リレー随筆


ひまわり日本舞踊会のこと



ひまわり日本舞踊会 会長 田中 登志枝


トロント日系文化会館(以下JCCCとする)には、日本文化の紹介そして交流を目的とした数多くの部門とクラスが設けられている。その内容も誠に多角的で広範囲のものであって、各クラスにおいての指導と紹介は正に微に入り細に至ったものであることは既に周知の通りである。その多くあるクラスの中に「ひまわり日本舞踊会」があり、活躍を続けている。師匠は大森ケイ子夫人で毎木曜日を練習日と定め、午後一時からクラスがスタートする。約一時間半の予定で練習が行われる。ひまわり舞踊会は2004年に誕生して以来元気よく歩みつづけている。

このひまわり舞踊会が誕生する以前から、JCCCには一二三ステッパーズと称した舞踊クラスがあって、師匠の宇野スミ夫人が中心となって長年つづけられていた。会員の殆んどは日系二世が占めていて、当時旧館のホールがいっぱいになる程の盛況であった。しかし時の流れは過酷で、会員の中には年令、健康あるいは他の理由で一人減り二人目が欠席といった具合に、次第に減少の兆しが見え初めて来た。そうこうしているうちに中心柱である宇野師匠迄が体調を崩されて会自体に変化が起り、解散の止む無きに至った。

それ以後JCCCでは舞踊会のクラスが無い状態に入った。そうした時期に或る日館長のジェームス へロン氏から私は、舞踊会復活についての相談を受けた。舞踊愛好者の一人である私は、その主旨に大いに賛成し、興味を抱き舞踊会の再現に努力する事を誓ったのである。舞踊会再現に一番肝要な問題はなんと云っても踊りを指導される師匠を求める事である。

私自身にはその師匠を努めて下さる御人の面影が胸中にあり、その御人か所属されているトロントでも日本舞踊の名声の高い小桜流日本舞踊会の家元に直接事情を申し上げて承諾を得、指導に当って下さる大森ケイ子師匠の快諾を得たものである。大森ケイ子夫人は小桜流の名取りでもあり、立派に舞踊の資格を持たれた御人である。小桜日本舞踊会は現在第三代目が家元として臨んでおられ、多くの舞踊愛好者のよき指導者として深い信頼を得ていられる家元である。

ひまわり日本舞踊会の大森師匠は、本家の小桜流家元が推選の労をとって下された意志に違わず、真面目で誠実な御人でその指導にも微に入り細に渡る程の丁寧な教えに、生徒一同は満腔の信頼を寄せており、真剣な教えの中にも楽しさが満ち明るい雰囲気にほほ笑ましさを感ずる。ひまわり舞踊会が生長途次にあった或る時期には、外部から踊りの披露を欲する誘いが頻々とあり、その都度特別な施設を訪問し多くの人々を慰め喜びへと誘ったことも度々あった。ひまわり舞踊会は益々発展途上にあり、舞踊愛好者の最適の場として多くの人が入会することを望んでいる。



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