「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー

 <第39回>
Maplesoft (Waterloo Maple Inc.)
President / CEO
Mr. Jim Cooper ジム クーパー社長


(English version is followed by Japanese)

今回は今年入会されたMaplesoftさんにお邪魔しました。トロント日本商工会唯一のソフトウェアの開発・販売をされている企業です。クーパー社長と、親会社のサイバネットシステム株式会社からの駐在員である山口副社長が、会社概要やウォータールー地区でのハイテクビジネスについてお話くださいました。

(神林)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

Cooper氏)Maplesoftはウォータールー大学のリサーチプロジェクトとして始まりました。もう30年以上前になります。その後、大学から分離・独立して会社になりました。設立当初、日本のサイバネット社が当社製品のディストリビューターとなりました。教育や工学の分野そして政府機関で使用される数式処理ツールとして売上を伸ばし成長していきました。そして2年前、日本のサイバネットが当社を買収し合併となりました。現在、我々のソフトウェア製品は世界中の教育施設や企業向けに国際的な販売網を持っています。

(神林)御社の主力製品について詳しく説明していただけますか。

Cooper氏)2つの主力商品があります。1つは汎用的な数式処理を目的とした“Maple”というソフトウェアです。そして、エンジニアリング分野に特化した“MapleSim”。実際に何か製品をつくるまえに仮想の試作品を作りデジタルシミュレーションをすることが可能です。コンセプトから仮想の試作品を作ってどんな成果が挙げられるか試算することができます。

(神林)具体的にどんな風に使われるのでしょう?

Cooper氏)我々の製品は広範囲に使用できるツールですから、活用方法は多岐に渡ります。お客さんによって使い方は違うでしょうね。”Maple”は教育向けですから、数学や工学の授業現場で使用されています。これがあれば手計算する代わりにコンピューターで複雑な数学を簡単にすばやく行なうことができます。“MapleSim”についてはモデリングを行うソフトなのでエンジニアリング業者に使用されています。たとえばコンポーネントベースのモデリングです。仮想の試作品をつくるためのシステムを構築し、数式を要素としてそのシステムを実際に製品をつくる前にテストすることができるんです。

(神林)御社のお客さんはどんな業界に多いですか。

Cooper氏)世界中の大学に納入しています。ほとんどの大学にあるでしょうね。ですから大学はお得意さまです。生徒さんも買ってくれますね。商業目的のアプリケーションでは会社の研究開発部門です。我々の一番大きなお客さんは日本企業です。特にトヨタさんなど自動車業界ですね。ロボットや航空関連の企業にも納入しています。

(神林)日本のものづくりにカナダのソフトウェアが役立っているのですね!ところでこちらのオフィスでは何人の従業員がいらっしゃるのですか。

Cooper氏)こちらだけで110人。ドイツやフランス、アメリカやカナダの西海岸など世界中に小さな拠点があります。

(神林)こちらは開発拠点ですよね。そうすると110人のほとんどは開発に当たっている方ですか。

Cooper氏)半分以上はそうです。そのなかで博士号をもっている人がほとんどです。

(神林)ウォータールー大学とは今でも協力関係にありますか。

Cooper氏)はい。世界中の大学と共同開発していますが、やはりウォータールー大とは一番親しいですね。Maple MapleSim両方の製品で、様々な学部と協力して研究しています。

(神林)御社の特徴を教えてください。

Cooper氏)私自身、こちらに入社して10年以上になりますが勤続年数が長い社員は多いです。ここは強調したいのですが、サイバネットに買収された後も100%の従業員が残りました。離職率は低いですね。当社は企業と大学院が一緒になったような感じです。従業員は自分で研究開発を行なうことが推奨されていますし、なんだかアカデミックな気風なんですよ。アカデミックとビジネスの雰囲気がいい感じに混ざっています。ですから良い人材を惹きつけることができていると思いますし、そういう人に理想的な仕事をお願いできています。10年以上勤続の社員も多いです。

(神林)そうですか。日本では新卒で入社後、ずっとその会社に勤め続けるというのは一般的ですが、こちらではあまりそうではないのかなと感じていました。

Cooper氏)そういう意味では我々はユニークだと思います。当社は新卒入社が多いんです。地元の大学との関係があって入社する人がほとんどです。大学と共同研究を行っていますので、その研究にかかわった学生たちが博士課程やポスドクを卒業して、入社し、長く勤めてくれます。

(神林)そういう意味では日本の会社に少し似ていますね。

Cooper氏)そうですね。

(神林)ウォータールー地区についてはどう思いますか?

