「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第70回>
AMADA CANADA LTD. / アマダ カナダ
赤池 玄太郎 Vice President

2010年4月より連載が始まった「(新)代表者インタビュー」は今月で丸3年を迎えました。第70回目は、2月より商工会に入会されたアマダカナダの赤池氏にインタビューに行って参りました。オフィスはミシサガです。カナダの製造業を支えている製品について、またユニークな商法もご紹介いただきました。


(松田)御社の業務内容のご紹介をお願いします。

(赤池氏)アマダカナダの親会社である株式会社アマダは、金属加工機械の開発、製造、販売、サービスをやっております。アマダの設立は1946年、第二次世界大戦の後に関東平野に一つあった焼き旋盤を使用して、創業者の天田勇が金属の加工を始めたことがアマダの起源となります。その後金属加工業を拡げるうち自らも機械を製造し始め、コンターマシンという板金を切断する機械を作ったのがアマダの最初の機械です。本社は神奈川県伊勢原市にあります。

(松田)カナダの設立はいつですか?

(赤池氏)アマダがカナダに参入してきたのは1986年で、プレスブレーキ機(ベンダー)という鉄板を曲げる機械を製造していたケベック州GranbyにあるPromecam社を買収したことから始まりました。翌年、“Amada Promecam”という社名に変更し、Amadaの名前を使いながら、プレスブレーキ機だけでなくアマダの機械も販売するようになりました。社員数は現在44名です。カナダでは製造は行っておらず、日本、アメリカのロサンゼルス、ヨーロッパのフランスとフィンランドにある製造工場から機械を購入しております。

(松田)お客様はどのような方々が多いですか。

(赤池氏)日本でも各地の中小企業が国の製造を支えているといわれますが、アマダカナダの大半のお客様はカナダ各地にあるそのような中小企業メーカーです。アメリカには日系のお客様もいるのですがカナダでは、ほとんどがローカル企業です。

弊社のお客様には色々なメーカーがありますが、大量生産を必要とする会社はあまり多くありません。例えばエレベーター・ATM・鉄道車両は弊社の機械より製造されますが、それらは設置場所・地域・お客様の要望に応じてカスタマイズされるため、製品の形状が変わります。大量生産を必要とする場合はプレス加工という方法で同じ型のものを生産するのですが、弊社の板金機械という汎用機械は、あらゆる形状のものをすぐに作れるというのが特徴です。

(松田)一つの機械さえあれば、違う形状のものを簡単につくれるということですか。

(赤池氏)その通りです。弊社で開発しているソフトウェアがあるのですが、それを使用してプログラミングをしたデータを弊社の機械にインターネットを通して転送し、スタートを押すと、機械が加工してくれます。形状だけでなく、鉄といっても色々な種類があり、そして成分の配合によって強度や性質も違ってきます。加工にも知識や条件が必要になってきますが、そのようなことも機械で調整が可能です。長年蓄積されたデータによって必要なことはすでに情報として盛り込んでありますので、一からカスタマイズしなければいけないことはあまりありませんが、自動化を必要とする際には一からカスタマイズすることがあります。

(松田)では商品についてご説明をお願いします。

(赤池氏)板金に丸や四角等のいろいろな形状の穴を開け、切断や成型を行う「パンチングマシン」、レーザ光線で板金に穴を開け、切断し、溶接をする「レーザマシン」、上下2本の金型で板金を折り曲げる「ベンディングマシン」がうちの3大商品です。創業者がデザインにこだわっていたこともあり、工作機械としては珍しく赤と黒を基調とした色使いや角も丸みをおびた外観は、弊社の商品の特徴でもあります。
  

   
レーザマシン   ベンディングマシン  パンチングマシン 


     
 レーザマシンで鉄板を
切断している様子
ベンダーマシンで鉄板を
箱状に曲げている様子 
パンチングマシンで鉄板を
成型している様子 


弊社の商品より製造されている製品はたくさんあります。パソコン、携帯電話、エアコン等の内部部品や、店舗の看板や冷蔵冷凍品のショーケース、スーパーにあるレジのコンベヤー、自動販売機、iMaxシアターの映写機、オフィス家具やゲーム機、マクドナルドやウェンディーズなどでハンバーガーパテを焼くグリル機、また、消防車や建設機などの特殊車両やGoトレインの車両も弊社の製品より作られています。

