「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第73回>
TOA CANADA CORPORATION
高尾 雅彦氏 President  


ミシサガにオフィスのあるTOA(ティーオーエー)カナダの高尾社長にインタビューに行って参りました。オフィス内にあるショールームにて実際の商品を見せていただきました。笑いを入れながらも一つ一つ丁寧にお話しいただきました。お話しを通して、国の違いによる商品の需要や市場の違いを実感したインタビューでした。
 


(松田)御社の業務内容のご紹介をお願いします。

(高尾氏)TOAカナダは日本のTOA株式会社という主に業務用の音響機器を生産しているメーカーの販売会社です。元々弊社の社名は東亜(トーア)特殊電機株式会社でしたが、今では世界中でTOA(ティーオーエー)に統一しております。日本本社は神戸のポートアイランドにあり、宝塚にデザインセンターを持っています。商品は主に日本でデザインし、生産は日本、中国、台湾、ベトナム、インドネシアにある工場で行っております。ここカナダの販売会社は1990年に設立され、約25年の歴史があります。カナダ市場向けに輸入した商品は全てこのトロントオフィスに併設されている倉庫で保管し、ここを拠点にカナダ全土に配送しています。

(松田)御社の海外拠点はどちらにありますか。

(高尾氏)弊社では世界を5つのエリアに分け、分担することで全ての地域をカバーしています。日本エリア、アメリカエリア(カナダ、アメリカ、中南米)、東アジアエリア(主に中国と台湾)、そしてパンパシフィックエリアはシンガポールに本社を置き、販売会社はマレーシア、タイ、インドネシアに設立しています。また、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピンなどもシンガポールよりカバーしています。最後にヨーロッパ&ロシア地域、ドイツのハンブルグに本社があり、北欧を含めたヨーロッパの国々と中東、アフリカ、ロシア地域を担当しています。

(松田)社員数はどのくらいですか。

(高尾氏)全社員で18名です。そのうち地域営業社員が6名で、バンクーバーからニューブラウンズウィックまでカナダ全土をカバーしています。

(松田)お客様はどのような方が多いですか。

(高尾氏)一番顧客の多いマーケットは学校ですが、スポーツ施設、他にはホール、病院、空港、駅舎、また刑務所にも納めています。カナダにたくさんあるアイスアリーナも弊社の重要なお客様で、実際にご利用頂いている施設が多くあります。

(松田)それでは商品についてご説明をお願いします。

(高尾氏)商品は主に業務用の音響システムで、スピーカーとアンプが弊社では売上の多くを占める商品群です。スピーカーにもたくさんの種類がありますが、野外非常用のスピーカーは約1~2km先まで音を届けることができるものもあります。地震や津波等の災害時に使用され、自治体などでご利用頂くケースがあります。
ステージ用のスピーカーはプロサウンド用とも言われ、クリアな音声に拡声することができ、客席の位置に関わらず前にいる方にも後ろにいる方にも同じように音が聞こえるように設計されそれぞれの施設に併せた調整が可能です。

   
野外非常用スピーカー(左)
アンプ(右)
ステージ用スピーカー(左)
体育館用スピーカー(右)


(高尾氏)カーブ状になっているステージ用スピーカーは、カナダではアイスアリーナなどに設置されています。通常のサイズのアリーナですとこれが背中向かいに2つ、大きいところですと4つ設置され、全ての方向に同じように音が届くようになっています。
そしてそれらのスピーカーから出る音を調節するのがアンプやミキサー、プロセッサー、イコライザーなどで、写真中央の装置はそれらが1台のラックに取り付けられています。通常ステージ裏に隠されていますので、目にする機会はあまりないですよね。

   
 ステージ用スピーカー  スピーカーをドライブする装置


(高尾氏)インテリアデザインスピーカーという薄く壁に取り付ける形状のものは、美術館などの公共施設でよくご利用頂いています。
皆様も見る機会があると思いますが、学校やグラウンドなどにあるホーンスピーカーは野外に設置しても雨風に耐え、壊れにくく錆びにくい丈夫な設計となっています。
そして学校の教室などに設置されているこのスピーカー(写真中央)は、スイッチで切り替えるとこれ自体がマイクとなって教室の声が放送室に聞こえるようになる仕組みです。
インターコム、つまり館内電話ですが、こちらは学校や空港のアナウンスにも使用され、特に日本の多くの空港でご利用頂いている実績があります。
そして、会議・議場用システムは、マイク、イヤホンと音声を調整する装置などがセットになっており、マイクやイヤホンはワイヤレスのものとコードのものと選択していただけます。教会の神父さんがスピーチをする時に使用されることもあり、目立たない肌色でワイヤレスのものに人気があります。

     
インテリアデザインスピーカー(中央壁)
ホーンスピーカー(右上)
 インターコム(館内電話・右)
スピーカー兼マイク(中央)
 会議用システム


(松田)御社の強みはどこにありますか。

(高尾氏)弊社の強みは、品質です。創業者から引き継いでいる「品質方針」という会社のフィロソフィーがあり、品質の向上、維持には力を注いでおり自信を持っている部分でもあります。簡単に言うと、壊れません。なかなか壊れず買い換えていただけないのですが(笑)、15年や20年経っても稼働しているケースが多く、このメリットはお客様に支持して頂いております。