Cooper氏)ウォータールーはわりと小さな街ですが、ハイテク産業が盛んです。地元には世界でも評価の良い大学が2つありますし、そういった大学が我々やRIM(リサーチ・イン・モーション)のような大学から分離独立した会社といい関係にあります。ですからキッチナーやウォータールー地区ではデジタル/ハイテク企業の仲がいいですよ。そうした背景もあって労働環境もいいですし、ハイテク企業の人達の交流は、カナダのほかの地域と比較しても、盛んなのではないでしょうか。労働環境と人的交流環境が整っていますね。

(神林)恵まれた環境なんですね。クーパー社長はこちら出身ですか。

Cooper氏)優秀な技術者を採用するにも、ハイテクビジネスを行なうにも、カナダで一番でしょうね。私自身はウォータールー大で工学学士を取得しました。日本を含め色々な場所に住みましたが、20年経って戻ってきましたよ。

(神林)戻ってみていかがですか。

Cooper氏)いいところですよね。ウォータールー大の学生だったときが人生のピークだったと言えると思います。戻ってきてから10年経ちましたが、なんだかずっとここにいるような気がするんですよ。

(神林)今一番ご苦労なさっていることはなんですか。

Cooper氏)一番と言われると難しいですね。事業を行なう上では1つの問題を解決すると別の問題が浮かんできますから。ですが、我々は非常に優秀な人材を採用するよう心がけていますし、問題が起こったとき、関連するデータを判断材料にして解決、決定をしています。こういう問題は優秀な人に任せておけば何とかしてくれますよね。だからこの地区にいるわけです、優秀な人材がたくさん居ますから。

(神林)難しいことがあっても優秀な社員さんが何とかしてくれるわけですか。問題なしですね。とても自信を持ってらっしゃいますね。

Cooper氏)そうですね。先ほど言いましたけど、博士号を持つ社員がたくさんいます。私自身より優秀ですよね(笑)。困ったことはお任せしています。

(神林)商工会は御社にどのようにお役に立てるでしょうか?

Cooper氏)当社はサイバネットと合併しました。我々は国際的な販売網がありますし、サイバネットも国際的な企業になることを望んでいます。ですから、今とても親密な関係にあります。当社からも日本からもたくさんの社員がウォータールーと日本を行き来しています。Maplesoft とサイバネットは概ねとても良好な関係を築いていますが、お互いの文化的な違いを理解したり、両者の持つ強みを深められれば、世界的な評価を得るために役立ちます。商工会の一員になることで、相互理解を促進できると思っているんです。我々のように、日本の会社とカナダの会社が協力して世界的な評価を得ようとしているという状況にある企業を他に知りません。ですから、我々は特殊な状況にあると思いますが、それぞれの企業がもつ良さをどうやって深め、互いに理解できるかを探っているところです。

山口副社長、何か加えることはありますか?山口副社長はサイバネット社に入社する前、アメリカで複数の企業に務めており、日本と北アメリカの経験が豊富です。コミュニケーションの向上にとても貢献してくれていますし、ここにいてくれて本当良かった。この質問には、山口さんからも話してもらいましょう。

(山口氏)新しいビジネスや先端産業の多くはこのウォータールー地区から始まっていると感じます。そして我々も高い技術力を強みとして競争に加わっていかねばなりません。オンタリオには日本の会社もたくさんありますね。
Maplesoftは日本企業の一員ですから、カナダの会社やカナダにある日本企業となにか協力して新しいことをやっていけたらと思っています。