現実的な商品ではないですが、この車(右写真)は弊社の機械を使用して作られています。トロントで行われる展示場などでこのようなものを作ってお客様にお渡しすると喜んでいただけます。

(松田)どこに行っても一つはあるような製品ばかりで、すごく生活に密着していますね。それでは、御社が特に力をいれていることや強みは何でしょうか。

(赤池氏)弊社の強みは直販と直サービスです。直販と直サービスのオフィスがカナダのトロント、ケベックにあり、各州に販売とサービスマンがいます。競合会社では代理店を使っていたり、アメリカの支部から飛んできて対応したりと、時間を要することがあるのですが、弊社では常にローカルのセールスマンとサービスマンによる迅速できめ細やかなサービスを提供できます。そして、ブランド力も強みの一つです。先代の先輩達が市場を築き上げてきて、今は市場の中にブランドが構築されていますので、業界のお客様であれば「アマダ」と聞くとどのような会社かわかっていただけます。

また、現在会社として力を入れているのはエコ製品の生産です。新しく開発されたファイバーレーザという技術がありますが、従来のレーザ機械に比べて約3分の1のエネルギー効率で作動します。また、プレスブレーキ(ベンディングマシーン)という鉄板を曲げる機械でも、従来機は油圧を使っていたのですがそれを全てサーボモーターに替えることで、油をなるべく使わない新機種を生産しています。

(松田)今後特に力を入れてやっていきたいことはどのようなことですか。

(赤池氏)将来的な目標としては、トロントに弊社の展示場を作ることです。アメリカには、シカゴにソリューションセンター、LAにテクニカルセンターという施設があります。お客様が製造をするにあたって出る課題の解決策をご紹介するために、こられの施設にお連れし、エンジニアリング提案を行っています。弊社の機械が一堂に陳列されてあり、その場で加工をしていただくことも可能です。そのようなエンジニアリング提案をカナダでもっと強めていって、お客様にアマダに相談して良かったなと思っていただけるような体制を作ることが私の使命です。

近年アメリカでは中国から仕事が戻ってきている「リシュアリング」という現象が起きています。AppleがアメリカでMacコンピューターの製造を始めたりと、アメリカでの製造業が勢いを持ってきており、それらの仕事がカナダにも流れてきていますので、いま力を付けていきたいと思っています。

(松田)シカゴのソリューションセンターはどのような施設なのですか。

(赤池氏)シカゴのソリューションセンターでは月1回のペースでイベントをやっています。機械でのどのような事が加工可能かのデモンストレーションや、「ボイスオブカスタマー」という実際に弊社の商品を使い成功を収めたお客様によるプレゼンをしていただいています。北米のあらゆるところからお客様が来場しますが、実際にお客様の声から弊社の商品について話していただくことは大変効果的で、好評を得ています。

このトロントオフィスでは去年の10月から、テレビ会議システムでシカゴのソリューションセンターとつなぎ、カナダにいながらお客様に商品のデモンストレーションをライブで見ていただけるサービスを始めました。ソリューションセンターの機械には内部と外部の両方にカメラが取り付けてあり、製品の仕組みや加工状況をその場にいるように見ることができます。弊社での新しい販売商法であり、お時間の無いお客様でもアメリカの弊社の施設に行かなくても、弊社のカナダ・オフィスに気軽に寄っていただき、機械のデモンストレーションを見られるように始めました。お客様には大変好評をいただいております。

 
 テレビ会議システムでシカゴ施設とライブで繋ぎ
レーザマシンのデモンストレーションを行っている様子


(松田)テレビ会議システムもソリューションセンターも珍しい商法ですね。

(赤池氏)お客様を展示場に連れて行き商品を見せるという展示商法の仕組みをつくり、業界に根付かせたのはうちの創業者です。当時はとても画期的なシステムでした。アマダの経営理念として、「お客様と共に発展する」というのがあります。簡潔に言いますと、お客様に弊社の商品やサービスを使っていただき、フルサポートする事によりお客様の成功・発展を目指します。その過程で信頼関係を築き、弊社とのビジネス機会を増やしていただくことです。

