リレー随筆


大きな空の下の家



Royal LePage Signature Realty Inc 照岡 敏介


カナダに移住し10年以上,トロントに住み始めた時はいつも空を見上げ「空がでかいな~」と思っていた。自分の生まれ育った町では空を見上げても密集した建造物に囲まれていて、視野がそれに阻まれ空が小さく見えた。

そんな建物のに囲まれて育ち、家業が建設業と言う事もあり自然に“家”という物が自分とは切っても切れない物の存在になっていた。日本とカナダで建築、建設に携わり20余年それを経てカナダで不動産業を学び始めて早4年の日々が過ぎようとしている。

不動産業を通してトロントでいろいろな建物を見てきた。その中には驚いてしまう事が度々ある。先日も登録上は「一家族居住用物件」としておきながら、見ると主要の台所と風呂場以外に4つある部屋各々に台所とシャワー室がついていた。しかしその家の一番の驚きは、5つも電気調理器があるにも関わらず100アンペアー電気配電盤(一般家庭の配電盤)。一日に何度ブレーカーが落ちるのだろうと考えてしまった。また、5つのシャワー室にも関わらず一般家庭用の温水漕がついるのを見た時は、ここの住人の何人が温かいシャワーを浴びられるのだろう?そして何人が冷たいシャワーを浴びるのだろう?と思ってしまった。

これ以外にも数々の、知識なしで行われた増改築を目の当たりにしてきた。”家“という物は自分たちの周りにいつもあり自分たちの生活には欠かせない物。当たり前のようにいつも有る物なので有難みを感じなくなってしまい、大切な所を見落としがちになってしまうのかも知れない。しかし、その構造や構築を学び始めるととても深い。学びきれない程の歴史と知識と経験で家という物が作られていることに気づく。そして、進化している。

お風呂場を一つ作る事を考えても、大工工事、水道工事、電気工事と厳しい基準がありそれを基に作られている。人に問われなければ、聞かなければ壁の裏の構築を知る人は少ないと思う。

これからも、今までの経験や知識を基に住まい探しのお手伝いをし自分を信じていただいた方には親身になって接していこう。そして、お客様の笑顔を頂こう。



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