「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第56回>
Vuteq Canada Inc. / ビューテック カナダ
水越 和夫 Vice President


ビューテックカナダさんはトロント西方のWoodstockにあります。2時間弱のドライブで今回取材にうかがいました。30エーカーというとても広い敷地の中に、ほぼ東京ドームと同じくらいの大きな工場があります。水越さんは、製品のドアトリム等を見せて下さり、車の製造に詳しくない私にも分かるよう丁寧にご説明下さいました。





(松田)御社の事業内容のご紹介をお願いいたします。

(水越氏)ビューテックグループではドアトリムやバックドア、その他エアロパーツ等の関連製品、バスのフロントパネルやバックパネルなどのサイズの大きいものなど自動車内外装部品の生産をしています。組付け業務では、自動車のインストルメントパネルというコックピットの部分やドアトリム、また自動車用ガラスの部品の組付けを行っております。面白いところですと、コンビニエンスストア等にある冷蔵庫等のドアガラスも弊社が加工・組付けを行っております。あとコンビニエンスストアやガソリンスタンド、アメリカではケンタッキーとインディアナで日本食レストランなどもやっています。創業は物流事業からでして自動車部品、石油、ガスなどの配送で現在も関連会社合わせ1000台程のトラックが配送業務しています。

一方カナダは、日本100%出資の子会社で、主な事業内容は自動車のプラスチック内外装部品の成型・生産、そして組付け業務です。主な客先はGMさん、トヨタさん、ホンダさん、旭硝子さんです。


 

ドアパネル
射出成形機で成形し、約10部品を組み付け、出荷している。
 

デッキサイドパネル
大型射出成形機を利用した製品


 

CAMIで生産されているイクイノックスのインストルメント


(松田)インストルメントパネルはいくつくらいの部品でできているのですか。

(水越氏)オプションも含め約150部品を50分で組み立てますので、50工程を現在1工程約60秒のサイクルで回っています。速く正確に効率的に行うことに尽力しておりますが、更なる改善の余地があると思いますので、どのようにしていくかというところに楽しみを抱いています。

(松田)とてもスピーディーにできあがるんですね。拠点はどちらにありますか。

(水越氏)現在、日本以外に中国、モンゴル、タイ、インドネシア、カナダ、アメリカ、アルゼンチンと8カ国にて事業展開をしております。北米では今から25年前の1987年にケンタッキー州に進出し、翌年イリノイ州とここカナダに進出しました。テキサス州にあるVUTEX、今年から稼動し始めたミシシッピ州のD-VUTEQを含め、現在北米には全部で6箇所の拠点があります。

(松田)カナダの拠点はもう創業24年になるのですね。従業員数はどのくらいですか。

(水越氏)従業員は現在約800名おり、そのうち日本からの出向者は私を含め8名です。カナダの第一工場は15回の増築をし、より規模を広げるため第二工場も建設しました。お陰様で徐々に規模が拡大しています。工場の総面積は50万スクエアフィート、ほぼ東京ドームと同じくらいの大きさです。カナダ工場には現在成型機が20台あり、そのうち2500トンのものが4台、2200トンのものが4台とサイズの大きなものが揃っているのが特徴です。また細かい部品を扱うに当たって異誤品等を失くすよう電子システムにて徹底した管理をしています。

(松田)毎年のように増築されているんですね。これだけの大規模な工場に、従業員は外国人という状況で、社員教育はどのように行われていますか。

(水越氏)日本もそうですが、人材育成はカナダでも非常に力を入れております。特に安全管理と新規作業者の教育に関しては、トレーニングルームを作り、担当のトレーナーによる徹底したトレーニングを受けさせています。実際の現場で先輩が一緒につきながら学ぶのではなく、全ての従業員が同じトレーナーによる教育を受け、また疑問点が出たらトレーニングルームに戻り解消するという形をとって以来、クレーム件数も減り、今年はクレームが一番少ない実績で推移しております。

(松田)また更に拡大していきそうですね。御社が経営をする上で大切にされていることはどのようなことですか?