(神林)本日は御社のビジネスについて知るいい機会となりました。取材にご協力いただきありがとうございました。




<39th Interview>
Maplesoft (Waterloo Maple Inc.)
President / CEO
Mr. Jim Cooper

This time we visited “Maplesoft”, a new Shokokai member based in Waterloo. They are the only software development company in our association. We interviewed Mr. Cooper while Mr. Yamaguchi, a Japanese expatriate from Cybernet Systems Co., was also in attendance. Together they introduced their company and the high-tech region of Waterloo.

Kambayashi: Please introduce your business, such as the nature of your business, the history of your company in Canada, and the number of employees at your office.

Mr. Cooper: Maplesoft began as a research project in the University of Waterloo, over 30 years ago. It transitioned from a university research project to a company, as a high-tech spin off from the University of Waterloo. In the very early days we began working with a distributor, Cybernet Systems Co. Ltd., in Japan. As the company grew and became more popular, we sold advance mathematical tools for education, engineering, and government applications. Two years ago, Cybernet purchased Maplesoft. We now have a worldwide distribution of software products, both in educational and commercial institutions around the world.

Kambayashi: Could you explain more about your products?

Mr. Cooper: We have two core products. “Maple” is a technicalcomputing software used for all types of mathematics.  MapleSim is an engineering-focused product that allows virtual prototyping and digital simulation of products before they are built. You can build a virtual prototype of a product from a concept and simulate the results to see how its performance will be predicted.

Kambayashi: How it is exactly used for?

Mr. Cooper: Our products are very broad tools and are used in many ways. Every customer probably uses it in a different way. One of the base applications is for education. It has been used for teaching math and engineering courses. Highly complex mathematics can be computed on your computer quickly and easily, versus by hand.

In engineering applications companies, we do a great deal of modeling, such as component based modeling. Our products help assemble a computerized representation of the system that would allow the engineer to build a virtual prototype, and simulate the system, before they build it, using the base mathematical equations of each component. So it very much depends on the user how the product is used.

Kambayashi: Who are your customers?

Mr. Cooper: We effectively sell our products to all universities all around the world – a very high percentage. So as for academic customers, the universities are the customers. However, quite often, students will also buy a student copy. For commercial applications, the engineering department or research department within a corporation would be our direct customers. Our largest customers are Japanese based automotive companies, such as Toyota. We also sell to robotic and space based companies.

Kambayashi: So your products are used for Japanese product designs! How many employees are there in this office?

Mr. Cooper: In this office, about 110. We have some smaller locations in Germany and France, and also on the west coast of US and Canada. There are a few other small offices around the world.

Kambayashi: This is the head office? And most of these 110 employees are programmers?

Mr. Cooper: Yes, we are headquartered in Waterloo, Ontario. More than half are engineering development staff. A large percentage of them would be PhD level of researchers.

Kambayashi: Do you still work with the University of Waterloo?

Mr. Cooper: We work with universities all over. But we still have close relationships with the University of Waterloo, on Maple and MapleSim. Both of them have strong relationships with different research departments within the university.

Kambayashi: How does your company different from others?

Mr. Cooper: I have been in this company for over ten years. And there are a large number of employees who have been here for a very long period of time. I think it is important to note, even when we did the transition at the time of purchase by Cybernet, we maintained virtually 100% of our employees. So there has been very low turn-over. It is a company that combines the feel of a normal company but with a graduate university style. Employees are encouraged to do a great deal of investigation and research on their own. The atmosphere is in some ways very academically oriented. So it is a nice combination of an academic atmosphere with a corporate business outlook. We tend to be able to attract very good people and for the right person, we can offer the perfect job. We tend to have very long term relations with these employees. We have many employees who have been with the company for over 10 years.

Kambayashi: I see. Japanese companies in Japan hire new graduate and employees work there for very long time, most likely over 30 years. This does not seem to happen here often.

