「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー

 <第38回>
Honda of Canada Mfg./ホンダオブカナダマニュファクチュアリング
讃井 信行 社長

38回はアリストンのHonda of Canada Mfg.さんを訪問しました。トロントからは1時間ほどで到着です。四輪車の生産拠点ということで情報漏洩を防ぐため、出入りする人はしっかりチェックされ、ビジターはカメラやスマートフォンは持って入れません。今回は特別に許可をもらって、讃井社長の撮影・インタビューに成功したのでした。

(神林)御社の事業内容のご紹介をお願いします。

(讃井氏)Hondaは自動車、オートバイ、汎用製品という発電機や芝刈り機を取り扱っています。昨年は全世界で二輪、自動車、汎用製品、全部で2700万人のお客様にご愛用いただきました。自動車で言いますと、北米で140万台。ホンダの自動車の世界販売のうちの約4が北米であり、北米がホンダの屋台骨です。売り上げは全体のおよそ半分が北米。ひところは、北米一本足打法とも言われましたね(笑)。

(神林)御社の製品の約半分が北米で販売されているとは知りませんでした。北米でのビジネスを始められてどれぐらいですか。

(讃井氏)北米で1959年にLAにセールス事務所が設立されたのが最初です。北米での歴史は52年になります。Hondaは北米で一番初めに生産を開始した日系の自動車メーカーで、北米での生産開始は1982年。カナダでは1986年に開始しましたので、Honda of Canada Mfg.は今年11月に25周年になります。

(神林)北米での生産が始まってから来年で30周年なんですね。北米に生産の拠点はいくつありますか。

(讃井氏)四輪完成車工場はカナダ、アメリカ、メキシコの3国で5拠点9ライン。エンジン工場がHCMを含めて3拠点。トランスミッション工場が2拠点。二輪・汎用製品の工場が2拠点あります。全世界でカナダでしか作っていないという、いわゆる「カナダ特産品」はシビックのクーペ、MDXZDX。昨年の生産量は北米全体で約129万台。そのうちカナダが28万台ですから約20%を占めています。販売はリーマンショックと震災で落ちておりましたが、昨年は北米全体で123万台。87%は北米で作った車を北米で販売しています。

(神林)地産池消なんですね。カナダでの生産や従業員数について詳しく教えてください。

(讃井氏)カナダの生産拠点であるHonda of Canada Mfg.の生産能力は年間39万台です。従業員数は昨年度末で4400人。完成車ラインは2つあり、プラント1でシビックの2ドアと4ドア、プラント2ではシビックの4ドア、MDXZDXを生産しています。そして来年年初にはCR-V の生産が決定しました。さらに2008年にはエンジンプラントが立ち上がり、シビック用のエンジンの生産を開始しています。広さは87.6万坪、東京ドーム21.5個分の大きさです。今年度の生産計画のうち97%は北米向け。約7割はアメリカを主にカナダ以外への輸出ですね。ホンダカナダが販売する車のうち、51%は私共から供給する計画です。

今年の計画は約29万台。今までは震災影響でセーブした生産でしたけれど、10月には生産能力が戻り、最大限の生産となる予定です。

他に、サプライヤーについて言うと、シビックは1,600点以上の供給部品のうち、89%は北米のサプライヤーから仕入れています。カナダのサプライヤーからは28%です。

(神林)シビックは「日本の車」というイメージがあったのですが、部品もほとんど北米産とは驚きました。御社は敷地面積も大きく、従業員さんの数も多いですね。駐在員さんは当会の構成員として現在64名ご登録いただいているのですが、当会はもちろん、カナダでもナンバーワンの数だと思います。駐在員さんの役割には何がありますか。

(讃井氏)Hondaは現在全世界で約2000人の駐在員がいるんですよ。自動車産業はかなり細かく専門分野が分かれます。特にHondaでは新機種の開発において現地生産部門の意志が大きく入り込みます。新機種のためのライン改造や新機種導入のタイミングでライン体質を向上していくのは全て現地主導で行っています。ですから日本人駐在員の役割は、各専門分野で現地人と一緒になって三現主義(現場、現物、現実)に基づき、現地に適したアイディアを一緒に考え、具現化して行くことです。そのために他社さんとは多少異なった駐在員の役割になってると思います。

(神林)社是を徹底するための従業員教育や特別な取り組みについて教えてください。

(讃井氏)ホンダフィロソフィートレーニングを実施しています。そして個人的にはOJTが大切だと感じています。一緒に仕事をする中で教えていく。トップダウンとボトムアップのグッドバランスを目指していて、改善提案など盛んに行なっています。

(神林)環境に対してはどんな取り組みをなさっていますか。

(讃井氏)「0ランドフィル」といって、2007年に埋め立てごみ ゼロを達成しました。他にも敷地内にスプリングクリークという小川が流れており、その清掃活動を行なっています。カナダで事業を行なうにあたって、環境にも配慮した企業活動を行なっています。