(松田)今後特に力を入れていきたいところはどのようなことですか。

(高尾氏)今後力を入れていきたいところは、学校のマーケットです。元々強い市場ではあるのですが、より強くプレゼンスを上げたいと思っています。アルバータ州の公立校では教室内で先生の声が全ての生徒にきちんと届くよう、音響システムの設置を義務化しています。教室内にスピーカーやアンプを設置し、先生はマイクを通して授業を行います。弊社ではそのための新商品を昨年から販売しております。従来は4つのスピーカーが必要だったところを1つのスピーカーで音が均等に拡声ものを選び、マイクは赤外線を使用したワイヤレスのものにしました。この商品は標準の教室サイズに合わせてしてデザインしていまして、設置に必要なものも全て1つのパッケージにしています。こうしたことから、設置も大変簡単で音も明瞭、先生も使い易いシステムという特徴の商品となっています。

カナダでは州によって法令が違いますので、すべての教室に導入が義務付けされていませんが、こうしたシステムを取り入れた学校では生徒の成績が概して高いという結果も出ているようです。また難聴の生徒がシステムから補聴器に接続して授業を受けることができるという機能もあります。学校関係方から良いレスポンスも頂いておりますので、今後設置が増えてゆくことを期待しております。

(松田)他に推進していきたい商品はありますか。

 
 非常放送ユニット


(高尾氏)非常放送機器市場をカナダで拡大してゆきたいと思います。日本では非常放送に対する法律は大変厳しくできておりますが、北米はルール作りが遅れています。実際に消防隊員が非常用のスピーカーを使用すると、音が不明瞭だったり動作しないケースも稀にあります。弊社の非常放送ユニットは、非常用と館内放送を兼用できるシステムであり、スムースに避難が出来るよう放送もプログラムして非難を誘導できます。今後カナダではこうしたシステムが普及してゆく流れにあり、弊社の得意分でありますので是非この市場でより成長してゆきたいと思います。

(松田)それでは、高尾さんのご経歴についてお伺いしたいと思います。

(高尾氏)出身は大阪です。当社での社歴は現在4年程ですが、継続してエレクトロニクス産業に携わってきました。前職ではアジア、ヨーロッパに赴任経験があり、TOAに入社してからはアメリカ販売会社の駐在を経て、2012年の1月にカナダに来ました。

(松田)今までで特に印象に残っているプロジェクトはありますか。

(高尾氏)カナダのプロジェクトでは、モントリオールの病院を受注したことが印象に残っています。全棟のシステムに我々の商品を納めて頂き、規模が大きかったため足掛け2年程かかりました。
今後の話ですが、2015年にトロントでPan Am Gameが開催されます。これからトロントに既存する競技場のリニューアルが始まり、現在9つの競技場の話が出ていますが、それらはしっかりと受注してゆきたいと思います。

(松田)高尾さんがお仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことでしょうか。

(高尾氏)会社生活で日本と海外での経験が半々くらいになっています。特に海外では社員同士お互いに分かり合うには時間が必要であることを実感しており、対話をする時間を惜しまないようにすることを心がけていますが、一方で難しいことでもあります(笑)。また、TOAのメリットとサービスがお客様に伝わるようにするには、従業員にしっかり理解してもらうことが前提ですが、現在はこうした基礎は幸い十分に出来てきていると思いますので、今後もTOAとしてよりカナダでの存在感が上がるようにチームでの仕事を大切にしたいと思います。

(松田)それでは、高尾さんのご趣味や好きなスポーツは何でしょうか。

(高尾氏)カナダ駐在員の例に漏れず、ゴルフです。シーズン中は週に1回のペースでプレイしています。始めてからもう20年程は経つのですが、日本で仕事している間はあまりできなかったので、なかなか伸びないですね(笑)。カナダ滞在中はおのずと回数が増えると思いますのでこの間に腕を上げたいと思っています。

(松田)シーズンオフの間は何をされていますか。

(高尾氏)学生時代にバンドをやっていたことがあり、いつもギターは手放さずに持って行っています。あまり練習する時間がなくしばらくお留守にしていたのを、最近また引っ張り出してきて楽しんでいます。昔はメンバーが揃わなければバンドになりませんでしたが、最近は一人でもパソコン上で録音ができるソフトがありますので、一人でも楽しめるようになりました。学生の頃はロックが好きでしたが、今はジャズもよく聞くようになりました。だからといってギターでジャズを弾けると言うことではないのですが、ゆっくり楽しんでいます。

(松田)今後カナダでやっていきたいことはどのようなことでしょうか。

(高尾氏)出張でしかカナダ各地に出向いたことがないので、プライベートな時間が取れれば、カナダの色々なところへ旅行をしたいと思います。カナダは広く、東も西もそれぞれの魅力に溢れていますからね。

(松田)それでは、最後に商工会会員にメッセージをお願いいたします。

(高尾氏)カナダに来て1年程ですが、商工会のイベントに参加することにより日本人の方々と交流をもつ機会が増えてきました。そのような場所を提供いただいて、仕事の意味でもプライベートでも助かっていまして有り難いと思っています。今後もそのようなつながりの中でお互いに有意義な情報交換をさせて頂きたいと思っていますので、今後とも会員皆様にはご支援頂きますよう宜しくお願い致します。

(松田)インタビューは以上です。今日は有り難うございました。




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