わたしのとっておきのお店

食文化からちょこっと判るブラジル風土
Copacabana Brazilian Steak House


Nachi Canada Inc. 島津公夫

「イパネマの娘」(Garota de Ipanema)というボサノバ曲をご存知だろうか?ともあれ、ブラジルのサンバ、ボサノバを生ギターの演奏を聴きながらブラジル食を味わうのも乙な物です。「とっておきの店」の一ページに加えてもいいのかもしれません。

サンパウロから離れ、当地に赴任し早半年が経とうとします。約8年ほど、サンパウロに暮らし日本からくる出張者をよくブラジル食に連れて行ったものです。その一つが今回紹介する「シュラシュコ料理」です。

元来はガウーショ(gaucho-牧童)が野性的に食していたものを一般の人たちが食べれるようにして普及したもので、牛、豚、羊、鶏などの肉を部分的にきり、串刺しにして塩(岩塩)をまぶして、時間をかけてじっくり炭焼きにしています。

この焼き上げた串刺し肉をガウーショ(ここでは黒服のボーイ)が各テーブルに回り、欲しいお客の面前で蛮刀で肉を削ぎ落とすのです。ちょっと野蛮的ですがとても興味ぶかいものがあります。初めての人は肉の味より、こんなエキゾチックな情景にまず惹かれます。

この串刺しの肉の種類は、メニューに記載されたものだけでも21種もあります。もっともなかには金曜日、土曜日だけしか準備されないものがあるようです。つまりWeekdayより週末に行くのがよいのでしょう。

ともあれ、このシュラシュコ料理店では、食べる順序があります。まず、席に座って、ウェイトレスから飲み物の注文は?ときかれます。このとき、まず、カイピリーニャ(caipirinha)を注文してください。(主に酒の強い男性にお勧め)これは、食前酒ですが原料はピンガ(ここではカシアサ)と言っていましたが、砂糖キビから砂糖を精製する段階でできるアルコールです。これにガレゴ(酢橘に似たレモン)のきざんだもの、砂糖、アイスをかき混ぜたものですが甘口で何杯か呑めるようですが2杯ぐらいで止めておいてください。それ以上飲むと夜が眠れません。

ともあれ、飲み物が来るまでの間に、野菜を食べます。そういう意味でヘルシーでしょう。

野菜がならべてあるところに行って、セルフサービス、好きなものを好きなだけ選んで皿に取るわけですが、ここで重要な点は、ブラジルでしか食べれない珍しい野菜があります。

一件、白い筍のような歯ざわりですが、パルミット(palmito)という椰子の木の一種で、その植物の芯なのです。別にこれといった味はしませんが、一度食してみてください。他は、トマトとか青野菜、オリーブの実など一般にサラダ油をベースにした前菜です。

まだ足りない気分であれば、そばの壁際においてある黒い壷の蓋を開け、まずライス、その上に黒豆スープをかけ、隣の皿に盛ってある粗い粉をこのスープの上に掛け、ライスとともに食します。これも味という味はしないのですが、食べる価値はあるでしょう。基本的に下層階級から上流階級までブラジル人が日常よく食べる料理です。

(この粗い粉はマンジョッカの粉で−マンジョッカとは芋の一種ですが今でもブラジル・インデイオが食べ、かつブラジル一般家庭でよく食べられるものです。)

そうこうしているうちに、例のガウーショがやってくるのですが、ここで注意するのはテーブルに置かれた四角いカードです。このカードにはどっちが表か裏かわからないのですが「FIRE IT UP !」と記載された側を表示するとスタート、やってきたガウーショに要求すれば、その場で、削ぎ落としくれ、好きなだけ腹いっぱい食べれます。が、大食漢ならいざ知らず一般の人はそんなに食べれません。

このガウーショが持ってくる中で、フィレミニョンなど美味しいものが多くありますが、選択して食べるのが一般的。その中でも、クッピン(牛の瘤=hump、ゼラチン質で美味しい)そしてピッカーニャ(ここではpicana brazil)、焼きパイナップルが美味しい。

ともあれ、色んな肉の色々な部分を食べますが、この肉はどこの部分かな?とか想像してたべるのも楽しいもの。知識欲のある方は、このガウーショに尋ねたら、言ってくれますが、ある程度知識がないとどこか判りません。ブラジルでは、牛の部分の呼び名の説明書がテーブルにあるのですが、ここではありません。残念です。

もうこれ以上要らないとなれば、先ほどのカードを裏にし、「COOL IT DOWN」と表示します。でないと、いつまでもガウーショがやってきて、しつこく食べさせられます。

途中でウェイトレスがなにやら盛り付けしたものをもってきますが、これは重要。

ここにはパオンデケイジョ(pao de queijo チーズ入りパン) コーン・ケーキ(bolo de milho トウモロコシを材料にしたケーキ)そしてバナナのフライ、これら全てブラジル食を美味しく飾るものです。以上、これだけ食べたら、ブラジル食を満喫したといえるでしょう。

ということで久しぶりにブラジル食を堪能できましたし、ウェイトレスのブラジル女性にポルトガル語で注文したら、その後、何度もテーブルにきて、久しぶりに綺麗なブラジレイラ(ブラジル人女性の意味)と明るく楽しくポルトガル語が話せました。名前など聞きませんでしたが。とにかく、ねあかの人はうってつけ、ねくらの人もねあかに変身よ!

<<お店情報>>>

Copacabana Brazilian Steak House

住所:150 Eglinton Ave E, Toronto, Ontario M4P

TEL (416) 916 2099

この号の目次へ戻る    「とっておきのお店」記事一覧ページへ