(神林)従業員さんは4400名と大変多くいらっしゃいますが、社内で何か特別なイベントはあるのですか。

(讃井氏)カナダらしいレクリエーション施設としてホッケーリンクがあります。もうすぐ氷を張る予定ですよ。社内のプライベートホッケーチームが50チームあり、リーグ戦が始まります。

(神林)社内にホッケーリンクがあるなんて自慢できちゃいますね。では、このあたりで讃井社長のご経歴をお伺いしたいのですが。

(讃井氏)出身は東京です。1977年にHondaに入社しました。ずっと生産部門です。

(神林)入社のきっかけは何でしたか。

(讃井氏)それはもう、車が好きだったからですね。工作機械について学んだのでホンダに入社したいと思っていたんです。その当時、本田宗一郎さんのイメージは大きかったですよね。学生時代に乗っていたのはHondaじゃなかったのですが(笑)、自分でメンテナンスしたり手を加えるのも好きでした。若いころから海外にも行きたいという気持ちもありましたね。

最初の駐在は1988年から1996年までにオハイオにあるエンジンプラントへ。その後帰国し、2003年に再度アメリカへ赴任となりました。オハイオの生産企画室にてトランスミッション工場の設立を提案し、ジョージアに設立することになりました。その社長に就任したのが2005年。その後2007年にHTMというオハイオのトランスミッション工場に異動。拡大しました。そして2009年にアラバマの完成車工場へ。そして20114月にこちらへ着任しました。

(神林)駐在は2カ国目、ご駐在がトータル16年を超えた今、お仕事を進める上で大切にしていることは何ですか。

(讃井氏)まず、相手を信頼して仕事をすること。最初ANNA(オハイオのエンジン工場)の立ち上げで赴任になったときに、まったく素人の人を集めて生産を開始したんです。現地のエンジニアには簡単な仕事を任せ、肝心なところは日本人の出張者に任せていました。ところが、湾岸戦争が始まった影響で日本人出張者が居なくなってしまったんですね。そこで相手を信頼して、教えていかなければならないことに気づいたんです。そのやり方だと彼らも我々を信頼してくれるし、仕事のやり方に共通の理解を築くことができるようになりました。

2つ目は自分が思っていることをはっきり言うこと。日本人は期待するだけではっきり言わないことが多いです。こちらでは言わないと伝わりませんよね。ですが一旦依頼すると、両手を広げてヘルプしてくれるんです。ですからはっきりと伝えることは非常に大切ですね。

3つ目はOne Teamで仕事をする事。ここで言うOne Teamとは先にも言いましたがトップダウンとボトムアップのグッドバランスです。Hondaでは一人ひとりのアイディアや改善が大きな役割を果たしています。現場で働く一人ひとりのやる気を引き出し、ボトムアップを活発にすること。これが重要な鍵となります。

以上3つのことは若い人にも伝えています。

(神林)今までのご駐在中に経験されたことが基になっているのですね。コミュニケーションについて日本とは違うところは私も実感します。プライベートな質問ですが、好きなスポーツやご趣味についても教えてください。

(讃井氏)好きなスポーツといったらやはりゴルフです。今は単身で来ていますので、土日はほとんどゴルフです。カナダはいいコースがたくさんありますね。アラバマは1年中ゴルフができるのですが、こちらは半年ですから少し残念に感じています。

(神林)10月を過ぎるともう寒くなりますからゴルフ好きの方にとっては寂しいですね。

(讃井氏)冬はスポーツ観戦を楽しみにしています。アメリカにいたときはカレッジフットボールが好きでした。こちらでは社内のホッケーリーグが楽しみですね。他には音楽。ピアノの演奏です。ピアノを弾いていた母の影響もあり、子供のころから弾いていましたが、社会人になってほとんど弾く機会がありませんでした。アラバマで単身だったときにピアノを買って、また始めました。演奏する曲はクラシックよりもポップスですね。ピアノはこちらにも持って来ましたが、今はコンドミニアムなので思い切り弾けません。電子ピアノもあるので、そちらでの演奏を楽しみたいですね。

(神林)音楽の大好きな会員さんもたくさんいらっしゃいますからバンドを組まれたら楽しいかもしれません!カナダにいらっしゃって5ヶ月になりますが、カナダでやりたいことや目標があったら教えてください。

(讃井氏)ビジネスの面では、カナダの製造業は為替の影響もあって難しい状況ですが、失いかけている競争力を強くしていきたいと思っています。プライベートでは是非プロのホッケーを見に行きたいですね。

(神林)最後に商工会会員へのメッセージをお願いします。

(讃井氏)60名を超える駐在員がおり、補習校には大変お世話になっています。まずはそのお礼を申し上げたいですね。できる限りのサポートをしていきたいと思います。

(神林)補習校運営に対し多大なるご支援をありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。インタビューは以上です。本日はありがとうございました。


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