「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー

<第20回>
Showa Canada Inc. /ショーワ・カナダ
松村 哲也 取締役副社長

2010年の4月から代表者さん紹介インタビューを始め、今回でとうとう20回目!記念すべき第20回目はショーワ・カナダさんへお邪魔しました。所在地はニューマーケットの西にあるSchomberg。トロントから車で1時間ほどで到着です。ご駐在は初めてという松村副社長にカナダでのものづくりやご自身のことについて詳しくお話を伺いました!

神林:御社の事業内容の紹介をお願いします。

松村氏:ショーワ・カナダは今まではパワーステアリングのポンプの加工からアセンブリと4WD用駆動系部品であるプロペラシャフトの製造を行なってきました。今年から来年立ち上がる、11.5モデルのNEWシビックの電動パワステ(EPS)を本格的に北米地区で製造することになり、カナダが選定されたことから、今後プロペラシャフトという部品とパワーステアリングの事業を2本柱でやっていく予定です。

神林:社員さんは何名ですか。また設立はいつですか。

松村氏:社員300人、駐在員は5名です。設立は1998年です。当初駐在員は3名でした。今は、新たにパワステ事業をやるということで5名に増員となりました。

神林:設立時にこちらのロケーションを選ばれたのはどういった理由ですか。

松村氏:ここはもともと倉庫業を行なうために設立されました。アメリカのオハイオにある兄弟会社で製造されたショックアブゾーバー(サスペンション)をHCMさんのアリストン工場やCAMIさんへ納めるというのが設立の趣旨でした。そういう観点からHWY400279から近いというロジスティック上のデメリットがないところを選びました。

神林:御社の拠点について教えてください。

松村氏:カナダでは1拠点、海外では10カ国19拠点に展開しています。それぞれカテゴリが違いますが、パワステに関しては北米ではカナダ、日本の御殿場です。他にタイ、インド、中国、UKにも展開しています。

神林:アメリカには無いのですね。

松村氏:アメリカはカテゴリが違い、油圧をやっています。新事業のEPSについては、本来であればアメリカが選定されるところだったのですが、少し難しい点があったのでカナダになったんですね。

神林:12年間こちらで事業展開をされているとのことですが、こちらで日本の社是を浸透させるためにどのような取り組みをされていますか。

松村氏:「人間尊重」というのが社是にあることから、運営はこちらの意見を主体にしながら、現地社員から意見を出してもらうことに取り組んでいます。派遣の日本人と現地のカナダ人が一緒になって事業を展開していくため、何かをやるとしてもまず彼らに提案をしてもらい、彼らの意見を中心にしています。自主性を尊重していますが、任せっきりもいけません。妥当かどうかは私たちが評価をしながら、一緒に作りあげるんです。

例えば今回EPS導入にあたり、細かい管理が必要ですから日本の管理システムを取り入れました。そのシステムそのままを素直には受け入れてもらえないので、日本のやり方を例にして掲げ、現地のマネージャーに見てもらい、彼らにどのように管理するかを考えてもらっています。日本のやり方とカナダのやり方をうまく共存させていこうというやり方ですね。

神林:なかなか難しい取り組みですね。

松村氏:これはSQS活動(管理帳票見える化)というのですが、どこの現法でも受け入れてもらえないことがあるようです。その点ではカナダでは受け入れてもらえるのはいいことです。ただ、それを本当に必要だという意味を理解してもらうために一生懸命やっています。

神林:新事業を立ち上げるにあたって設備面ではどのような変化がありましたか。

松村氏:EPSというのはパワステでも内蔵物になるので、異物を持ち込まないというのが大前提です。御殿場工場でもすでに導入しているのですが、今年6月にクリーンルームという、ゴミを持ち込まない部屋を作りました。テニスコート2つ分弱ほどの大きさです。その部屋に入るときは髪にネットをしたり、靴を履き替えたりします。こういうときもカナダ人に理解してもらうのに苦労しましたね。パワステ事業を行なうためにこのように設備投資をしていますよ。

