「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー

 <第31回>
Honda Canada Inc./ ホンダカナダインコーポレ−ティド
関口 孝 社長

昨年7月号でお邪魔したホンダさんですが、社長交代とのお知らせを受けて再度取材に行ってきました。4月に着任された関口社長は商工会の副会長もお務めいただいております。社長イチ押しの新型シビックの前で写真を撮らせていただき、カナダでの事業内容、関口社長のご経歴、お仕事を進める上でのポリシーなど様々なお話を伺いました。

(神林)事業内容のご説明をお願いします。

(関口氏)ホンダカナダはこちらのマーカムで二輪と四輪と汎用製品の販売、アリストンで四輪の製造をしております。設立は1969年。事業を始めて42年、生産を始めて25年になります。アリストン工場では1998年に2つ目のラインを作り、年間39万台の生産能力を持っています。従業員は20113月の数字で工場も含めて約5000人。販売は2010年度で輸出を除くとカナダ国内の四輪で141千台。二輪は23千台。汎用製品(エンジン、発電機、芝刈り機、耕運機、船外機)は5万台です。輸出は主にアメリカへ21万台。シビックが中心ですが、アキュラのMDXという高級SUVを生産し、輸出しています。

(神林)カナダ国内向けよりもアメリカ輸出向けのほうが多いのですね。

(関口氏)マーケットのサイズがアメリカはカナダの10倍ですからね。販売の規模も大きいのです。

(神林)カナダで生産するメリットは何ですか。

(関口氏)ホンダには「需要のあるところで生産する」という方針があります。現地のお客さんの好みもよく分かりますし、輸送費が掛からないから廉価で提供できます。生産してからお届けまでの時間が短縮できます。そういった考えのもとに、世界各国に工場があります。カナダにあって、アメリカに輸出するということについては、NAFTAの恩恵で関税のメリットが受けられることが挙げられます。関税のメリットを受けられるのでアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国で生産をしています。

(神林)二輪の製品はどこで生産されているのですか。

(関口氏)二輪にはATV(四輪のバギー)が含まれるのですが、それはアメリカで作っています。オートバイは、北アメリカでは作っておらず、日本、イタリア、タイで生産して輸入しています。


(神林)震災の影響はいかがですか。

(関口氏)震災直後に福島県や岩手県にある部品メーカーさんが相当な被害にあわれて、特に電子部品関係や塗料の生産が滞っています。復興に向けて皆さん非常に努力されて、かなり状況は我々の予想よりも相当早く改善し、夏までには100%に近い生産に戻ることができる予定です。

(神林)早い時期に元に戻ることができて本当に良かったですし、復興の力は素晴らしいですよね。ところで、カナダにASIMO君が来たという話を聞いたのですが・・・。

(関口氏)アシモはもう帰ってしまったんですけどね。オタワでは文明博物館でパフォーマンスしました。トロントのサイエンスセンターには4千人を超える方々が見に来てくれました。

(神林)ASIMO君はカナダでも大人気ですね。私も見に行きたかったです。最近コマーシャルでよく見るシビックについても教えてください。

(関口氏)現在、若干今生産が厳しい状態ではありますけれど、人気の車種シビックは4月にフルモデルチェンジをしました。是非期待していただきたいと思います。若い人に受けるように色々と分析をし、今までに無いような少し変わったコマーシャルを作りました。

(神林)このあたりで関口社長のご経歴をお伺いしたいのですが。

(関口氏)埼玉県の桶川出身です。弊社の軽飛行機専用の飛行場がある場所です。入社は1982年。最初は日本国内の四輪営業を担当しました。最初の配属は鹿児島。言葉で苦労しましたね。その後福岡市のディーラーで小売の経験をしました。その後本社で商品企画を経て海外営業の北米担当を2年間。その後1996年から6年間、ロサンゼルスに駐在しました。帰国後はアジアの担当で商品企画の課長に。1年国内、タイに2年間、その後四輪の事業所の社長としてフィリピンに2年間。帰国後、再度商品の担当を経て2度目のアメリカ赴任となりました。それが2007年。副社長として商品、広報、物流、企画全般を担当しました。振り返ってみると、海外生活は14年間になりますね。

