「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー

<第49回>


Mitutoyo Canada Inc. / ミツトヨカナダインク
佐々木 繁幸 社長

今回はミシサガにあるミツトヨカナダさんを訪問しました。佐々木社長は普段はアメリカに駐在されており、ちょうどトロントご出張の日を狙ってお邪魔させてもらいました。ショールームに展示されていた様々な測定機器は、あまりの精密さに息をのむほど。お話を聞くうち測定機器は製品の品質を保つために欠かせないのだということを実感しました。


神林)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

佐々木氏)簡単に言うと、ものさしを作っている会社です。例えば、国ごとに1メートルの長さが違うと、それぞれの国で作ったものが規格に合わなくなってしまいますよね。すべての1メートルが正しい1メートルであることを保証するということが我々の使命です。メートル法の起源について説明すると、たとえば昔の日本は尺貫法を使用していたように昔は各国によって様々な単位が使用されていましたが、18世紀末のフランス革命後、世界共通の単位制度として1メートルが規定されました。その規定は北極点から赤道までの円弧の距離の1千万分の1を1メートルと定義いたしました。その後、皆さんが一般的に言っている地球の円周は4万キロとなった訳です。

当社の製品は1ミリメートルの1千分の1まで測定します。あまり小さい数字ですので、たとえで話せば500キロ先の地点を計るとき、50メートルの差で計るという精度の高い測定です。小さい測定物ですとICチップの測定に使用されるような、1千分の1mmが測れる精度の測定器もあります。

神林)あまりに小さくて想像するのが難しいですね。御社の設立や拠点について教えてください。

佐々木氏)日本の本社設立は1934年。そして初の海外進出であるアメリカでの設立が1963年でした。カナダに進出したのは1973年で、最初はモントリオールに拠点がありましたが、79年以来ミシサガにあります。社員はカナダ60名、アメリカ280名で北米の合計が340名となります。

神林)カナダでビジネスを始めて約40年ですね。生産拠点はどちらですか。

佐々木氏)製品の90%は日本での生産です。海外の生産で一番大きな拠点はブラジルですが、中国にも工場があります。

神林)御社製品のお客さんはどのような会社ですか。


佐々木氏)製造業すべてです。自動車業界はもちろん、製造している物は全て測定が必要となります。例えばICチップを製造しているIntelさん。ICチップは銅の部分が小さいほど消費電力が少なくて済みます。将来のICチップは消費電力が現在の10分の1になるそうです。我々が扱っているレーザーやオプティカルを使って測定する機器はそういった製品の開発にも使用されています。

神林)御社の代表といえる商品や、面白い技術を使った商品があったら教えてください。

佐々木氏)代表といえる商品はいくつかあるのですが、まずはキャリパーという、スライドして計る0.001ミリ誤差のハンドツールです。そして、ねじの回転により、より高い精度で計るマイクロメーター。他にもCCDカメラを使って測定する画像測定器や、3次元で測ることができる3Dコーディネートメジャーリング測定器などですね。100ドル程度の商品から50万ドルを超える価格帯の製品まで様々です。
新製品はソーラー技術を使った環境に配慮した製品です。我々は、お客様が測りたいものをすべて測れるようにする為、製品を開発しております、たとえば計測のために必要な光学レンズも自社で作っています。


単純に長さを計るだけでなく、表面の粗さを測定する機械もありますよ。鏡のように滑らかに見える表面も凸凹があるんですね。その凸凹の高さや深さを計ることで粗さの測定が可能です。また、どれだけ円に近いかという真円度を測る測定器や他にも、堅さの測定もあります。あるものを一定の力で押し込んだとき凹む深さを計測して硬さを計算上で割り出します。

神林)長さを測る技術を応用して色々なものを測定できるんですね。それではこのあたりで、今までの佐々木社長のご経歴を教えてください。

佐々木氏)出身は岩手県盛岡市。東北の人はあまり海外に出てこないのか、会う機会が少ないのが残念です。もともと工学系の出身で、測定機器を身近に感じており、入社を決めました。最初は設計や品質管理を担当していましたが、30歳のときにドイツに赴任。当時、ヨーロッパでの販売を伸ばすため、フランスやイタリアなど欧州の主要国のミツトヨ立ち上げに関わりました。86年から97年までヨーロッパに駐在した後、会社から「南回りで帰って来い」と言われ、そのままブラジルへ赴任。2006年末に帰国したあと、1年後にアメリカへ。現在6年目になります。アメリカのオフィスはシカゴ郊外にあり、カナダには月に1度の頻度で出張しています。

神林)今まで印象に残っているお仕事について教えてください。

佐々木氏)中南米に駐在していたときにその国の産業に貢献できたと実感できるプロジェクトがあり、特に印象に残っています。ブラジルの小さな製造業者が、製造する部品がアメリカの規格に達することができず苦労していました。我々が支援した結果、規格を満たすことができ、事業が成功したんですね。個人的にも嬉しかったです。当社は職業訓練校に寄付し、測定技術を磨く学校で技術を伝えて、その国の技術力育成を支援する事業も行なっています。

神林)職業能力開発の面でも社会貢献されているのですね。これまでのご経験から大切にしていることはどんなことですか。

佐々木氏)会社は人の集まりですから、人を大切にしています。将来を展望しながら仕事ができる環境をつくってあげることは会社にとって一番大切なことですので、そういった環境を社員に提供できるよう日々努力しています。

神林)プライベートなこともすこし伺いたいのですが、佐々木社長の好きなスポーツや趣味を教えてください。

佐々木氏)学生時代はテニスをやっていました。岩手出身ですから、スキーが得意です。指導員資格を持っています。他に、ギターも好きです。

神林)どのような曲を演奏されますか。

佐々木氏)基本的には四畳半・・・フォークソングが中心です。年齢が分かってしまいますね(笑)。


神林)普段はアメリカにご駐在とのことですが、カナダとアメリカを比較してどのように感じられますか。

佐々木氏)カナダは人が温和であると感じます。表面的にはアメリカもフレンドリーだと思いますが、カナダでは心からの笑顔を向けてくれますね。

神林)最後に商工会会員へのメッセージをお願いします。

佐々木氏)アメリカベースなのでなかなか活動に参加できないのは残念ですが、商工会を通して色々な業界の人と知り合えるのは我々にとって大切なことですし、そこで築いたリレーションシップは将来的につながっていくと思っています。今後できる限り参加したいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。

神林)事務局でもたくさんのイベント開催や情報提供をしていく予定ですのでお力になれると幸いです。今日は取材にご協力いただきありがとうございました。

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