本人居住区、病院、街の大きさや雰囲気、生活観を見て、実際に暮らしているお客様の気持ちを理解できるよう、そして国の事情に合った対応ができるようにと、学ぶことの多い研修でした。

(松田)今までで印象に残っているお仕事は何かありますか。

(塩田氏)今がすごく充実しています。カナダの事務所を立ち上げるところから携わることができるというのは非常に大きな経験です。時期とチャンスとが合わなければ望んでも関われることではないのでたいへん有り難く思っています。楽しいと同時にすごく大変でもあり、会社の規定集や雇用契約書などを一から作りあげていかなければならず、カナダの法律も勉強しています。事務所を運営するために備品をどこで購入すればいいのか、支払いをどうしたらいいのかという小さいことも手探りで始めておりますが、そのような状況から少しずつ形にしていくというのはとても面白いです。また、会社の設立に関することは大学院で人事学を専攻していたときに勉強しており、また従業員を採用する際には過去の経験が生きており、今までに学んだことが生かせているということも嬉しい点です。

(松田)今が充実しているとお伺いするのは気持ちが良いですね。塩田さんがお仕事を進める上で大切にされていることはどのようなことでしょうか。

(塩田氏)いつでもお客様目線でいることです。コールセンター業務で重要なことは、お客様の時間を無駄にせず、親身に適切な対応をすることです。また弊社に連絡があるお客様は、何かお困りごとがあるから連絡をされます。例えばお客様が「今上海のこことここの交差点にいます」とおっしゃったら、瞬時に上海の地図を頭の中に描いて自分も同じところにいるように想像します。そして不安を感じているお客様に安心感を与えられるよう、的確に自信をもってナビゲートができるよう常に心構えしております。

(松田)それでは、プライベートについてお伺いしたいと思いますが、ご趣味はなんでしょうか。

(塩田氏)好きなことは映画を観ることです。家で暇な時間があったら大抵映画を観ています。たまには妻と映画館にも行きますね。洋画が特に好きで、コメディかアクション映画をよく観ます。あと、今後はゴルフをしたいと思っています。やったことはまだないんですが、駐在している方々からカナダでのゴルフは気持ちが良いと伺いますし、これからもっと多くの方々と知り合いになり、一緒に回らせていただきたいと思っています。
あとは、仕事とも関係があるのですが、カナダの医療事情を調査したいと思っています。OHIPという保険制度やファミリードクター制度など、アジアとは違う制度ですし、整ってはいますがそこにはメリットもデメリットもあると思います。個人的に趣味としても気になるところです。

(松田)それでは最後になりますが、商工会会員にメッセージをお願いします。

(塩田氏)トロントはまだ馴染みが薄いので、これから多くの商工会会員の皆様と出会い、公私共にネットワークをつくりカナダ生活を楽しみたいと思っています。今後お会いしたときは、どうぞよろしくお願いします。

(松田)インタビューは以上です。どうも有り難うございました。





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