やはり今回、シビックは日本での生産が無くなったので、タイ・イギリス・中国と生産拠点がある中でここが一番大きいんです。ですから日本の親会社の力の入れ方も違って、日本からの支援者も出張支援で30人ほど来ています。

神林:30人とはすごい数ですね。

松村氏:設備の立ち上げと運営のための教育が必要ですから支援体制も充実させています。毎朝ミーティングを行ない、現地社員にノウハウを伝えています。

神林:新しいことを始めるとなると色々なご苦労がありますね。では、このあたりで松村副社長のご経歴について御紹介をお願いします。

松村氏:出身は神奈川県の小田原市。ショーワは国内に5拠点(本社が埼玉、続いて秦野、御殿場、浅羽、名古屋)あります。私は秦野工場から始め、パワステ事業に携わってきました。昭和60年に御殿場に異動になり、その後2年だけ秦野にいた時期もありますが、基本的にはずっと御殿場です。リーマンショックの前、右肩上がりの生産量で生産が追いつかなくなった経緯から2008年から新工場(現:第一工場)が建ち、副工場長になりました。そして1年後カナダに駐在となりました。

神林:ではご駐在は1カ国目ですね。

松村氏:今までは立ち上げ支援ということでアジア各国には出張ベースで行ってはいましたが、駐在は初めてです。単身ですのでやはり炊事洗濯は苦労しています。日本では帰宅は日付が変わる時間でしたし、土曜も出勤でした。ほとんど家にいませんでしたね。こちらに来ていろんな勉強をさせてもらっています。得意料理はカレー。今からメニューを増やしていきます。楽しくなってきたので、日本から料理本を送ってもらうようにお願いするほどです。

神林:趣味や好きなスポーツは何ですか。

松村氏:学生時代はハンドボールをやっていましたが、今はゴルフですね。他には今まで仕事しかしていなかったので、これから見つけたいです。家族もスポーツが好きで、妻はバスケットボールをやっていました。3人の子どもは全員バスケットボールをやっています。特に一番上の娘は176cm、特待生で神奈川県選抜に選ばれて韓国へ遠征に行ったり。自分もスポーツやっていたので、応援に熱が入ってしまいますが、そこでストレスを発散しています。こちらに来てから応援に行けなくなったので、DVDを送ってもらって見ていますよ。

神林:では今いちばんの楽しみは、そういったお子さんの成長や活動を見られることですね。

松村氏:そうですね。こちらに来ることによって家を顧みる余裕ができましたね。離れると子どもの成長が気になります。

神林:カナダに来られて8ヵ月ですが、どんな印象をお持ちですか?

松村氏:人も土地もゆったりしていますね。買い物のときなど、英語が拙くても辛抱強く聞いてくれます。人に対して優しい国であることは確かです。この寒ささえなければ非常にいいところですね。

神林:カナダでやりたいことはありますか。

松村氏:ビジネス面では、ここで事業がずっと続いていけるような土台を作りあげること。つまり、現地人に自分のノウハウをしっかり伝えて、事業運営がしっかりできるようにするのが私の使命だと思っています。

マネージャー業の実感が得られるのはそのポジションを去ってからだと思っています。日本でもそうでした。今まで自分の部下に相当厳しくやってきたので恨まれていると思っていたんですよ。駐在が決まったときの送別会は20人ぐらいを予定していたのに、結果的に130人も集まってくれて。部下が「厳しく指導してくれたあのときがいい思い出だ」と言ってくれたのが印象的でした。「自分のやりかたが間違っていなかったんだ」と分かって本当にうれしかったですね。今は自分の部下たちが管理職になり、自分の育て方が正しかったと分かったのもうれしいです。それと同じようなことをここでもやっていきたいですね。厳しくやって今は恨まれるかもしれないけど、従業員の教育も含め事業体制をしっかり整え、今の従業員がずっと残ってくれるような会社になるよう、その礎を作りたいと思います。

神林:たくさんのご苦労があると思いますが、目標達成のため頑張ってください。インタビューは以上です。ありがとうございました。

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