「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第75回>
Yamaha Canada Music Ltd./ヤマハカナダミュージック
President 松代 研一


2012年11月より赴任されたヤマハカナダミュージックの松代社長にインタビューをして参りました。松代社長には、2013年度の商工会理事も務めて頂いています。オフィスはスカーボローにあります。ロビーには、博物館にあるような1921年生産のリードオルガン、40周年記念のギター等が展示されていました(記事の最後に写真があります)。
ヤマハカナダさんの行っているコミュニティ支援事業のお話、ラテン系国のご駐在の話等、色々お伺いしてきました。



(松田)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(松代氏)楽器とAV機器、オーディオ機器のカナダにおける販売です。製品は日本とインドネシアと中国にある工場から100%輸入しております。設立は1969年、社員数は現在93名です。カナダでは他にバンクーバーに倉庫を持っています。

(松田)お客様はどのような方が多いでしょうか。

(松代氏)弊社は基本的にはディーラーさん向けの販売ですので、お客様は楽器店さんやオーディオ販売店さんです。最近は、ウェブサイトやSNSを使用して、弊社の商品を購入して下さる一般のお客様に直接発信していくなどの工夫をするようになり、力を入れております。

(松田)御社の強みはどこにありますか。

(松代氏)弊社が設立された1969年というと44年前、その当時からここカナダで楽器、オーディオの販売という事業を変わらずやっており、「ヤマハの楽器」というと誰もが聞けば知っていて下さる、信頼と憧れのブランドとして現地に根付いていると思います。そのブランド力は弊社の大きな強みです。また、過去の赴任者や従業員の尽力のおかげで、私が来る前からある程度確立されたものがあり、仕事は大変やりやすいです。

商品で言うと、種類の幅の広さは強みだと思います。楽器もオーディオ製品もありとあらゆる製品を取り揃えております。例えばピアノひとつでも18万ドル近くするコンサート用グランドピアノから数百ドルで買える電子ピアノまで様々な種類があり、オーディオ製品でも家庭用からプロ向けのものまで幅広く取り揃えています。経験や使用目的を問わず、全ての方に適した商品をご提供することができます。

(松田)日本のヤマハミュージックは今年で125周年とお伺いしましたが、何かイベント等は行う予定ですか。

(松代氏)今年の1月にロサンゼルスで125周年を祝うコンサートをやりました。エルトンジョンが演奏をしたのですが、世界各地の会場にある自動ピアノにインターネットを通じてその演奏を配信し、彼が演奏している映像に合わせて世界中に音楽を届けるというイベントをやりました。カナダのバンクーバーも会場の一つでした。

(松田)カナダで行っているコミュニティ貢献、慈善事業にはどのようなものがありますか。

(松代氏)最近ですと5月6日に、先日地球に帰還したカナダ人宇宙飛行士のChris Hadfield氏のいたISS(International Space Station)に中継をつなぎ、カナダ各地の子供たちが彼と一緒に歌をうたうというイベントの支援を行いました。これはCoalition for music educationという団体が、毎年5月の第一月曜日に行っているMusic Mondayというイベントの一貫で、カナダ全土の人々が、同じ日の同じ時間に同時に「生活の中に音楽があるということ」に感謝をし、お祝いをするイベントです。当日は、オンタリオサイエンスセンターに小・中学校の音楽グループが集まり、宇宙のISS、カナダ各都市と放送をつないで一緒に歌をうたいました。

Hadfield氏は音楽家でもあるため、主催団体の音楽家Ed Robertson氏と共に「I.S.S(Is Somebody Singing)」という歌を作り、この曲をオフィシャルソングとして日本語を含めた15ヶ国語に翻訳しました。イベントはISSがカナダ上空を端から端まで通る90分間のイベントで、またHadfield氏の今回のミッションで最後のライブ中継ということで、そういった意味でも大変注目されました。
音楽のように文化的なものは各企業や団体でも予算がカットされてしまいがちですが、音楽セラピーなどがあるように音楽は子供だけではなく大人にも大変良い影響を与えます。色々な角度から「音楽を楽しむ」ということを理解してもらうために、ヤマハカナダは支援をしております。

(松田)今後力を入れてやっていきたいことはどのようなことでしょうか。

(松代氏)近年、カナダ駐在員を減らしてアメリカに移し、アメリカを中心にオペレーションを遂行していこうという企業が増えたり、またカナダのように成熟している国は最小限で運営し、伸びている新興国に力を入れている企業が増えていたりと、カナダは岐路に来ているところがあると思います。

我々もロサンゼルスにヤマハの現地法人がありますが、弊社は今後もカナダに根付いて運営していくと決めているので、いかに独自に顧客サービスを行うかということが大事になっています。出来る限りお客様の近くにいて、お客様が何を求めているのかを探り、お客様が欲しいものを欲しいときにお手元に届けることができるよう、そして購入後の技術サービスやアフターサービスにも力をいれていきます。カナダって土地も広いですしお客様は要求の高い方が多いのでケアが大変な国でもあるのですが、何十年後もお客様の近くできちんとしたサービスを提供し続けて行くことを目指しています。

(松田)松代さんのご経歴についてお伺いしたいと思います。ご出身はどちらでしょうか。

(松代氏)本籍は兵庫県なので両親は関西出身なのですが、私はずっと横浜で育ちました。ヤマハに入社したのは、小さいときから音楽教室に通い、高校のときは吹奏楽、大学でも音楽活動に携わっており、音楽がずっと身近にありましたので自然と入社を希望したという感じです。

(松田)何の楽器を演奏されるんですか?