常にお客様が弊社の原点にあります。アマダの施設に来ていただくと分かるのですが、いろいろなところで常にお客様への気配りを施したセッティングをしてあります。施設の導線もそうですが、各部屋や設備は全てお客様のためにデザインをしております。多方面でお客様のためにとこだわる部分がとても多く、それを通して自分たちも成長していくという、先代の考え方が今も生きていることが感じられます。

(松田)それでは、赤池さんのご経歴についてお伺いしたいと思います。

(赤池氏)父親の仕事の関係で、カリフォルニア州ロサンゼルスのトーランスという街で産まれました。その後2歳から6歳まではバンクーバーで過ごし、そしてまたトーランスに戻り13歳までそこで育ちました。その後は日本に帰国し、そのまま日本で学生生活をおくりました。

2003年にアマダに入社し、最初は国内で営業をしていたのですが、段々とアマダ社内で海外ビジネスが伸びてきたことと、私が入社時からずっと海外ビジネスに携わりたいと希望していたため、本社の海外事業部に配属され4年ほど北米を担当しておりました。当時は1年に半年くらいのペースでアメリカに出張しておりましたが、2010年の4月にカナダへの赴任が決まり、今丁度3年目になります。

(松田)赴任として海外に来られるのは初めてということですが、いかがですか。

(赤池氏)子供の頃海外生活をしておりましたので、大体イメージはしていたのですが、トロントは移民の方がとても多いことに驚きました。モールなどに行っても英語が全く聞こえてこないことがよくありますよね。また、カナダの方々は自国に対して大変プライドを持っているなと感じます。仕事柄アメリカのスタッフと連携を取ることが多いのですが、アメリカとカナダの微妙な関係を少し気にしながら、私が間に入りながら回すようにしています。

(松田)今までで印象に残っているお仕事やプロジェクトはありますか?

(赤池氏)日本国内でやったもので、巨大なラインの設備投資という約2.2億円のプロジェクトがありました。茨城のお客様で、とても厳しい社長でしたが、親身になって細かな対応を心がけたことで商談が成功しました。それが今の糧となっており、お客様対応という部分で大変学ぶことの多かった事業でした。

日本で培った営業経験は貴重な体験であり、その経験があったからこそ、カナダのお客様に自信を持って対応が出来ます。カナダではあまりそのようなきめ細やかな対応というのに慣れていないお客様が多いのか、とても喜んでいただけます。

(松田)赤池さんがお仕事を進める上で大切になさっていることはどのようなことでしょうか。

(赤池氏)コミュニケーションが大切であることをつくづく思います。現在従業員は44名しかおりませんが、普段から一人ひとりになるべく声をかけ、コミュニケーションを取りながら仕事を進めるようにしています。そして会社の戦略を浸透させつつも、日本流を押し付けることなくスタッフの意見を尊重し、現地に根付く方法を選ぶように心がけています。

(松田)それでは、プライベートについてお伺いしたいと思いますが、好きなスポーツなどはありますか。

(赤池氏)日本にいる頃はずっとサーフィンをやっていたのですが、カナダに来てからは一度もしてないです。海がないですからね(笑)。最近はジムに行って体を動かしたり鍛えたりということしかできていないです。けれどカナダにいるときしか出来ないことを子供にも経験させたいと思って、アイススケートには毎週のように子供を連れて行っています。サーフィンは7年程やっており、水泳も4歳くらいからずっとやっていましたので、水系のスポーツは好きですね。カヌーやカヤックなどもやってみたいです。

(松田)今後カナダでやっていきたいことはどのようなことでしょうか。

(赤池氏)夏になったら、家族でキャンピングカーを借りてキャンプに行きたいと思っています。日本ではなかなかできることではないので、是非それだけはカナダにいるうちにやっておきたいと思っています。熊やコヨーテが出るという話も聞きますので、きちんとルールや安全対策も勉強しないといけませんね。夏になるのを楽しみにしています。

(松田)それでは、最後になりますが商工会会員へメッセージをお願いします。

(赤池氏)商工会のイベント等はまだ参加できていないのですが、これから色々と参加させて頂いて、会員の皆様にカナダのビジネスについてなどお伺いしながら勉強させていただきたいと思っています。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

(松田)インタビューは以上になります。どうも有り難うございました。





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