リレー随筆


コラボ企業でリフレッシュ





黒田千鶴(ピアノ教師)



9月の終わりに、「ビックロ」という店が日本でオープンしたというニュースをテレビで視た。これは家電を扱う「ビックカメラ」とアパレルメーカーの「ユニクロ」がコラボレーションしてひとつの店になったというもので、日本ではかなり注目を集めたらしい。違った種類の企業同士が共同でビジネスをする「コラボ企業」だ。


「ビックカメラ」は外国人にも人気があるし、「ユニクロ」は海外にも進出しているから、日本人以外のお客さんもターゲットにしている。そして店内は「ユニクロ」の服を着たマネキンにカメラを持たせたりとか、暖房機器のとなりにセーターを置いてみたりして消費者の購買意欲を促進しようとしている。こういったコラボ企業、「ビックロ」の他にも「ミスタードーナッツ」と「モスバーガー」がコラボしたファーストフード店「モスド」とか、「カルピス」が生き残りを図って「山崎製パン株式会社」とコラボしてカルピスを使ったパンを作ったりという例もある。日本人がいろいろと思考錯誤の末、コラボ企画に奮闘する様子は、とてもフレッシュで楽しいコンセプトだと思っている。

さて、ここミシサガでもコラボ企業はないのかな、と探してみた。先日「Petsmart」に行ってみたら「Toysrus」製オリジナルブランドのペットのおもちゃが売っていた。本屋の「Chapters」には「Starbucks」がコラボしているのはもう当たり前のこと。スクエア・ワンにある「Aritzia」という若い女性に人気のあるアパレルでは「adidas」のブランドが並んでいる。主人の報告によれば、「Canadian Tire」には「Marks Work Warehouse」がコラボしているらしい。さすがに「Future Shop」と「Old Navy」が一緒になった店はないにしろ、将来そういうものが出来ないとは限らない。

ちなみに私の働いている音楽とアートの教室では、昨年、学習塾とのコラボを試みたが誰からも応募はなく、おもいっきり失敗した(こんな楽器でうるさい場所にて学習塾はいかがなものかと)。今年に入ってからは、懲りずにテコンドウの教室をコラボしようとしている。多分ダメだろう・・・。レセプションのアグネスと私の会話、「今度はどんな教室にするんだろうね~」「料理教室とか?」「・・・」。

こんな失敗例はさておき、私なりにコラボ企業を考えてみた。

・「Ikea」と「Body Shop」(家族向け)
・「Chuck E Cheese」と「Toysrus」(子供向け)
・「Covergirl」と「Tutti Frutti」(若い女性向け)
・「Home Depot」と「Beer Store」(主人案?!)
・スマートフォンと自動車メーカー(一般向け)


やりだしたらきりがないので、この辺で。

音楽に係わる私にとっては、コラボレーションとは芸術の一環だとばかり思ってきたが、最近では「コラボ企業」という言葉にまで発展し、多様な意味をもつようになって今の社会にしっかりと根づいてきている。それはやっぱり現代の人々が持っている「同じことの繰り返し」へのフラストレーションなのではないかと思う。かといって古いものをないがしろにするのではなくて、それぞれ昔からあったものが個性をぶつけあうことでリフレッシュを図りたいという願いなのかもしれない。

「コラボ企業」のニュースのあとにキャスターが、「結局、日本人はコラボという言葉が好きなんですよね」と言っていたのが印象に残った。私はちょっとうれしかった。カナダに来てから20年以上経つが、「コラボ」という言葉にわくわくしてしまうからだ。まだ、私の中にミーハーな日本人が残っていたらしい(笑)。日本に帰ったら、ぜひ「ビックロ」に行ってみたい。




この号の目次へ戻る   「リレー随筆」記事一覧ページへ