(松代氏)ピアノとその他の鍵盤楽器全般です。高校ではホルンを吹いていました。大学では自分で作曲したり曲を録音したりという活動をしていました。ピアノはブラジルにいた8年前にクラシックピアノをきちんと練習したいなと思い再開したので、結構最近ですね。昔は色々なジャンルの音楽をやっていたんですが、今はクラシックが一番好きです。

(松田)入社されてから今までのご経歴を教えて下さい。

(松代氏)入社は1988年です。初めは福岡の楽器店に3年間いて、1992年にスペインに語学研修にいきました。スペイン語を習得後、94年にメキシコ、97年にスペインに赴任しました。2000年からは浜松の本社で中南米、中近東への輸出の仕事をしていました。そして2004年から2010年まではブラジルに、現地法人の責任者として駐在しました。そして2010年に日本に帰国して掛川のピアノ工場で従事し、2012年11月にカナダに来ました。

(松田)海外駐在に長くいかれているんですね。スペイン語も堪能ですか。

(松代氏)私はラテン系国専門なんですね。スペイン語とポルトガル語はなんとかできます。カナダは初の英語圏ですが、ここも移民の国ですし、ブラジルも色んな民族が集まった国なのでそういう面では全く違和感はありませんでした。

(松田)今までのお仕事の中で印象に残っているものはありますか。

(松代氏)ブラジルには2004年から5年半いたのですが、その間の経済成長は今振り返ると信じられないような大きなものでした。社員も売り上げも利益もとても増えました。我々の商品はある程度文化が育っていないと売れない商品なので、どちらかというと先進国、アメリカ・ヨーロッパ偏重型だったのですが、その当時中国もものすごく伸びてきて、新興国の存在感と結果が望めるという実感が社内で非常に増しました。会社が伸びている状態というのは活気があり、大変面白かったです。新しく人を採用したり、そのための内部統制等、色々と学ぶことがたくさんあり、大変貴重な経験をしました。

(松田)松代さんが考える、お仕事を進める上で大切なことはどのようなことでしょうか。

(松代氏)私は半分くらいは海外にいますので、現地の人の気持ちになって仕事をするということが大切なことだと考えています。その国の言葉を必ずきちんとしゃべれるようになり、現地の人ときちんと話をして、自分の言葉で説明してわかってもらうということを、非常に注意深くやってきました。そういう意味でカナダは言葉が変わってしまったのでちょっと大変なのですが、その点は努力し、今後も大事にしていきたいと思っています。

(松田)ラテン系の方々と日本人ではより文化的な差が大きいように感じるのですが、コミュニケーションを取るのに難しいことなどはありませんでしたか。

(松代氏)私は元々ラテンなタイプでもなく大騒ぎが好きでもないので、多少冷めた部分もあったと思いますが(笑)、ラテン系の方々の良いところは、嫌なときはすごく嫌そうな顔をし、楽しいときは心の底から楽しむんです。だからどんな気持ちでいるのか、何を考えているのかがとても分かりやすく、それは有り難かったです。そのように多彩な感情表現に囲まれていたため、こちらにきても相手がどのように思っているのかが良くわかるような気がします。

(松田)それではプライベートなこともお伺い致しますが、好きなスポーツやご趣味は何ですか。

(松代氏)自転車が好きなのでこちらにも持ってきました。レース用の自転車で、暖かくなったら乗りたいと思っています。けれどカナダは暖かい時期が短そうですよね。静岡だと御前崎から浜松までの海岸沿いがずっと自転車ロードになっていて、走りやすくとても気持ち良いんですよ。

趣味は音楽です。あんまり上手くないですけど、ピアノを一応毎日練習しています。あとは車が好きです。古いスポーツカーが好きで日本では所持しているのですが、まず輸出入の手続きが煩雑ですし、カナダでは雪も降りますし、維持にもお金がかかりますので、持ってきていません。日本に帰った時に乗るのが楽しみですね。

(松田)ピアノを毎日練習していらっしゃるとはすごいですね。社内で従業員の方とセッションなんて機会もあるんですか。

(松代氏)私はあまり人に聞かせるのが好きではないのでやりませんが、社内のパーティーなどでは従業員同士でやっていますね。7割くらいの従業員が何かしらの楽器を演奏できると思います。中にはプロ級の者たちもいますので、なかなか聞き応えがあると思います。

(松田)それでは、松代さんが今後カナダでやっていきたいことはどのようなことでしょうか。

(松代氏)カナダ旅行は中南米に駐在していたときに結構したので、いま特別行きたい場所というのもないんですよね。一番良かった旅行先は、ロッキーマウンテンです。また、カナダではないですが、アラスカのクルーズも良かったですね。バンクーバーから船に乗ってぐるっとアラスカまで行くのですが、鯨ウォッチングなどもできるし、とても良い旅でした。子供が中学生になりましたので、なかなか自由に出かけることも出来なくなってきましたので、出来るだけ一生懸命に仕事をしたいなと思っています(笑)。

(松田)それでは最後に商工会会員へメッセージをお願いします。

(松代氏)今後ビジネスとしてカナダがどういうふうに変化していくかということは知恵を絞るべき話だと思います。大国アメリカが隣にあり、金融にしても一般商品にしてもカナダからも人々がアメリカに買い物に行きます。その中で、カナダでどのように商売をしていくか、カナダの存在感を高めて行くかというのは、これからの力の見せ所だと思っています。そのための知識や経験を横のつながりで共有し合い、教えて頂き、活かしていきたいと思っています。商工会の集まりにも機会がある際に積極的に出かけていきたいと思っていますので、どうぞ宜しくお願い致します。

(松田)これでインタビューは以上になります。どうも有り難うございました。




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