Mr. Cooper: We are unique that way. We tend to hire new graduates. And quite often the people we hire come from our relationships with local universities. When we work with the universities on research projects, we get to know the students who work within those research labs on those projects. If we see then as a good fit, we hire them when they are finished with their PhD or post doc work. Quite often they do stay for long time.

Kambayashi: In a way, your company is quite similar to a Japanese company.

Mr. Cooper: I think so.

Kambayashi: What is your impression of the Waterloo region?

Mr. Cooper: Waterloo is a relatively small town but it has a very strong high-tech business focus. There are two universities very close-by and they are well respected worldwide. And they produce many technical companies and spinoffs like RIM and Maplesoft. Because of this, it is a very close community of digital or high-tech companies in the Kitchener or Waterloo region. That makes this a very easy place to work, and it also creates a higher level of socialization between people involved in high tech companies in Waterloo, than typically in any other regions in Canada. So Waterloo has a very rich social environment as well as a work environment.

Kambayashi: Seems like it is a very great place to do business here. Are you from here?

Mr. Cooper: I feel it is the best place to both find high quality technical people and to do high-tech business in all of Canada.

Mr. Cooper: I did my undergraduate engineering degree at University of Waterloo. Even though I have lived in other locations, including in Japan, I began my engineering degree in Waterloo. And I came back here after being away for 20 years.

Kambayashi: How do you feel about that?

Mr. Cooper: I think it is wonderful place to come back to.  I would say my time in Waterloo as a student was probably the best in my life. I have been here for 10 years, so I feel like it has been a very long time.

Kambayashi: What is the most challenging part of your business?

Mr. Cooper: There is no one thing. In business, there is always an issue, as soon as you fix that issue, there would be another issue. I don’t know if there is one thing that I would classify as a problem. But we do try to hire extremely talented and intelligent people who can solve these problems. We also try very much to base our decision on data, to examine the problems and to look at hard data associated with the problem. We feel the best way of dealing with these types of issues and problems is to have very intelligent people, and they will find the solution. I think that is why we are in this region. It is a very good location to attract and maintain what I would consider very high quality employees.

Kambayashi: Whatever the challenge, your employees will fix it. No problem. You are very confident with your employees.

Mr. Cooper: As I said before, we have a high percentage of PhD level employees. They are much more intelligent than I am. They can quite often find a solution to the problem.

Kambayashi: This is the last question. How do you expect Shokokai to further your company’s goals?

Mr. Cooper: We work closely with Cybernet, our parent company. We have a worldwide market and Cybernet also wishes to become worldwide company. So we are working extremely close together. Many employees have travelled to Japan, and many people from Cybernet Japan have also come to Waterloo. Generally we have an excellent working relationship but anything that can help us better understand the cultural differences, and the strengths of both parties, will help our vision of having a very strong worldwide reputation for both Maplesoft, as well as Cybernet. We feel that being engaged with your Association will help us enhance this understanding. And I do not know too many other companies in our situation where we have two companies, one based in Japan, the other based here, trying to build a worldwide reputation. So I think we are in a unique position and we are definitely looking for anything that will help us in truly understanding the strength that each party brings and how we can best deepen those abilities. Mr. Yamaguchi, do you have anything to add? Before he came to Cybernet, he worked in the Unites States and in a number of companies. He has very strong Japanese and North American sets of experiences. We are very lucky to have him. He does a wonderful job at enhancing communications. So you might be in a better position to answer this!

Mr. Yamaguchi: My personal feeling is that Waterloo region has a large number of upcoming, new high tech companies in the region . We have to make sure we match up to such competition and we are in a good position to do that with our strength in our software technology. There are also a good number of Japanese companies in Ontario. Hopefully we will establish the next step of collaboration between Canadian companies or Japanese companies in Canada and Maplesoft because we are part of a Japanese company group.

Kambayashi: Thank you for your feedback. This concludes our interview for today. It was a pleasure meeting you and getting this chance to get to know you and your company. Thank you very much for your time today.

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