(水越氏)海外に子会社を作る際、一般的には親会社が行っている事業をシフトするということが多いと思うのですが、ビューテックの内外装部品の成型は、カナダが最初に始めました。事業が成功した理由というのは、もちろんチャンスに恵まれたこともありますが、初期メンバーの何事にもチャレンジするという姿勢が最大のポイントでした。そのため現在でも前向きに挑戦するという姿勢は引き継がれており、私自身もその点を一番大切にしています。

(松田)それではこの辺りで、水越さんのご経歴についてお伺い致します。ご出身はどちらでしょうか。

(水越氏)出身は愛知県です。私が入社した頃は、ビューテックというのは海外のみの社名で、日本では中部工業という名前でした。徐々に認知もされてきたということで、2007年より日本を含めてビューテックという統一社名となりました。その前身の中部工業が愛知県豊田市にあったため、実家からの通勤が可能かと思ったのですが、実際は海外勤務も多く、実家から通えたのは1、2回だけでしたね。

(松田)それは当てが外れてしまいましたね。その海外勤務では、どちらの国に行かれていたのですか。

(水越氏)1992年から97年までアメリカのケンタッキーに勤務しておりました。結婚式の翌日に新婚旅行を兼ねて赴任し、2年後に初めて日本に一時帰国しまして、家族や友人からは「長い新婚旅行だったね」と言われていました(笑)。その後は日本へ戻り、富山の工場と本社勤務を経て、2004年から2009年までカナダ赴任となりました。その後、2年間の日本駐在を終えて(笑)、また今年カナダに戻ってまいりました。今年の4月から社長がカナダ人に変わったということもあり、また新規事業も目白押しなので、そのサポートのために参りました。

(松田)まさに日本駐在という感じですね(笑)。二度目のカナダですが、今後水越さんが特に力を入れていきたいことはありますか。

(水越氏)ローカルの従業員もどんどんと力を付けておりますので、更に人材育成に力を入れていきたいですね。現在「朝会」として、毎朝8時から各部署のトップが集まり、前日の生産、品質、安全、またはトピックスについて社長へ報告会をしております。問題への対策や解決策等を部署の垣根を越えて提案、議論し合うことで、チームワークが生まれ、コミュニケーションの構築にもつながっています。規模が大きくなると個々の声が聞きにくくなってくることも事実ですので、この朝会を利用することでチームワークとコミュニケーションを深め、人材育成へと発展していきたいと思っております。朝会をスタートさせたこととその仕組みを構築していくことで、自分自身の勉強にもなりますし、日々見直しを行うことで業務のスピードと効率性に更に磨きがかけられております。朝会は今後もずっと続けていきたいですね。

(松田)それでは、水越さんのプライベートについてお伺い致します。お休みの日はどのように過ごされていますか?

(水越氏)前回の赴任では家族が一緒に来てくれて、娘が補習校にお世話にもなっていたのですが、今回は初めての単身赴任です。週末は今の時期はゴルフをするか、一週間分の掃除や洗濯などの家事をしています。

(松田)せっかくカナダに戻っていらしたということで、何か今後やりたいことなどはありますか。

(水越氏)先日シルクドソレイユのロンドン公演を観に行き、ダルビッシュ選手が4月にトロントに来たときも見に行きました。今は単身で気軽に遠出もできるので、そのような生で楽しめるショーやスポーツをもっと観に行きたいと思っています。

(松田)私も同じ日にダルビッシュ選手を観に行っていました。

(水越氏)あの試合は楽しかったですね。実は当日、上着の下にダルビッシュ選手のテキサスレンジャースの赤いユニフォームを着込んでいたんです。周りは当然ブルージェイズファンだらけだったのですが、せっかくなので交代のタイミングで最前列まで行ってバッと上着を脱いだら、大ブーイングを浴びました(笑)。予想してたことですが、面白かったですね。

(松田)メジャーリーグはカナダではトロントのみの特権ですから、私ももっと観に行きたいです。それでは、最後に商工会の会員へのメッセージをお願いします。

(水越氏)遠方にあるためなかなか難しいのですが、商工会からご案内いただくセミナーやイベントへはいつも参加したいと思っております。可能な際は多くの日系企業の方々とお話や情報交換等をしたいと思っておりますので、是非宜しくお願いいたします。

(松田)遠方の方にもご参加いただけるセミナーやイベントをもっと企画していきたいと思います。今日は有り難うございました。


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