(神林)入社されてから約半分は海外赴任されていたのですね。駐在は4カ国目ですか。いままでやり遂げたお仕事や成功事例を教えてください。

(関口氏)自分の中でよかったと感じるのは、ディーラーで営業マンをやっていた時の小売の経験ですね。他にも色々な場面でいい経験をさせてもらっていますが、アメリカで最初に駐在したときはアメリカ経済が良かったということもあって、担当した商品は概ね良い販売成果をあげる事が出来たかと思います。

タイでは政府が企画したエコカープロジェクトに参画し、2007年に最終的にエコカーの優遇税制が決まりました。

フィリピンではリストラ後の再構築に取り組みました。たまたま強い商品があったので、ディーラーさんや従業員と協力してチャレンジングな目標を達成することができました。

(神林)逆にうまくいかなかったことはありますか。

(関口氏)商品企画の領域で、結果としてお客様にとって欲しい商品になっていなかったということはありましたね。お客さんの嗜好や市場を先読みして商品を仕上げていくわけですけれど、読みきれなかったことはあります。

(神林)普段心がけていることや座右の銘があれば教えてください。

(関口氏)好きな言葉は「経験は最良の教師である」というイギリスの思想家の言葉です。ホンダのフィロソフィーに3現主義というものがありますが、現場・現実・現物。自分で経験しないと分からないことで多いですよね。たまたまですが、この2つは共通しています。

海外で仕事をしていることからいうと、過去の事業所での経験や先輩から教えてもらったこととして大切にしているのは「一体感/Togetherness」。仕事は日本人だけではできません。ローカルの人達と一緒に仕事をしますので、いかにローカルの人との一体感を作り出せるかが重要だと思っています。

(神林)関口社長のご趣味や好きなスポーツについて教えてください。

(関口氏)ゴルフはあまりやりません。自分ができないと周りに迷惑を掛けてしまうのが苦手ですね。好きなスポーツは自転車(ロードバイク)です。

(神林)こちらでも乗られましたか。

(関口氏)持ってきてはいるのですが、まだです。カナダに来て楽しみにしているのは学生のころからやっているスキーです。他には、地味な趣味ですが、プラモデル。第2次大戦中のプロペラ機です。結構細かいところまで塗装するので、1つの作品を仕上げるのに数ヶ月掛かります。週末に集中してやっていますね。最初にアメリカに駐在したときに始めました。アメリカは戦勝国なので、昔の第二大戦中の飛行機があちこちで見られるんですよ。そういうものをみて参考にしながら作っていました。

(神林)一度作品を見てみたいです。今、一番の楽しみは何ですか。

(関口氏)出張が多く、なかなか週末ゆっくりすることができないのですが、住んでいる場所がダウンタウンなので買い物が楽しみですね。

(神林)カナダに来られて2ヵ月ですがどんな印象を持たれていますか。

(関口氏)出張が続いていて実際に滞在しているのは半分ぐらいですが、バンクーバーやハリファックス、モントリオールなどいくつかの都市へ行きました。きれいな国ですね。大自然を楽しみたいです。ロサンゼルスと比べると安全な印象を受けます。30年ほど前はトロントも危なかったと聞きましたが、今は安全な雰囲気ですね。カナダの方は人当たりがよく優しいし、親しみやすいです。

(神林)カナダはいい国ですね。カナダでやってみたいことはありますか。

(関口氏)プライベートでは、スポーツをやりたいですし、観光もしたいです。仕事では、ホンダの製品はカナダのお客様に支持を頂いていると認識していますので、それを守っていきたいですね。それをよりしっかりしたものにして、イメージを高めていければいいと思います。

(神林)商工会会員へのメッセージをお願いします。

(関口氏)私自身、商工会の副会長に任命されていますが、弊社は商工会が運営している補習授業校に大変お世話になっています。今日もたまたま駐在員と話をしているときに、トロント補習授業校は他の国と比べて取り組みがしっかりしていると非常に喜んでいましたので感謝申し上げたいです。理事会では会員企業様に対して何ができるのか検討しているところですので、それを踏まえて何か商工会から協力できればいいと思います。

(神林)事務局が中心となって会員の皆さんのお役に立てるように頑張りたいと思います。本日は取材にご協力くださりありがとうございました。

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