「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第46回>
Toyota Canada Inc. /カナダトヨタ(株)
一井 誠二 社長

今回は今年一月に着任されたカナダトヨタの一井社長を取材しました。オフィスの所在地はスカボロ。その昔、「レクサス」ブランドの立ち上げに携わった一井氏、トロント赴任はこれで2回目となります。そのときのご苦労や、今お仕事を進める上で心がけていることなど、詳しくお伺いしました。

神林)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

一井氏)自動車の輸入・卸売り業です。設立は1964年ですから事業を始めて48年になります。当時はカナダのローカルの方の会社だったのですが、今は三井物産さんとトヨタ自動車のジョイントベンチャーの会社となっています。社員は600。事業所はカナダ全土に5箇所(ハリファックス、モントリオール、トロント、カルガリー、バンクーバー)あります。

神林)御社で扱っていらっしゃる自動車について、車種の数や生産拠点を教えてください。

一井氏)取り扱いブランドは3つあります。トヨタ、レクサス、そして一昨年スタートしたサイオンです。車種の数はトヨタが15、レクサスが9、サイオンが4。合計で38車種です。去年の販売数は16万台でした。その約半数は、カナダのケンブリッジ/ウッドストックの工場で生産されているものです。残りの半分のうち、3割はアメリカ製。ケンタッキーやインディアナなどで生産しています。2割弱が日本から。昔はほとんどを日本から輸入しておりましたので、随分変わりましたね。

神林)8割が北米産なのですね。最近、御社はアメリカでSUVの生産を開始するという報道を見ました。北米での生産は増えているのですか。

一井氏)その方向で進んでいます。北米での生産を拡大するというよりも、需要のある現地での生産を主力にするという考え方です。カナダでは今年、RAV4EVの生産が始まります。

神林)カナダで一番の売れ筋はどちらですか。

一井氏)一番お買い求めいただいているのはカローラです。長い歴史があって、品質が良く、カナダの厳しい環境のなかでも比較的長持ちする車ということで良いイメージを持っていただいていると思います。

神林)売れ筋に関して言うと、アメリカと比較していかがですか。

一井氏)カナダはカローラ、さらにその下のヤリスがメインである一方、アメリカで一番人気があるのはカムリです。マーケットでいうとミディアムクラスが売れ筋ですね。

神林)これからカナダで特に販売数を伸ばしたい車はどれでしょうか。

一井氏)私にとってはどの車もかわいいのですが、カローラはコア車種であり続けることは間違いないでしょう。カローラはカナダで生産していますしね。今後伸ばしたいのはプリウスです。昨年の秋に販売を開始したプリウスV。もうすぐプリウスCを導入しますので、プリウス全体での販売を伸ばしたいです。

神林)一井社長のご経歴を教えてください。

一井氏)出身は京都です。81年入社。車が好きでしたし、先輩の紹介がありましたので入社を決めました。入社30年になりますがその内3分の2は営業です。8年は開発生産として調達の仕事に携わりました。営業では北米に関する仕事がほとんどでした。89年から5年間、トロントに赴任になっています。ちょうどレクサスを立ち上げるときでしたね。カナダから帰国した後は2000年から2005年までシンシナティに駐在し、調達の仕事をしていました。部品や資材を購入する仕事です。

神林)カナダは2回目のご駐在、海外駐在は今回で3回目ですね。

一井氏)北米関連の仕事が多かったのですが、こちらに来る前、日本で4年間アフリカ部の部長をしていました。その当時、政権が崩壊した直後のリビアを含めアフリカ諸国20カ国以上に出張しました。アフリカでは発展途上国のダイナミズムを感じましたね。

神林)御社の自動車はその品質から、アフリカでも人気なんでしょうね。

一井氏)そうですね。アフリカの厳しい環境の中、丈夫という点はこちら以上に安全に直結します。ランドクルーザーやトラックを中心に人気がありました。

神林)今まで携わられたプロジェクトで印象に残っているものを教えてください。

一井氏)自分のキャリアのなかで一番印象に残っているのは「レクサス」のスタートです。新しいブランド、そして新しい販売網を作ってスタートすることに関われたのは大変勉強になりましたし、面白かったです。

神林)新しいことですから随分とご苦労があったのではないですか。

一井氏)トヨタはそのときはまだ高級車はありませんでした。販売宣伝方針、商品のテイストをどうするかなど、色々なスタディをして検討しながら進めていきました。すべてのことをゼロから始めなければならなかったので苦労しましたね。当時は日本車が高級車として認知されるかということに疑問の声も社内にありました。

神林)ご苦労の甲斐あって結果的に大成功でしたね。

一井氏)お陰様で。今は皆、やってよかったと思っているでしょうね。

神林)今までのご経験から、お仕事を進める上でどのようなことを大切にしていますか。

一井氏)大切だと感じるのは相手の立場に立って考えること。特に外国人と仕事する上では、相手の価値観や文化を尊重するという姿勢がないと衝突してしまいます。特にコミュニケーションは十分にしなければいけません。日本人同士でも言葉が足りなくて誤解することがありますよね。こちらは拙い英語でやっているし、文化も違うのですから誤解が生じて当たり前です。200%ぐらいのコミュニケーションをしてちょうどいいぐらいです。

神林)ご趣味や好きなスポーツを教えてください。

一井氏)旅行、そして寺や仏閣を散歩するのが好きです。他にはお笑い番組が好きで、DVDを日本からたくさん持ってきました。一番リラックスできる時間はお風呂に入りながらお笑い番組を見ること。昨日も自宅で見ていました。

神林)今まで旅行された中で印象に残っているのはどちらですか。

一井氏)カナダのいいところは自然ですね。ロッキーは素晴らしかったです。他にもアルゴンキンパークやジョージアンベイ。知り合いの方が島を所有していて、そのコテージに招待してくれたことがあります。周りが静かな中、夕日が沈む風景を見たり、サウナに入ってから湖に飛び込んだり。日本ではあまりできないことでしたから印象に残っています。アルゴンキンでは子どもと一緒にカヌーをしたのがいい思い出です。

神林)これからカナダでやりたいことや目標はありますか。

一井氏)少しでもトヨタのブランドイメージを良くしたいです。具体的にはトヨタの車を買いたいというお客さんや、買ってよかったと言っていただけるお客さんを増やしていけるよう、色々なことに取り組んでいきたいと思います。

神林)最後に商工会会員へのメッセージをお願いします。

一井氏)日本は震災、そして経済の沈滞もありましたから、こちらから元気を発信できたら良いと思います。会員の中には日本にいずれ戻られる方も多いと思いますので、こちらでカナダのいい面を学んで、日本に帰ったときに日本に対して貢献することができるといいですね。

神林)カナダの良さを日本に伝えるのは会員さんの大きな使命といえますね。本日は取材にご協力いただきありがとうございました。

戻る   過去の新代表者紹介インタビュ一覧はこちら